北海道から楽器やオーディオ、カメラの買取事業をスタートさせたニーゴリユース。今回は社長の木原様にインタビューを行い「買取事業への思い」を聞かせてもらいました。嗜好品に特化した買取事業は国内では非常に珍しい業態ですが、どこにそのモチベーションがあるのでしょう。
もともとはオールジャンルの買取を手がけていた
-そもそもの買取事業を始めたきっかけを教えてください-
20代の時に入った会社が中古車売買を行っていました。自分はそこで車のパーツの買取を担当していたんですが、「このビジネスのスキームって他のジャンルの買取でも活かせるんじゃないか」と思ったのがきっかけですね。
立ち上げた当初はあらゆる不用品・中古品を扱っていたんですがうまく行かなくて。楽器やカメラのような嗜好品に絞ってから会社が成長し始めた感じです。
嗜好品に絞ったリユース業者は珍しい
-なぜ嗜好品に絞ったのでしょう-
カメラや楽器のような嗜好品を持ち込める専門買取店がほとんどないと感じたからです。もちろん街中にはオールジャンルの中古品を買取してくれるリユース業者はあります。しかし、専門性の高いカメラや楽器をそこに持っていきたいかというと別です。他に買取店がないから、結果的に使うというのは有るかもしれませんが。
また、カメラや楽器、オーディオは真贋鑑定の必要があまりない商品です。ブランド品や時計と違って偽物が存在しません。型式を見れば大体の相場がわかるので、査定にかけるコストやリスクも低い。そういった商品に特化しているのです。
接客を行い満足買取を実現
-査定はどのように行うのでしょう-
ニーゴリユースの査定の特徴は、ご自宅に伺った査定士が値付けを行わないことです。値付けは全て本部で行い、査定士は引き取る物品の破損具合や汚れなどの状態を本部に報告することが仕事です。
最も重要なのは査定に当たって「お客様を接客するという意識を持つ」こと。例えば思い出の品物についてお客様からストーリーを伺う、専門的な知識についてご教示いただくなど、とにかくコミュニケーションを取るということを重要視しています。時にはお茶や夕食をご馳走になることもあり、査定士にはそれも許可しています。他のリユース業者だとまずない手法です。
買い取り価格でお客様の期待値を超えることは非常に難しい。例えばヘアサロンで髪を切った後のアンケートで、「カットのレベルが非常に高かった」という評価をもらうことは難しいでしょう。それよりは、寒い日に来店したお客様に温かいお茶を出してあげたことが高い満足度に繋がったりする。
ニーゴリユースでは買取を接客と捉えることで高い買取率につなげています。買取率とは実際にご自宅に訪問して、商品引き取りに成功した確率です。買取額ではなく買取ができたかどうかを重視しています。
お客様に気持ちよくニーゴリユースに嗜好品を預けていただけること。これが我々が掲げる満足買取です。
価値あるものが循環される社会を創る
-現在の状況と今後のビジョンを聞かせてください-
買い取った品物はほとんどをヤフオクに出品するのですが、非常に回転が早く9割は10日以内に売却完了します。郡山店でいうと月に800点以上は買取を行っているので、買取も売却も非常にニーズが強いと感じています。
今後は全国どこでも買取ができるように、35店舗程度まで全国展開したいと考えています。どうしても事業を展開するというと首都圏を中心に考えがちですが、「音楽やカメラが好きな人が田舎になると少ない」わけが無い。地方であっても自宅に買取をできる品物が眠っているお宅は多いはずです。これまでの店舗の買取実績でそれは証明されています。
「実は自宅に価値あるものが眠っている」というのはロマンだと思いますし、それを循環させるというのがニーゴリユースの使命だと考えています。「価値あるものが循環される社会を創る」というビジョンを実現するために、今後も事業を展開していきたいです。