(がん予防:おすすめ食材+避けたい食品)
(がん予防:おすすめ食材+避けたい食品)
食とがん予防
「食べ物は薬である」という理念は、がん予防の実践に直結します。世界がん研究基金(WCRF)や米国がん研究所(AICR)は、食生活とがんリスクの関連について科学的な報告を重ねており、毎日の食卓の選択ががんの予防に大きく影響することが明らかになっています。
✅ がん予防に役立つおすすめ食材
(前回までにまとめた内容)
- 大豆製品(豆腐・納豆・味噌)
- 緑黄色野菜(ブロッコリー・にんじん・ほうれん草)
- トマト(リコピン)
- きのこ類(βグルカン)
- 緑茶(カテキン)
- 魚介類(特に青魚のオメガ3脂肪酸)
- 全粒穀物・雑穀(食物繊維・ビタミンB群)
❌ がんリスクを高める可能性のある食品・習慣
1. 加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコンなど)
- 国際がん研究機関(IARC)は、加工肉を**グループ1(発がん性がある)**に分類しています。
- 特に大腸がんとの関連が報告されており、できる限り摂取を控えることが推奨されます。
2. 赤肉(牛肉・豚肉・羊肉など)
- 過剰摂取は大腸がんリスク増加と関連があるとされ、WCRFは週350〜500g未満に抑えることを推奨。
3. アルコール
- 飲酒は、口腔がん、咽頭がん、食道がん、肝臓がん、乳がんなどとの関連が明確にされています。
- 少量であってもリスクはゼロではなく、できる限り控えることが望ましいと報告されています。
4. 高糖質・精製食品(砂糖を多く含むお菓子・清涼飲料水、白米や精製パンの過剰摂取)
- 急激な血糖値上昇はインスリン抵抗性を悪化させ、インスリン様成長因子(IGF-1)の過剰産生を促します。これは細胞増殖を刺激し、がん化リスクを高める可能性があります。
5. 過剰な塩分(漬物・塩辛・加工食品など)
- 塩分の過剰摂取は胃がんのリスク因子として知られています。特に塩漬け食品と胃がんの関連が強調されています。
6. 揚げ物や焦げた食品
- 高温調理で生じるアクリルアミドや、肉の焦げに含まれるヘテロサイクリックアミン(HCA)、**多環芳香族炭化水素(PAH)**は発がん性物質とされています。
まとめ
がん予防のための食習慣は、**「取り入れるべき食材」と「避けたい食品」**を意識することが重要です。
- ✅ 推奨される食品:野菜・果物・大豆・魚・きのこ・緑茶・全粒穀物
- ❌ 避けたい食品:加工肉・赤肉の過剰摂取・アルコール・砂糖過多食品・塩分過多・焦げや揚げ物の過剰摂取
日々の食卓は、がん予防の最前線です。無添加で自然に近い食材を積極的に選び、体に負担をかける食品を控えることが、「未来の健康を育てる」最良のセルフケアとなります。
参考文献
- World Cancer Research Fund/AICR. Diet, Nutrition, Physical Activity and Cancer: a Global Perspective. 2018.
- IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans. Red meat and processed meat. 2015.
- Louis P, et al. Gut microbiota and colorectal cancer. Nat Rev Microbiol. 2014.
- Giovannucci E. Nutrition, insulin, IGF-1 and colon cancer. Am J Clin Nutr. 2001.