松井勇介
大きさのないマチの住処
「建築を、ひとつの工芸として考える」をテーマに地元の建築家をはじめ、陶芸家や多くのデザイナーが出展した展示会。私は、所属する宮下研究室代表として、宮下准教授と共に作品の考案、設計、施工までを行い、共同出展した。工芸の持つ自然環境と対話しながら、素材を生かし、技法を用いて美しさ豊かさを生み出すという特性と、建築が備える空間を仕切りかつ機能や設備を持つという特性を融合させた作品を生み出した。木板の重層による箱を、掘る、削る、磨くという工芸的かつプリミティブな手法によって、空間や行為のスケールを限定しない洞窟のような“大きさ”のないマチの住処を作成した。