武蔵野美術大学 / 造形学部視覚伝達デザイン学科
君のいる場所
本の読み方をリデザインした、絵のない絵本の編集と装幀。 【背景】 タイポグラフィの授業で、文章のみの本を作る課題が出されて、判型、内容、ページ数一切制限なしです。 企画書と台割りから始め、線と色の濃淡調整、レイアウトや判型や紙の選び、装幀の仕方などを試行錯誤しながら、もっとも自分の意図に近い作品を仕上げました。 日本タイポグラフィ年鑑にも入選しました。 【理念】 本の読み方をリデザインした、絵のない絵本を作ってみました。 敢えて文字と大量の余白だけで物語りの季節の中で移ろいゆく景色を想像してもらいながら、繊細なラブストーリーを味わってもらいます。 例えば、線の関係によって、物語の内容をわかるような目次を加えました。また、両側の本文の距離は二人の主人公の関係を表しています。背景のグラデーションは昼から夜に変わったシーンです。日付しか書いてないページは主人公たちの生活を読者に考えてもらいたいからです。 最も重要なところは、この本を読む時、二人が向き合ってお互いの目線を交差することで、より深く交流でき、人と同じ本をシェアしている雰囲気感じさせたいと考えました。