開発志望で、いまテストに向き合っている人へ
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新人エンジニア、特にSESの方のキャリアについて、最近よく見かけるのがこんな意見です。
「最初から開発に行くべきだ」
「テストから始めるのはもったいない」
こうした声を目にして、いまテスト工程にいる人が、不安を感じている場面もあると思います。
まず前提として触れておきたいのは、開発を志望している人が一定数いる中で、スキルや経験、現場状況を踏まえた判断として、まずテスト工程からのスタートになるケースが相当数ある、という点です。
「開発に行けるなら行きたかったが、今はテストから始まっている」。
そのような思いを持っている人も多いかと思います。
目次
- なぜテスト工程から始まるケースがあるのか
- テスト工程が前向きに機能する条件
- ゴールは「開発に行くこと」だけではない
- 問題になるのは「テスト」ではなく「固定された状態」
- 本人にできること、会社に求めたいこと
- まとめ
- おわりに
なぜテスト工程から始まるケースがあるのか
多くの開発現場では、新人がいきなり実装を担うことは多くありません。
- システム全体を把握する必要がある
- 変更の影響範囲が広い
- 品質トラブルのリスクが高い
こうした背景から、まずは影響範囲が比較的限定されている工程から関わる、という判断が取られることがあります。
これは、「期待されていないから」でも「開発に向いていないと判断されたから」でもなく、現場としてのリスク管理と育成判断によるところが大きいです。
テスト工程が前向きに機能する条件
テスト工程が、単なる消化作業になるか、キャリアアップにつながる経験になるかは、環境によって大きく変わります。
具体的には、
- 仕様書や設計書を読み、処理の流れを把握できているか
- テストケースが、どの仕様・どの条件を確認するものか説明されているか
- 不具合が出たときに、原因箇所を追える余地があるか
- 開発者と、修正内容や設計意図について会話できるか
こうした要素がそろっていれば、テスト工程は「作業」ではなく、実装や設計を理解するための入り口になります。
ゴールは「開発に行くこと」だけではない
もう一つ、あまり語られにくい視点があります。
テスト工程の経験は、開発エンジニアへの道だけでなく、QAエンジニアとして専門性を高めていく道にもつながります。
テスト設計、品質観点の整理、仕様の曖昧さを指摘できる力は、プロダクトが大きくなるほど価値が上がります。
開発を目指すのも自然な選択ですが、QAとして品質を軸にキャリアを築くのも、十分に意味のある道です。
問題になるのは「テスト」ではなく「固定された状態」
不安が強くなるのは、
- いつまでテストなのか分からない
- 次に何を目指せばいいのか示されていない
- 開発やQAへの移行イメージが見えない
こうした状態が続くときです。
つまり問題の本質は、テスト工程にいることではなく、そこから先の道が設計されていないことにあります。
本人にできること、会社に求めたいこと
本人側としてできるのは、
- テスト対象の仕様や設計を意識して読む
- 不具合の再現条件や影響範囲を整理する
- 開発やQAがどういう役割を担っているか理解する
こうした積み重ねが、次のステップに進む際の土台になります。
同時に、会社側には、
- 開発/QAそれぞれへの移行イメージを示すこと
- 実際に進んだ事例を共有すること
が求められます。
まとめ
テスト工程から始めること自体は、後ろ向きな選択ではない。
問題になるのは、「そこからどう進むか」が見えなくなったとき。
開発志望で、いまテストにいるという状況は、能力や意欲を否定するものではありません。どこから始まるかよりも、どこを目指し、何を積み上げていくか。この視点を持ち続けられるかどうかが、あとから効いてきます。
おわりに
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