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■プロフィール
株式会社ウエディングパーク
+Creation本部 メディア事業責任者
越 貴裕(こし たかひろ)
入社から12年、失敗も成功もどちらも積み上げた営業時代
ーーまずは越さんの入社からこれまでのご経歴を教えてください。
越:2013年に、ウエディングパークに営業職として新卒入社しました。当時は全社で30名規模の会社で、まさにこれからという時期でした。
初めは全国の結婚式場さまに、結婚準備クチコミ情報サイト「Wedding Park(ウエディングパーク)」の広告商品を販売していました。この時期に、チームで目指す事の面白さを知りました。
その後、2015年に、N1という新規事業創出プログラムの優勝案であった、式場向けのマーケティング支援事業の事業責任者に抜擢され、そこから事業責任者として、全国の結婚式場さま向けのマーケティングサポートを展開しました。2017年には営業を行うメディアソリューション本部に異動し局長を務め、営業組織初のPM(プロジェクトマネージャー)として、主要商品のバージョンアップを行い、それと同時期に動画事業を立ち上げ、動画を活用したプロモーションで結婚式場さまをサポートさせていただいておりました。
その後2019年に他社に転職し旅行業界のメディア事業にて事業企画を経験、1年半後にウエディングパークに再入社しました。戻ってきてからは開発を行う+Creation本部で、ディレクターとマネージャーを経て、今は「Wedding Park」のメディア事業責任者を担当しています。
ーー営業から始まり、様々なキャリアを経験されてきたのですね。越さんが、ウエディングパークに入社を決めた理由はどういったところにあったのでしょうか?
越:当時は、スマートフォンの台頭によって様々なサービスが立ち上がり、世の中が変わっていくことにワクワクしており、自分自身も仕事として、それを生み出す当事者でありたいと思っていました。大学の学部にも似たような仲間が多く、当然のようにそういった環境に身を置きましたね。人を大切にするカルチャーにも魅力を感じて入社をしました。ウエディング業界に当初興味があったわけではないですが、幸せにまつわるサービスは素敵だと思いましたし、ウエディング×デジタルの領域で、次の時代を作っていくことや、新しい価値を世の中に届けたいという考えは根底にありましたね。
ーー意欲を持って自ら行動してきたことが経歴からも伝わってきます。3年目に新規事業の責任者に抜擢されたお話について、具体的にはどんな事業に挑戦したのでしょうか?
越:具体的には、式場のマーケティング業務をより効率化するサービスを提供しようという事で、入稿業務のアウトソーシングや宣伝会議社との共同セミナー、式場に対するWebマーケティングのコンサルティングサービスなど多岐にわたって挑戦しました。でも残念ながら、事業はクローズしてしまいました。今振り返ると、悪い意味で小さくまとまってしまって、改善アイディアを実行するしかできず、いち事業を扱うという視点や視座で、大きく変化を起こすことができなかったと感じています。一方で入社3年目から、事業を立ち上げてチームを創り、事業と組織を成長させるという視座に立った経験は、必ず次に活かせるという自信と確信はありましたね。
自身とウエディングパークの強みを認識した、人生の転機
ーー様々な経験をされる中で、ターニングポイントはありましたか?
越:2回あると思っていて、ひとつは営業として初めてのPMを担当した時で、もうひとつは、一度転職して再びウエディングパークに入社した時ですね。
まず、事業責任者をしていた事業をクローズさせ、営業組織初のPMとして主力商品バージョンアップ推進のミッションをもらったときです。初のポジションで具体的に何をやるのか決まっていませんでしたが、異動して1週間で全体のロードマップと企画案をまとめてスピード感をもって提案することができました。これは、事業責任者の経験から、仕事を自分で創る習慣が身についていたからだと思っています。過去事例のないポジションでしたが、プロダクトとセールスを繋げる役割として、目標を達成することができましたし、半年に一度実施している社員総会ではMVPを受賞することができました。
その頃から、プロジェクトマネジメントの面白みは、他の職種の人の強みを引き出すところにあって、自身の強みは事業目線に立ちながら、異なる職種の強みを引き出し、全体の成果を上げるような役割だと認識し始めましたね。
もうひとつの、一度転職して再びウエディングパークに入社した時の話ですが、転職して異なる企業文化を経験して思ったことが、「何を目指すか・誰と目指すか」が大切ということでした。合理的に正しい解を探す側面が強い仕事よりも、「何を目指すか・誰と目指すか」を考え続ける環境の方が自分には合っていると気づきましたし、チームで向かうところも、ウエディングパークの強みだと感じました。戻ってきた理由としては、ウエディングパークの、たとえ困難な状況でも挑戦者としてチャレンジしようというカルチャーと、僕自身のマインドと重なるところがあったからです。
豊富に挑戦できるのは、20年の歴史以上に「信頼」を重ねてきたから
ーー現在、事業責任者を務めている「Wedding Park」について教えてください。
越:「Wedding Park」は2004年に国内で初めてクチコミサービスを開始したメディアで、20年以上続く社内で最も歴史のある事業です。20年という歴史の中で、スマートフォンの台頭、3Gから5Gへのデータ通信量の変化など、時代の変化と共に届けられる情報も変化してきました。そんな変化に対応しながら届ける情報を取捨選択し、サービスを磨いてきました。
歴史のあるメディアですが、結婚式場さまやユーザーからの信頼という土台があるからこそ、今もなお挑戦の機会が豊富にある事業だと思っています。だからこそ、幸せな結婚・結婚式を叶えなきゃいけないと思っています。
ーー積み重ねてきた信頼について、具体的にはどのような声をいただいていますか?
