📖 旬の味通信 ― 番外編
📖 旬の味通信 ― 番外編
― 海と大地が出会う場所 ―
執筆:東嶋尚弥(1960年12月1日生まれ)
波の音と風の匂い。そのあいだにある命の循環。
🌊 海と風が語るもの
朝早く、まだ潮の香りが濃い浜辺を歩く。
波の音の向こうから、漁師たちの笑い声が聞こえる。
海は今日も、いつものように広く、深く、そして優しい。
少し離れた丘には、赤土の畑が広がり、
そこでは島野菜の苗が春の光を受けて育っている。
海と大地――そのあいだを渡る風が、
沖縄の“食の命”を運んでいるように感じる。
🌾 命がめぐる風景
私たちが毎日食べているものは、
誰かの手と、自然の時間の中で生まれたもの。
畑で野菜を育てる人、海で魚を獲る人。
そのすべてが、食卓の「はじまり」です。
ひとつの野菜にも、ひとつの海藻にも、
見えない物語がある。
日差し、雨、潮、そして人の想い。
それらが重なって、一皿の中に息づいている。
🍽 食の原点をたどる旅
私は料理人として、いつも思います。
“食べ物”とは、自然との対話そのものだと。
どんなに時代が変わっても、
料理の中に流れるのは、人と自然のつながり。
海からの恵み、大地の力、
そしてそれを形にする「人の心」。
それらがひとつになったとき、
初めて“本当の味”が生まれるのだと思います。
🌺 未来へ続く絆
食文化は、伝統を守るだけではなく、
新しい命を吹き込むことで生き続ける。
若い料理人たちが、それぞれの感性で
この島の味を未来へつないでいく姿を見ると、
胸の奥が温かくなります。
シヌグの祈り、畑の手、海の息。
それらはみな、沖縄という土地に生きる人々の“心の根”です。
その根がある限り、この島の食は決して枯れない。
☀️ あとがき ― 海と大地のはざまで
海があり、大地があり、人がいる。
それだけで、この世界は十分に豊かです。
私が料理を通して伝えたいのは、
「いただきます」という言葉の向こうにある、
生命への感謝とつながり。
沖縄の風が吹くかぎり、この物語は続いていきます。
🌈 新章予告:
📖 「旬の味通信 ― 第二章:島をめぐる、風と祈りのレシピ」
自然・祈り・人の手仕事をめぐる、
“沖縄の心の食文化”をさらに深くたどる旅へ。