東京理科大学 / 先進工学部 電子システム応用工学科
ゴミ箱輸送ロボットの開発
学部1年生の時に,他の学生達と寮生活をしていたのですが,寮の床に多くのごみがちらばっていることが問題になりました.原因を調査すると,ラウンジからごみ箱がある場所までが遠いため,ごみを捨てに行くのが大変であることが分かりました.これを自分の力で解決できないかと考えた時に,ちょうどプログラミングのゼミを受講していたため,ゴミ輸送ロボットの製作に取り組みました. 成果発表に向けて大目標と小目標を設定し製作を始めたのですが,主に3つの問題に当たりました.1つ目は,ロボを動かす方法でした.超音波測距センサを使っていましたが,誤検知が多く,障害物をかわせないことでした.そのため,カラーセンサを用いたライントレースに変更し,正確に輸送できるよう改善案を考えました.またカラーセンサ1つだと,スピードが遅くなってしまい,その結果荷重も小さくなってしまったので,カラーセンサをもう1つ増やし,トレースのシステムを改善することで性能を上昇させました. 2つ目はハード関係の問題で,ロボットが小さすぎると荷重が小さくなってしまい, 大きすぎるとロボットそのものが重くなってしまい,走ることができなくなってしまうことがありました.更にレゴブロックの数にも限りがあるため,どうしたら最大の成果を実現できるか考えて設計する必要がありました.そこで,大目標であるゴミの輸送はそのままに,レゴでゴミ箱を作るのではなく,既存のゴミ箱をレゴブロックで固定し,そのゴミ箱を運ぶよう設計を変えることで,少ないパーツ数でも容積を大きく増やすことができました. 3つ目は寮の環境問題があり,共同生活のため,ガムテープで引いたラインが剥がれたり,落ちている小さいゴミによって正しくライントレースできないことがありました.また,床の材質によってタイヤでは走れないこともありました.そこで,ハード面ではタイヤをキャタピラに変えることで,小さな障害物は押しのけたり乗り越えて進めるよう改造しました.またソフト面では,センサの数を増やして輸送方法を変えることにより,より正確に運用できるよう試行錯誤を重ねました.更に測距センサをロボの前方につけ,大きい障害物に関しては音を鳴らして使用者に伝えることで,寮生活でも運用できるよう工夫しました. このロボ製作の過程では,ロボやセンサについての専門知識だけでなく,人のニーズに応えるため設計・計画法,問題が生じた場合のトライアンドエラーの方法,協力者との連携の重要性など,有用なことを多く学ぶことができました.