クルージングヨット教室物語242
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「どうする?陽子」
隆は、陽子に聞いた。
「え、私?今年も私が乗るの?」
サイドデッキでクラブレースの旗を持っていた陽子が隆に返事した。
「陽子ちゃんは、今は旗を持っている仕事しているから」
麻美子が隆に言った。
「麻美子に断れてしまったか・・」
隆が呟いた。
「ああ!雪、雪が一緒に乗ろう!」
隆は思いついたように、雪のことを誘った。
「私が乗るの?」
「嫌か?」
「別に嫌じゃないけど・・」
「それじゃ、雪が一緒に乗りなさい」
そう言うと、隆は雪と一緒にアクエリアスに乗り移った。
「じゃ、行ってきます!」
隆が言うと、
「行ってらしゃい!頑張ってきてね」
麻美子が手を振りながら返事した。
アクエリアスがラッコから離れると、すぐに隆は中村さんからラットを任された。
「彼はベテランだからね。彼の元でレースに参加するとヨットのことを色々教えてもらえるぞ」
中村さんは、隆のことをアクエリアスの今年のクルージングヨット教室の生徒たちに紹介していた。
「彼女は雪って言って、去年の君たちと同じクルージングヨット教室の生徒だったんだから、君たちよりも1年先輩なんだから、何でも雪に聞くと良いよ」
隆は、雪のことを勝手に紹介していた。
「なんで、私なの?」
雪は隆に聞いた。
「香代ちゃんはこっちに来れないだろうけど、香織ちゃんとか瑠璃ちゃんとか私よりもヨットのことわかっている優秀な去年の生徒いっぱいいるじゃない」
雪が隆に文句を言った。
「いや、わからないから雪のことを呼んだんだよ」
隆は雪に答えた。
「1年も経って、まだ船の風上がどっちかわからないなんて最悪だぞ」
今朝のマッキーの舫いを取った時のことをまだ話している隆だった。
「香代はもちろん、陽子や瑠璃とか皆、成長してきているのに、雪だけいつまで経っても成長できていないじゃん。だから、今年の目標は雪の強化月間にするから」
「強化月間なんだ」
「いや、強化年間だな」
隆は、雪に言った。
「はい。そしたら早速タックをしよう!」
隆は、雪に言うとアクエリアスをタック、方向転換させるのだった。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など
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