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体験を作る=デザインの魅力に惹かれ、サービスデザインの世界へ──Designer 村山若菜

フォーデジットでは、どんなメンバーがどうやってものづくりに励んでいるのか?普段はなかなかお見せできないフォーデジットの「ナカミ」をお届け。ひとりのメンバーに注目し、そのナカミ-働く姿や哲学を、周囲の声を交えて探ります。

今回注目したのは、デザイナーの村山若菜。幼少期から絵を描くのが好きだった彼女がサービスデザインの仕事を志すようになった理由とは?「やりたい仕事ができている」今と「後輩デザイナーのロールモデルを目指したい」という未来まで、CEOの田口が聞きました。

村山若菜/デザイナー
2019年、フォーデジットにジョイン。小さい頃から絵を描くのが趣味。美術大学でサービスデザインを学んだ後、広告制作会社でWebデザインの経験を積み、サービスデザイン領域の仕事ができる会社を探してフォーデジットへ。エンターテインメントが好きで、特にテーマパークのショーやパレードを見るのが大好き。休日は映画を観たり、手芸や刺繍に勤しむ。

サービスデザインの世界に惹かれた理由

──小さい頃から絵を描いていたのは「お母さんの思惑」だったとのことだけど......。

私の母は、自分が苦手な絵を子どもには描けるようになってほしいと思っていたようで、物心ついた頃から紙と鉛筆が近くに置いてあったんです(笑)。気づいたら絵を描くのが趣味になっていて、美大の情報デザイン学科に進みました。

──情報デザインを専攻したのはなぜ?

最初はグラフィックデザインを学ぶつもりでしたが、「何かを作るのが好き」という漠然とした理由で美大に進んだので、そもそも“デザイン”と定義される領域についてあまり知らなくて…学科の説明会で体験のデザインという分野があるのを知り、「モノだけじゃなくコトにもデザインがあるんだ」と気づき、自分の中でデザインが意味するものの幅が広がったんです。

──絵を描くのが好きな人だと、体験のデザイン=UXデザインを知ったとしても直接的にはそこまで響かない気がするけど、そうはならなかったんだ。

私、テーマパークがすごく好きなんです。サービスの頂点だと思っていて。多くの人が時間とサービスにお金を払っているわけですよね。あの体験を作り込む仕事も“デザイン”なんだと自分の“好き”とリンクして、面白そうだなと思ったんです。それまでは、デザイン=かっこいいものを作るという考えが自分の中にあったのですが、そこからサービスを作るのもデザインと考えられるようになりました。

──UXデザインという概念を知っただけではなく、自分の経験と結びついて理解したと。

そうです。それで授業は経験領域ばかり受け、サービスデザインのゼミに入っていました。ただ、1社目の広告制作会社での仕事はWebデザインが中心で、技術面で身についたものは多かったのですが、大学で学んだこととはちょっと違うなと。だから、フォーデジットに転職してサービスデザインの仕事に関わるようになり、やっと進みたかった道に戻ることができました。

──実際にやってみてどうですか?

手を動かしている時間はもちろん楽しいですが、プロジェクトメンバーと議論したり、クライアントと話したり、相手の意図を汲み取りつつコミュニケーションして、それをデザインにどう落とし込むのかを考えるのが楽しいですね。私はみんなで意見を交わしながらプロジェクトを進めていくその工程を大事にしたいので、それができているなと感じています。

自分が納得できる“完璧”を目指すには「伝え方」が大事

──ここからは、周りのメンバーの声も参考にしながら、村山さんの働く姿に迫っていきます。まずはこんな声がありました。

プレゼン能力が非常に高い

まず、作るものは自分がきちんと納得できる完璧なものにしたい、というのが信条です。その上で「それをどう相手に理解してもらうか」が重要だと思っています。だから伝え方には結構こだわります。資料の作り方も、言葉の選び方も、「どうやったら相手に伝わるか」の部分にはすごく力を入れていますね。こちらの言葉で話していては伝わらないので、相手の言葉に落とし込むことを大事にしています。

──それが、皆が評価するプレゼン能力の高さにつながっているわけですね。あとはこんなコメントも。

とにかく頭がいい!頭の回転も早い
冷静に、ロジカルに物事を整理できる

そんな(笑)。学生の頃からずっと、課題解決を考えるのが楽しいんです。それがロジカルに見えるのかもしれません。その一方で、アーティストのように感性でアイデアを生み出すのは苦手で、これは欠点かもしれないと思っています。あまりにロジカルに考えすぎるので、もうちょっと自由な発想ができればいろんな案を作れるのになあ…と思ったりもします。

