大阪大学 / 工学部 環境・エネルギー工学科
卒業論文「建物外壁点検のための赤外線カメラ搭載ドローンと複合現実感の統合システム」
建物の外壁に欠陥がある可能性の高い箇所をリアルタイムで検出・表示し、過去の検査データを活用して簡単に比較できるようにするため、ドローンと複合現実感(MR)技術を組み合わせた新しいシステムの開発を行っている。従来、建物の外壁検査は目視や打診に頼っていたが、最近の進歩により、赤外線(IR)カメラを搭載したドローンを活用することで検査効率が大幅に向上した。しかし、赤外線カメラで撮影された熱情報は目に見えないため、視覚化し、理解を容易にする必要がある。提案している方法では、赤外線カメラとRGBカメラの両方をドローンに搭載する。ドローンで撮影した赤外線画像にセグメンテーション処理と画像処理による異常検知を施す。そして、事前に作成した検査対象の3Dモデルをゲームエンジン上に配置することで、VPS(Visual Positioning System)によるドローンの自己位置推定技術を活用し、異常検知箇所の位置情報の保存とMRによる可視化を可能にする。開発したシステムの検証試験を行い、論文を執筆した。