東京都市大学(旧武蔵工業大学) / 都市生活学部・都市生活学科
重度難聴学生の「耳」になる
2018年に大学入学以来、ボランティアで耳の不自由な同僚学生のノートテイカーを務めていました。講義で重度難聴学生の耳となり、先生の話に沿って、講義内容を筆記します。話はもちろん雑談も、他の生徒と先生とのやり取りもきちんとPCにタイプします。しかし、実際にタイピングスピードは話すそれに追いつかないので、話を全部タイプすることはできません。そこで内容を壊さないように短い文章にまとめます。先生の言いたいことを的確に把握し、誰が読んでもわかるように簡潔な文章で正確に伝えるように配慮して記録し、共有します。纏める際には、同僚学生がファイル内容を見て自分自身でテキストをまとめる、そのようなノートテイクを目指しています。なぜこの活動をしていたか、を私なりに考えてみると、自分と似た人が集まると普段は同じ情報を共有してしまいます。自分が属する集団と別のコミュニティ、人と関わることで、普段接しない人から普段触れない情報に出くわします。このような形での人付き合いは苦手でなく、むしろ楽しみにしています。些細で日常的なボランティア活動でも自分のために行い、そしてかけがえのないものを得ることができるからこそ継続できました。