──なるほど。あとは「ガッツ」という言葉も出てきました。

ガッツがあって、体力もある
かなりの負けず嫌い(恐らく本人はバレていないと思っているが、結構バレてる)
考えたり、悩んだりしている時、モニターを焼き殺すような目で見ている

ガッツはわからないですが、たしかに負けず嫌いです。デザインの作業をしていても、自分が納得していない段階のものを人に見せたくないです。もちろん、良いものにするために途中で共有して方向性をすり合わせるのが必要な時もあるのはわかりますが、納得いくまでやってから出したいので、作業中に背後に立たれるのはすごく嫌です(笑)。
それに「モニターを焼き殺すような」って、そんなところも見られているんだ…気をつけます(笑)。意外といろいろバレてるんですね。

「あの人を見ていれば大丈夫」という存在になりたい

──「周囲への気配りができる」といった声からは、先ほど話してくれた「周りと意見交換しながら皆で作る」姿勢が見えてくるのですが、そのために心がけていることはある?

周りへの気配りができる
クライアントに理解・納得してもらうために必要なことは先回りして用意する

一緒に仕事をしているメンバーは皆さん優秀で頼りになりますし、助けてくれる人たちを大事にしたい、という気持ちが強いです。良いものを作るためにアイデアがほしいし、それを良いと思ったら一緒に実現したい。自分のデザインにこだわりがないわけではないですけど、それはあくまで土台で、いろんな職能の人たちの力を借りて良くしたいという感じですね。
だから自分のやりたいことはきちんと持ちつつ、それを実現するためにどうすべきかは「こういうことをやりたいのだけど、どうしたらできますか?」と聞くようにしています。昔は知識も経験もなくて「こんなことを聞いたら失礼かも」という気持ちがあったのですが、今は皆を信用しているので臆さず聞くことができます。

──より良いものにするために周りのアイデアや意見をもらいたいとなると、どんな風にコミュニケーションをとっているの?

自分の中の譲れないところは伝えつつ、その範囲でどうしたらいいかという聞き方ですね。やり取り自体はチャットでも口頭でもどっちでもいいと思っていますが、いずれにしてもやり取りはオープンに、皆に見えるようにしたいとは思っています。

──では、クライアントとのやり取りで気をつけていることは?

やっぱり“伝える”ところです。それと同時に“聞く”ことも。デザインについては特に言語化が難しい部分はありますが、そこで共通認識ができていないと、後々の対応が「なんとなく」になってしまう。単純に依頼されたことに対応するのではなく、クライアントが「どういう意図で言っているのか」を理解できるまで聞くようにしています。

──最後にこんな声もあったけど、自分の役割について意識していることはある?

周囲の「お手本」的な存在

これは目標なのですが、私より上の世代の女性デザイナーが少ないので、若い世代のロールモデルのような存在になりたいなと思っています。ライフステージが変わるタイミングでこれまでと同じようにやっていけるのか悩んだり、女性デザイナーはどこかで不安になるタイミングが来ると思うのですが、そんな時に「村山さん楽しそうだし、あの人を見ていれば大丈夫」みたいな存在になれたらいいなと思ってやっています。

──まさに「皆のお手本でいてくれる」という声の通りで、すでにそう思われているわけだ。いつ頃からそう思うようになったの?

入社して3、4年なので最近ですね。仕事に対して評価もしてもらえるようになってきて、「あ、こういう風に立ち回ればいいのかも」と自分でもポジションが見えた気がしています。少しずつですが気持ちに余裕が出てきたのかもしれませんね。

インタビュー後記

村山さんと話していて感じたのは、物事を受け止める時にいちいち解釈を挟まない人だなということです。「後輩が言っているから」「クライアントが言っているから」みたいな偏った解釈はあまりしない。だから皆も意見を言いやすいし、村山さんの発言もすごく素直に相手に届くのだと感じました。デザイナーとして自己表現したい気持ちは当然あるわけで、どうしてもその“想い”は出ちゃうはずなのに、意見を受け止めてくれる感じがするのは、相手もすごく仕事がしやすいだろうなと思います。今後も、ロールモデルとしてはもちろん、周りが安心できる存在になっていってもらいたいです。(CEO 田口)

編集・執筆 glassy&co.
撮影 吉田周平

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