越:結婚式場さまからは、ウエディング × デジタルといえばウエディングパークだと期待を頂いています。また、クチコミを業界で初めて取り入れたこと、デザイン経営や四方良し(社会・業界・カップル・社員の四方良し)の考え方を評価頂いており、本質に向き合っているという声もいただきます。
また、ユーザーからは、クチコミを含むユーザーの発信情報に信頼の声を頂きます。ほとんどの方にとって人生で初めての結婚式だからこそ、参考になる先輩カップルの生の声を届けられている事はユーザーインタビュー等を通して実感していますね。
チームウエディングパークで、体験価値を創り事業成長に繋げていく
ーー現在はどのような体制で運用をしているのでしょうか?特徴などはありますか?
越:機能毎にチームが分かれており、サイトへの集客、クチコミ等のコンテンツ、ユーザーサポートや品質管理など多岐に渡っています。その時々の事業戦略や人材育成の側面からチーム構成も変化をしています。幅広い領域からも分かるとおり、それぞれ違った強みを持ったメンバーがいる事は魅力の一つです。それぞれの強みを持ちながらも個々で動くのではなく、「チームウエディングパーク」として、結婚をもっと幸せにする、ビジョンを達成する、という共通の目的に向かって、一体感を持って走れているのはウエディングパークらしさですね。
ーーWedding Parkに今ある課題と、それを踏まえて今後強化していきたいポイントはありますか?
越:ユーザーインタビューやアンケートにて「式場探しの体験に満足していますか?」と聞くと、「式場ごとの違いが分かるともっと良いのに」や「広告的なPRだと思ってしまう」などの声があります。そういった声と向き合って課題を解決していきたいという想いがあります。
そこから考える今後の強化ポイントは、メディアの体験価値を磨くことです。多様化が進む世の中で、結婚式場さまもユーザーも情報発信や収集に試行錯誤している状況です。そこに対して、中立な立場で情報を発信、収集する場を提供するプラットフォーマーとして、過度に流行りに合わせて見え方を変えるのではなく、多様な考え方に対して、それぞれの良い体験価値を創っていきたいと考えています。
これからのメディアづくりに欠かせないのは「体験価値」の追求
ーー体験価値を創るために事業責任者として大切にしている想いや、具体的な方法についてお話いただきたいです。
越:考えや想いが多様化している世の中で、結婚をするカップルに、新しい発見やワクワクした気持ちを持ってもらうために、各プロジェクトにおいて結婚式準備をしている方や挙げた方を対象としたユーザーへのアンケートやインタビューなどユーザーの声を聞く機会を増やしています。
インタビューは、ユーザー調査をしようと意思決定してから20日以内で完了しています。そのスピードを支えているのがデザイナーの巻き込みです。ウエディングパークのデザイナーは上流の企画段階からアサインされることが多く、企画全体や検証したい内容の部分からプロトタイプづくりにも一貫して入ることで、チームとしてスピーディに進めることができます。
最近ではオフラインでのユーザー座談会を開催し、ユーザーと共に新機能のアイディア出しをした事例もあります。こんな機能があると良い、など様々な声があるのですが、重要なのはその背景にどのような感情を抱いているのか、仮説を立てて丁寧に検証していくことです。ユーザーの声をベースにインサイトを見つけにいっています。
また昨年1月にリリースされた、「想い・メッセージ」という式場の価値観や、そこで働くスタッフの想いを掲載しているコンテンツがあります。このコンテンツでは全体で約1,744名のブライダル業界の方の想いが掲載されているのですが、機能をリリースした後にも、このコンテンツがユーザーにどう価値提供できるのか?リリース前の仮説を、リリース後に検証し、ユーザーの声をもとに修正してきました。結果「式場に対する好感や共感」を高めるコンテンツとして立ち位置を確立しました。ブラッシュアップ後にもユーザー評価調査を行ったところ、このコンテンツがあることによって「式場に対する好感や共感」が増加し、それが自身の式場選びに影響するという結果も得ました。
このように、結婚の体験は「結婚式どうしようか?」と考え始めた瞬間から始まっています。「結婚式やってよかったね」と思ってもらうために、式場探しの体験がどうあるべきか、既存の式場探しの方法そのものから見つめなおし、これからも体験価値から考えたサービスづくりをしていきたいと考えています。