現場と構造の両面から成果を作る
■ 参画背景:後任としての立ち上がりと分断された体制
自社開発CMSを基盤としたオウンドメディア・社内報の制作事業を展開する企業にて、インサイドセールスとして参画しました。
当時は前任者の退職が決まっており、後任としての立ち上がりが求められている状況でした。
また、営業とインサイドセールスで担当商材が分かれており、営業はオウンドメディアや社内報。インサイドセールスは、誰でも簡単にLPが作れるテンプレート「スタートアッププラン」を担当していました。
本来はインサイドセールスがクロージングまで担う想定でしたが、運用が難しく、最終的には部門責任者へトスアップする体制となっていました。
加えて、マーケティング専任も不在で、リード活用やアプローチ設計が十分に行われておらず、アポイント獲得もほとんどできていない状態でした。
■ 課題①:リードと提案内容のミスマッチ
まずはリードの中身を精査したところ、対象の多くが企業ではなく、情報収集段階の個人事業主や法人化前の初期フェーズの層であることが分かりました。
そのため、「LP制作の提案」を前提としたアプローチではニーズと乖離しており、商談に繋がりにくい状態でした。
■ 施策①:提案の再設計とCRM運用の整備
そこでアプローチ方針を見直し、「制作を売る」のではなく「何が必要かを整理する支援ができる」という切り口へ変更。相手のフェーズに合わせた提案へと切り替えることで、徐々に反応率を改善しました。
あわせて、リードごとの検討状況に応じた優先順位付けやアプローチ頻度の最適化を実施。
CRM上のステータス設計や履歴の記録ルールを整備し、誰が見ても状況が把握できる状態を作ることで、無駄なアプローチを減らしながら、必要な相手に適切なタイミングで接触できるようにしました。
これらの取り組みにより、アポイント獲得を安定させ、再現性のある運用へと改善しました。
■ 課題②:アポイントが受注に繋がらない構造
アポイント獲得は改善した一方で、商談が受注に繋がっていない状況に課題を感じるようになりました。
ちょうどそのタイミングで、前任のマネージャーおよびメンバーが離脱し、経験の浅いマネージャーと2名体制へ移行。限られたリソースの中で運用を継続しながら、商談以降のプロセスも含めて状況を分析しました。
■ 施策②:構造課題の特定と意思決定への接続
分析の結果、営業プロセス上の問題ではなく、リード獲得手法や商材設計、外部パートナーとの契約構造に起因する、構造的に受注が難しい状態であることを特定しました。
この内容を整理し関係者へ共有したことで、「現状のままでは成果が伸びない」という共通認識が生まれ、スタートアッププランの提供終了および組織再編へと繋がりました。
■ 体制変化への対応:営業連携とマーケ機能の再構築
その後、新たにマーケティング担当が参画し、インサイドセールスも営業と連携して同一商材 オウンドメディア・社内報 を扱う体制へ移行しました。
しかし、ツール活用や施策設計が十分に行われておらず、リードナーチャリングやメール運用が複雑化・停滞している状態でした。
■ 施策③:ツール活用の見直しと運用の再設計
そこで、既存のメールフローを再設計し、最低限機能するシンプルな運用へと改善しました。
また、SalesforceおよびMAツールの活用も見直し、社内のSalesforce管理者やサポート窓口と連携しながら運用改善を推進。その過程で、プレミアサポート契約が活用されていないことに気付き、勉強会の実施を提案・実行することで、チーム全体のツール活用レベルの底上げにも取り組みました。
■ まとめ:現場と構造の両面から成果を作る
インサイドセールスとして現場の成果を出すだけでなく、「なぜ成果に繋がらないのか」を起点に、営業プロセスにとどまらず事業構造まで含めて課題を捉え、改善に繋げてきました。
立ち上げ期や体制が整っていない環境においても、リード設計・アプローチ・ツール運用・組織連携といった要素を整理し、現場で実行可能な形に落とし込むことで、再現性のある仕組みを構築することができます。
今後も、0→1・1→10いずれのフェーズにおいても、現場と構造の両面から事業成長に貢献していきたいと考えています。