北海道大学生命科学院 / 生命科学部 生命科学科 医薬学科専攻
肺の血管内被への標的分子を修飾するナノ粒子による肺の上皮細胞への移行についての論文
GALAペプチド(WEAALAEALAEALAEHLAEALAEALEALAA)は、ランダムコイルからα-ヘリックスへのpH依存的な構造変化が可能であることに基づき、エンドソーム膜の不安定化を誘発するために設計されます。最近、GALAペプチドで修飾されたリポソーム(GALA-LPs)が静脈内注射後に肺内皮細胞(ECs)に広範に蓄積することを発見しました。ただし、GALA-LPsの取り込みメカニズムと肺胞上皮に到達する能力は不明でした。 本論文では、GALA-LPsがクラスリン媒介の経路を介してECsに内在化されることを報告しました。驚くべきことに、GALA-LPsは肺ECsを通過し、他の細胞に到達する能力を持つことが示唆されました。GALA-LPsは肺ECsの70%以上に取り込まれましたが、同時にI型肺胞上皮(ATI)の約30%にも蓄積しました。GALA修飾金ナノ粒子はECs、基底膜、ATI、II型肺胞上皮(ATII)、および肺胞マクロファージなど他の細胞で検出されました。 この結果と一致するように、anti-podoplanin siRNAを封入したGALA-LPsを使用して肺上皮細胞で有意な遺伝子ノックダウンが達成されました。これは、GALA-LPsが肺の内皮細胞だけでなく実質細胞にも大きな分子を運搬するためのキャリアとして使用できることが分かりました。 Caveolaeはプロテインや抗体の経内皮輸送に関与しています。さらに、これらのデータにより、クラスリン媒介のエンドサイトーシスにもトランスサイトーシスプロセスにも役立つことが館得られます。