イタリア短期留学⇨日本一周⇨ヨーロッパ一周⇨日本一周
4歳から大学1年まで、人生のすべてをサッカーに捧げてきました。 しかし、高校時代に膝と足首を同時に負傷し、サッカー人生は大きく転機を迎えます。 大学進学後もリハビリに明け暮れる日々の中で、ふと心に問いが生まれました。 「このまま、なんとなく大学生活を終えてしまっていいのか──」 そのとき、思い浮かんだのは料理人として働く父の姿でした。 黙々と包丁を握る父の背中は、私にとって誇りであり、憧れでもありました。 ただ、和食の世界で長年腕を磨いてきた父の存在は、同時に「自分には超えられない壁」とも感じていました。 だったら、自分にしかできないフィールドで勝負をしたい。 和食ではなく、あえて違う道──イタリアンの料理人として、自分の人生を切り拓こうと決意しました。 まずは、本場の空気を肌で感じたい。 そう思い、私はイタリア・フィレンツェへと旅立ちました。 現地での食文化や街の雰囲気に圧倒されながらも、「ここで挑戦したい」と強く思うようになりました。 ただ、長期的に挑戦するには、当然資金が必要です。 帰国後、料理の道に進む準備をしながら、何か自分らしい形で社会に関われる仕事を探していたときに出会ったのが、「みんなのMAEMUKI駅伝」というプロジェクトでした。 この企画は、アメリカンホームダイレクトが主催する全国規模の社会貢献プロジェクトで、がんや病気を経験した方々が、もう一度人生に前向きな一歩を踏み出すための駅伝イベント。私はその運営メンバーとして、半年間、全国各地を巡り、ランナーの方々の人生に寄り添いながら、地域の人々と向き合いました。 実は、私自身の母も当時がんと闘っており、このプロジェクトには強い親近感がありました。活動を通じて、病と向き合いながら前に進む人たちの姿に心を打たれ、また、日本各地の景色・人・文化・食に触れることで、改めて「日本」という国の奥深さを感じました。 プロジェクト終了後、私は「もっと世界を知りたい」という想いが膨らみ、単身ヨーロッパ一周の旅へ。14か国・20都市を巡りながら、現地の文化、人々の暮らし、料理、宗教、歴史に触れました。観光地だけでなく、地元の人と対話を重ねながら、その土地に息づくリアルな価値観に出会うことができたのは、何にも代えがたい経験でした。 帰国後、再び「日本を見つめ直したい」と思い、日本一周の旅にも再チャレンジ。 海外と日本の両方を実際に“体感”したうえで、日本各地を巡ることで、日本の美しさと課題、その両面に深く気づくことができました。 こうした経験は、私にとって単なる旅ではなく、「自分がどのように生きていくか」を問う時間でもありました。一貫して「自分の目で見て、足で歩き、人と語り、体験から学ぶ」ことを大切にしてきたこの時間は、これからどんな仕事をしていく上でも、私の軸となりました。