西沢貴寿の海外医療体験で見えた、日本医療の強みと改善点
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医学生の西沢貴寿です。
私は昨年夏、学びの一環としてインドのジャールハンド州近郊を訪れ、地域病院で医療現場を体験しました。限られた医療資源の中、医師や看護師が創意工夫を凝らしながら地域住民の診療にあたる姿は、今でも強く印象に残っています。
例えば、消毒薬や衛生用品が不足する状況下で、代用品を工夫して感染予防を行うなど、現場での柔軟な対応力が求められていました。
海外医療体験で見えた日本の医療の強み
この経験を通じて、海外の医療現場と日本の医療を比較する機会を得ました。
まず、日本の医療の強みは、何よりも充実した医療資源と高度な医療技術、そして制度的な整備にあります。日本では診療機器や検査体制が高度に整っており、医師一人ひとりが専門性を発揮しやすい環境が整っています。
また、国民皆保険制度により、経済的な理由で診療を受けられないケースが比較的少ないことも大きな利点です。
西沢貴寿が考える日本医療の課題
一方で課題も見えてきました。海外の現場を目の当たりにしたことで、日本でも医療格差や地域差の存在を改めて意識するようになりました。
都市部と地方、あるいは病院の規模によって診療のアクセスや質に差が生じることがあります。
また、医療の高度化が進む一方で、医師や医療従事者の負担が増大しており、現場の働き方改革やチーム医療の推進が急務であることも感じました。
研究と現場の融合の重要性
さらに、海外では研究成果の実地への反映が非常に制約される一方、日本では臨床研究と診療の連携が比較的スムーズである点も、強みとして認識しました。
しかし、研究結果をより早く社会に還元し、現場の医療に活かすためには、医療従事者と研究者の協働や情報共有の仕組みをさらに強化する必要があります。
将来への展望
私が海外医療体験を通じて学んだことは、医療の質と公平性を保つには制度・技術・人材・現場の柔軟性がすべて不可欠であるということです。
今後も学内での研究活動と現場体験を両輪として、医療の強みをさらに伸ばしつつ、課題を解決する視点を持った医師を目指したいと考えています。