名古屋大学大学院 / 理学研究科物質理学専攻 非平衡物理研究室
2次元系のガラス転移
一般的な系において、2次元系での熱ゆらぎは3次元系の場合と本質的に異なり、2次元系ではその大きな熱揺らぎによって秩序構造が存在しないことがMermin-Wagnerの定理によって示されていた。 一方、ガラスの定性的描像は2次元と3次元の場合で相違なく、2次元系でもガラス転移が起こると考えられていた。しかしガラスを弾性固体とみなした理論によると、音波揺らぎによって粒子の熱振動振幅がシステムサイズに対して対数発散し、ガラスを溶かす方向に働く可能性が示唆された。 そこで実際に2次元系の分子動力学シミュレーションを行うことで、ガラスの緩和時間が本当にシステムサイズに対して小さくなるか研究を行った。