現地メンバーにインタビュー！タンザニアってどんな国？～経済編～

前回の現地メンバーにインタビュー！タンザニアってどんな国？～文化編～に引き続き、今回はタンザニアの経済について、現地メンバーのMarucelさんにお話を伺いました。

タンザニアの経済概況

近年、タンザニアは経済的に急成長している国だと思います。10年前、20年前と比較して変わったと思う点は何でしょうか？

1961年に独立して以来の長い間、私たちは経済的な困難に直面してきました。しかし、タンザニアの国民総所得（GNI）は1990年代は100ドル後半から300ドル前半と低迷していましたが、2019年には1,080ドルに成長し、タンザニアは低所得国から低中所得国へと移行しました（※1）。

〈参照 ※1〉2020年世界銀行レポート

変化した点としては、3つあります。
第一に、前マグフリ大統領（※2）の強力で優れたリーダーシップは経済に大きな影響をもたらしました。彼は市民レベルから国家レベルまで、タンザニアの経済政策に非常に真剣に取り組んでいます（※3）。
第二に、従来からの主要産業であった農業などの経済部門が改善しました（※4）。
第三に、タンザニアでのビジネス展開をより容易にすることを目的に、いくつかの規制を撤廃し、外国投資部門が改善されました（※5）。

〈参照 ※2〉マグフリ大統領は先月17日に他界。現在は前副大統領のサミア・スルフ氏が大統領が就任
〈参照 ※3〉Tanzania's 'Bulldozer' president hopes mega-projects impress voters - REUTERS
〈参照 ※4〉Tanzania's Booming Agriculture Sector - Risk Magazine
〈参照 ※5〉Tanzania 2020 - assets.kpmg

タンザニアの主な産業は何ですか？

農産物加工（砂糖、ビール、タバコ、サイザル麻）、鉱業（ダイヤモンド、金、鉄）、塩、ソーダ灰、セメント、石油精製、靴、アパレル、木製品などです。（※6）

〈参照 ※6〉Economy of Tanzania - Wikipedia & Tanzania Industry - TanzaniaInvest

タンザニアの通信事情

アフリカでは携帯電話の普及率が高いという話はよく耳にしますが、タンザニアではどうですか？

70％以上のタンザニア人が携帯電話を所有しており、スマートフォンの所有率も4割近くになっています（※7）。それに伴い、人々はYouTube のストリーミングや、WhatsApp、Facebook、Instagram、Twitter、Snapchat、Telegram などでのチャットを日常的に行っています。

〈参照 ※7〉総務省タンザニア平成 31 年度アフリカにおける情報通信・郵便分野の情報収集・調査結果

タンザニアのモバイルマネーについて教えてください。

タンザニアではモバイルマネーがとても普及しています（※8）。各携帯電話会社にそれぞれのモバイルマネーサービスを提供しており、その例は以下の通りです。

また、 NMB Bank、CBRD Bank、Western Union Bank などの銀行サービスもあり、私たちはその両方を利用しています。

〈参照 ※8〉Tanzania-Mobile-Money-infographic-GSMA-MMU.pdf & State of the Mobile Money Industry in Africa - GMSA

今後のタンザニア経済について

今後のタンザニア経済についてはどうお考えですか？

私の考えでは、タンザニアは今後も経済的に急速に成長していくと思います。理由としては、故ジョン・マグフリ大統領が残したいくつかのプロジェクトが現在も継続しているからです。現在のサミア・スルフ大統領は、計画されていた開発プロジェクトを引継ぎ、予定通りに完了させられるように尽力しています。例えば、スティーグラー峡谷ダムの建設（※9）、港の拡張（※10）、首都ドドマでのニュータウンの建設、近代的な電車や道路の敷設（※11）、そして上述したような海外直接投資政策などです。

〈参照 ※9〉TANZANIA: Stiegler’s Gorge dam construction begins on July 26 - Afrik21
〈参照 ※10〉Upgrades in Tanzania facilitate large ships - Port Strategy
〈参照 ※11〉Tanzanian rail project – on track to create economic growth - Standard Chartered