修士論文
経済指標の長期予測をしています。将来の経済を予測するという観点から周波数領域での回帰分析であるバンドスペクトラル回帰を用いて、特定の周期あるいは期間における過去と将来の経済の関係を探っています。現状では、長期の予測においては長い期間にあたる低周波数帯が予測において重要であることがわかりました。研究を進める中で難しかったのは、理論的にあり得ない結果が出力されたことです。2つの仮説を立てて原因を検証しました。1つはモデルの使い方がモデルの仮定に沿っていないこと、もう1つはモデルを実装したプログラムに間違いがあることです。前者はモデルを扱っている論文を読み直し、長期予測の手続きと整合性があるか数式を組み立てて解決しました。後者は理論上同じ値を出力する別の推定手法を実装し、自作したデータを用いてプログラムをデバッグしました。結果、両者に問題があり解決することで信頼できる出力を得ることができました。