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旅亭 半水盧 応接チーフ 島嵜ともみが積み上げてきた日々

「誰かを喜ばせたい」…その思いはきっと、巡りめぐって自分の喜びにもなっていく。

旅亭 半水盧に勤めて13年目を迎える島嵜さんが、応接チーフとしてお客さまを喜ばせたいと思うようになった背景や、その歩みについてお話を聞かせていただきました。

『今とは違う』…そんな“今”を支える学生時代

当時、自宅近くにあった商業高校へ進学。色々な資格を取りたいという理由で商業科を選択し、簿記やPCの資格を取得していました。そのかたわらで、中学から続けていたテニスを高校でも続けながら、上下関係の厳しい環境の中で、周囲の推薦もありキャプテンを任せていただいたり。そのほかにも、サッカーや陸上もやっていましたね。あの時は、「興味のあることはなんでもしよう!」と思っていました。

ただ…学生時代を振り返ると、今の自分とは全然違うな、と思います。

キャプテンをやっていたこともあり、良くも悪くも、自分にも人にも厳しかった気がしていて。体育会系というか、ツンツンしていたというか…(笑)

だからこそ、この半水盧に入ってから変わった部分も大きいと思いますし、後輩への教え方や接し方は、この学生時代を経たからこそ活かせている部分もあると思っています。

半水盧との出会い

実は、父が自衛隊でパイロットをしていたこともあり、兄も自衛隊に入隊、自分も当然のことながら高校卒業後には自衛隊の道に進むと思っていましたし、それ以外の選択肢はまったく考えていなかったんです。学生の頃に職場体験で旅館に行くことはあったものの、まさかこうして旅館で働くとは、本当に思ってもみませんでした。

でも、残念ながら自衛隊に入ることはできず。その時高校の先生に勧められた半水盧の資料を見て、色々なことに興味はありましたし、とりあえず受けてみようと思ったのがきっかけです。入社を決めたのも、受かったから、という理由でした。

「とりあえず」から始まった12年の道のり

…本当に、自分でもこんなに続くとは自分でも思っていませんでした。3ヶ月ぐらいで…なんて最初は思っていたものの、気づけば12年が経ち、今13年目を迎えています。

これだけ続けられている原動力はなんだと思いますか?

何か1つというよりも、色々なことが重なってこそだと思いますね。

まずは何よりも、応接で働く人たちの仲が良いこと。あとはリピーターのお客さまとのやりとりやモチベーションのアップ。さらには、教育をする中での責任感…。1年目、2年目、3年目とどんどん考え方も変わっていく中で、こうしたことが自分の中で積み重なり、10年以上も努める原動力になっていると感じています。

仕事をするうえでのモチベーションを、具体的に教えてください。

リピーターさまやお客さまに喜んでいただくことです。

入社当時は正直そこまでモチベーションは高くなかったものの、初めてお客さまが「島嵜さんに会いに」と言ってまた来てくださった時、自分の中でモチベーションになりました。

何通もお客さまからお手紙を届けてもらえるような経験もあったからこそ、今も変わらず、“2回目以降も来ていただくには…” “喜んでもらうためには…”と、常に考えるようにもなりましたね。

応接チーフになるまで

4年目ぐらいの時に、教育係をしていました。「自分がしてもらったら嬉しいことを後輩にもしよう」と思って教えるようにしていましたし、仕事の時は厳しくする場面がありつつも、それ以外の時は親しみある接し方ができるようにとメリハリもつけていました。こうした部分は、厳しさの中にも優しさがある、両親の姿を見てきたからこそでもあると思うのですが。

この教育係という立場を任せていただいたことで責任感もより強まったので、自分の中でまた一つ心情の変化を迎えたタイミングでもありました。

“チーフ”という役職がついたのはいつ頃ですか?

入社して5年ほど経った、ちょうどコロナ前の時です。

最初は、先輩方もいらっしゃるし「私なんて…」と思っていた部分もありましたが、今は大変な時期の気持ちが分かるからこそ、後輩のことを支えてあげたいと思っていますし、よりいっそう責任感をもって働かせていただいています。

今後の目標

運営会社が温故知新になったからこそ、たとえば瀬戸内リトリート青凪といった他の運営施設の独自の良さをどんどん取り入れて、その中でもっとお客さまに喜んでもらえる接客をしていきたいと思っています。

もちろん自分でもいろいろと勉強しようとは思っていますが、何よりもこの半水盧で働くみんなで成長して、ステップアップしたいです…!

自分だけではなく、「みんなで」と思う理由やきっかけはありますか?

やっぱり宿泊運営は自分だけじゃなく、フロント、清掃、営繕、調理場…と、あらゆる部署やたくさんの人の力と支えがあって初めて、この半水盧ができていると思っています。

そうしたみんなの1つ1つが自分につながって、そこから自分のする接客がまたお客さまのリピートにもつながる。だからこそ、「みんな」で作り上げているんだということをちゃんとお客さまにも伝えたいですし、みんなで作る場所だからこそ、全員で成長することも大事にしたいんです。応接でも、「〜したら喜ばれたよ」などの共有は頻繁にしています。

半水盧の魅力こそが、ここで働く理由

他のホテルとは違い、1人の応接が滞在中のお客さまの基本的なことはすべて行うため、特に密接した関わりをもって接客を行わせていただきますし、それがリピーターさまを増やせる半水盧ならではの魅力だとも感じています。

そうした魅力が活かされたうえで自分に会いにきてくださるリピーターさまがいることは、私にとってもここで働く最も大きな理由の1つになっていて。だからこそ、誰かに必要とされたり、あるいは求められたり…という中で、自分が得られるものも大切にしたいとも思っています。

どんな方と一緒に働きたいですか

向上心があり、意欲的な方です!入社をしてからも勉強することが本当にたくさんあります。それこそリピーターさまを増やすためにはどうしたらいいか、喜んでもらうには何ができるか、自ら考えて行動できるような方が良いと思いますし、一緒に勉強して成長していけたら嬉しいです。

ライター所感

どんなことでも、結果がついてくるには、その結果に至るまでの理由がある。

「またこの旅館に来たい」と、初めて訪れたお客さまが帰り際に思う時、そこには“お部屋が綺麗だった” “食事が美味しかった” “接客がよかった”…といった理由があるものだ。そしてその理由によって再び足を運んでくださるリピーターさまの存在は、「もっと頑張ろう」「この仕事を続けよう」と、今回お話を伺った島嵜さんのように、働く人たちのモチベーションや理由にもなる。

独自性をもった唯一無二のやり方で運営を行う温故知新だからこそ、作ることができる理由があり、生み出せる結果がある。

そのすべてが、“ディスティネーション”…つまり『目的地』という、誰かにとっての旅の理由となれるようなホテル・旅館として在れる、温故知新の強みであり魅力とも言えるだろう。
それを改めて感じさせてもらえるインタビューだった。

旅亭 半水盧では仲居職を積極的に募集しております。圏外からの入社者の方については、赴任費・引越し費を一部負担しておりますので、お気軽にご応募ください。

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