首都大学東京 / システムデザイン学部 経営システムデザイン
短時間睡眠が作業効率に与える影響 ー自然音を用いた深い睡眠の促進とその効果ー .pdf
深夜勤務を行う看護師や長時間労働者が起こす疲労に起因する事故の防止策として,勤務時間内の短時間睡眠が推奨されている.長時間にわたる連続作業は,血中アルコール濃度の上昇を招き,さらに疲労から作業効率が著しく低下する . 人間の睡眠と覚醒のリズムは,体内時計によって約24時間の周期でサーカディアンリズムの影響を受け,さらに約 12 時間リズムの影響で,眠気の最大のピークは午前 2~4 時,第二のピークは午後 2~4 時に存在する.一方,午後の眠気の解消には20分以下の短時間睡眠が効果的で,それ以上の睡眠は逆効果であることも示されている. 入眠を補助するものとして,音響を聴きながらの睡眠が注目されているが,自然音を用いた入眠誘導効果は副交感神経活動を優位にし,リラックスした状態での入眠欲求を高める. 本研究では,短時間睡眠の睡眠深度を深くさせ,疲労を軽減させることにより,短時間睡眠後の作業効率を向上できるかを検証した.