第8弾は、WealthParkのVP of Productを務めるセスさん。起業していたものの、「ITで不動産業界を変える」というWealthParkのビジョンと自分のビジョンが一致し、2019年5月に参画。入社してからの半年は、CTOとVPoEの不在により、プロダクト開発よりも、採用からチームビルディング、社内カルチャーの構築に邁進し、手腕を発揮してきました。来日から現在までのセスさんのヒストリーを紐解きながら、周囲を自然にモチベートするその人間力やチームビルディングの手法に迫ります。
プロフィール セス・ルアン | Seth Luan 台湾生まれ・カナダ育ち。カリフォルニアの大学で電気工学を学んだ後、バックパッカーとして来日。ソニー・エリクソン(現・ソニーモバイルコミュニケーション)でソフトウェア・ディペロッパーとして、IT業界でのキャリアをスタート。続く楽天、カタリナマーケティングジャパンにて、プロダクトマネジメントのキャリアを積む。2019年5月、VP of ProductとしてWealthParkに参画。趣味はワイン、不動産投資、総合格闘技、子供と遊ぶ事。
それは考えなかったですね。やはりITが好きで、ITで世界を変えたいという夢があったので、不動産で得た収入で楽天にいる間にIT の会社を起業しました。ただ、起業して知ったのですが、楽天は副業がだめだったみたいで(笑)。ある日僕の会社のホームページを見た人事に呼ばれて、楽天を辞めるか副業を辞めるかの選択をお願いされました。それで楽天を辞めて、今度はビッグデータとデジタルマーケティングを学べるカタリナマーケティングジャパンに転職し、Director of Productとして働きながら、自分のビジネスに必要なネットワークを構築したり、スキルを磨いたりしていました。
WealthPark での最初の大仕事はチームの立て直し
― その後に転職されたのがWealthParkですよね。ようやく辿り着きました(笑)。
はい(笑)。昨年4月にカタリナマーケティングを辞めて、自分の会社を大きくする為に資金調達の準備をしようと思っていたところ、エージェントからWealthParkを紹介されて。仲の良い友人が働いていたので、WealthParkの事は創業当時から知っていましたし、不動産業界をITで変えていくという彼らのビジョンにも共感していましたが、起業に向けて気持ちが高まっていた時期だったので、面接ではなくカジュアルに情報交換する姿勢で会いました。でも、彼らと僕の目指すものが完全に一致している事が分かり、それなら自分1人でやるよりも一緒にやった方が良いなと思って、VP of Product(VPoP)として入社しました。
入社は昨年5月末です。最初の半年はとにかく大変でした。僕が入社してすぐにCTOが辞めて、僕のポジションと対等となるべきVP of Engineer(VPoE)も辞めて、エンジニアも何人か一緒に辞めて、やりたい事が何も出来ない状況でした。さらに蓋を開けてみたらソフトウェアの基盤が未熟で、技術的負債が大きい事が分かりました。でも対応するエンジニアもいない。エンジニアチームを立て直すVPoEもいない。それで、僕が周囲を巻き込んで、採用やチームビルディング、カルチャーの構築を始めました。
最近会社でカルチャーブックの作成に取り掛かっていますが、入社当時は会社が名言したカルチャーがなかったので、まずは自分がプロとして正しいと考えるカルチャーをベースにしました。僕が大切にしているカルチャーは2つあって、1つ目は”Appreciate differences” 。お互いの違いを認め合うとアウトプットが格段に良くなるので、意見の違いを尊重する事を奨励しています。2つ目は”Just fucking do it”。NIKEのスローガンである”just do it”にfuckingを付けて、さらにフレンドリーなニュアンスを持たせています(笑)。「思い付いたら取り敢えずはトライ」、「ボトルネックは自分の頭の中にある」、「1回の後悔より10回の失敗の方がマシ」とよく言っています。
インタビュアー 飯田 明 | Mei Iida 渉外法律事務所にてファイナンス・パラリーガルを務めた後、大学院留学を挟んで飲食業の世界へ。外資系チョコレート会社のDirector of Communicationsとして、HR/ブランディングを担当。現在はフリーランスに転向し、複数の会社とのプロジェクトを通じて、カフェのプロデュース事業や人事、国内外のダイニングイベントの企画・運営に携わっている。