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「アーティストはパートナー」音楽活動をサポートするディストリビューションサービス

TuneCore Japanは、個人の音楽配信を可能にするサービス

「ユーザーとはパートナーのような存在でありたい」と口を揃えて話す、プロダクトマネージャー の Yuya Yamamoto(以下、Yuya )とプロダクトオーナー兼UI/UXエンジニアの Shogoro Yoshida(以下、Shogoro )。どのようにユーザーとの関係性を築き、サービスを作っているのか、話を聞いてみました。

ーー TuneCore Japan とはどのようなサービスですか?

Yuya:音楽のディストリビューションサービス、簡単に言うと、音楽を世界中に流通させるサービスです。アーティストやクリエイターが作った音楽を、世界185ヵ国・約50のストアへ配信できます(2021年3月現在)。Apple Music や Spotify へ直接個人では音楽を配信できないのですが、TuneCore Japan を通すことで配信が可能です。また、そのように簡単に世界へ音楽を届けることができるだけでなく、再生回数やダウンロード数に応じた収益は100%還元される仕組みになっています。

つまり、ファンとしても Apple Music や Spotify などのストリーミングサービスで音楽を聴くこと自体が、実はそのまま自分が応援するアーティストをサポートすることにつながっているんです。アーティストはその収益を資金にし、また新たな制作やチャレンジができるかもしれません。そういった今の時代ならではのアーティストとファンのエコシステムをサポートしているサービスとも言えるかもしれません。

また、煩雑な事務作業を簡単にできる機能もそなえています。リリース登録がシンプルにできたり、配信した後の売上を銀行振込ではなく関係者で自動分配ができたり、リリースした作品へのリンク集が作れたり、アーティストが楽曲制作以外にやらなければならないことは、できる限りシステムに任せて簡単にできるように考えています。

―どれくらいのアーティストに使われているんですか?

Yuya:サービスの規模を「アーティストにどれだけの金額を還元しているか」としてお答えするならば、楽曲の売上から配信ストアの手数料を除いた収益の100%をアーティストに還元するのが TuneCore Japan の大きな特徴で、2019年は年間約42億円をアーティストやクリエイターに還元しました。

おかげさまでアーティストへの還元額(流通額)は順調に伸びていて、今だと月間5億円を超えてきています。

コンセプトは All For Independence 。常にアーティストに寄り添う

▲マーケティング・プロダクトマネージャー Yuya Yamamoto

ーー TuneCore Japan を作るにあたって、お二人は何を担っているんですか?

Yuya:現在はプロダクト責任者 ( Product Manager ) に近い役割を担っています。日々を取り巻く環境や価値観は繊細に変わっていくと思うんですけど、今ってどうなんだっけ?ということを考えたり調べたり、アーティストと交流する場として Artist Lounge を開催してユーザーと対話したり、そこから思いついたアイデアを企画にしてエンジニア・デザイナーと共にプロダクトに落とし込んだりしています。

Shogoro:開発チーム(エンジニア・デザイナー)全体のマネージメントや開発の優先度・進捗管理といったプロダクトオーナーのような役割を担いつつ、フロントエンドのリードエンジニアとしてUI/UX全般にも責任を持っています。プロダクトとしての優先度と技術的な課題とを織り交ぜながら優先度を整理し、ユーザにとって使いやすいプロダクトになるように開発を進めています。

――「アーティストとはパートナーのように」とのことですが、具体的にサービス設計、展開においてはどういったところを重視していますか?

Yuya:TuneCore Japan のメンバーは、 All For Independence(すべてはインディペンデンスのために)というミッションを持っています。All が僕たちで、Independence がアーティスト(=ユーザー)です。

作品作りをしたり、それを信じて支える方々がいて、彼らが些末なことに煩わされず、単純に作品作りに集中できる環境を少しでも整えられたらなと考えています。

例えばお金。アーティストやクリエイターが活動を続けるためには、継続するためにもお金が必要になっくると思います。でも楽曲で売り上げを得るって、実はすごく手間もかかることで。

TuneCore Japan のようなプロダクトを使うことで、最低限の手間で楽曲の収益を得られて、請求や分配とかの事務作業も簡単にできたら、すごくいいですよね。そうして得た時間やお金でアーティストがまた面白いことをしてくれたら、日常をみんなでもっと楽しめるかもしれない。

Shogoro:開発チームが日々向き合っているのはプロダクトの「画面」であったり「システム」であったりと無機質なものになってしまいがちです。しかし、アーティストの表現活動を支援し、一緒になって世の中に良い音楽を届けていくという思いを日々忘れずに取り組むようにしています。

――「アーティストを支える仕事をしたい」と思って音楽業界に入っても、理想と現実の違いに苦しむ人も多いと聞きます。就く仕事や入る会社によってはアーティストに寄り添うのが難しいとか。

Yuya:例えば、アーティストのマネージメントだったりチームでの仕事で、アーティスト本人が「こうやりたい」と言っても色々なことが関係してて実現できない、時に望まないことを実行しなきゃいけないとか、そういったケースを耳にすることがあります。

個人的には、ものを作る人たちとそれを支える人たちって対等で、それ以上でもそれ以下でもないと思うんですよね。むしろ表裏一体というか、循環しているもので。そこにはもちろんリスナーも含まれると思いますし、アーティストと事務所、レーベル、配信ストア、僕らのようなプラットフォームやサービスもそうです。今の時代、ほんの少しだけでもそこを意識することで、難しいとかもありますけど、いい方向に向かって行ったり、前に進めるのかなと思います。

自分も配信経験があるからこそ、ユーザー視点の開発ができる

――これまでに作った機能について教えてください。

Yuya:例えば、LinkCore ですかね。LinkCore は、アーティストが曲を配信したときに様々なストアへ誘導する URL を自動生成できるサービスです。

複数のストアに配信していると、各サービスの URL を告知するのが大変なんですね。LinkCore を使えば、各ストアへのリンクがまとまったページを自動的に生成して、シェアできます。リスナーとしても、すぐに自分が使ってるストリーミングサービスに行けて楽ちんです。

▲ LinkCore で生成されるページのイメージ


アーティストやレーベルと話すとき、「告知は大事」という話がよく出るんです。ただ、俯瞰してみればそういうところに疎いアーティストもいるし、大事だと思っていても「どうやったらいいの?」という人もいる。LinkCore はその人たちをサポートするために作りました。僕自身も DAW を触っていて、それで作った曲を配信しているので、発端はひとりのユーザーとして欲しかった、というのもありましたね。

Shogoro:そのあとストリーミングサービスで曲の歌詞を閲覧できる機能をローンチし、スマートリンクとしての LinkCore でも、新たに各楽曲の歌詞を閲覧できるページ(歌詞ページ)が追加されました。楽曲を作る側の気持ちとしては、音だけでなく歌詞の一言一句にもこだわりがあり、しっかり歌詞を伝えたい気持ちがあります。LinkCoreがストアへのリンクに加え、楽曲の歌詞やクレジットなどへのハブも集約されるようになったことで、アーティストの楽曲への思いをより集約したサービスになっていっていると思います。

――お二人とも、ご自身で楽曲配信や音楽制作の経験があるとのことですが、その経験はサービスを作る上で影響はありますか?

Yuya:そうですね。制作や活動体験を知っている上で作っているというのは大きいと思います。「ここはこうしたほうが使いやすい」というアイディアも経験から自然と出てくる。自分で料理を作って、自分で美味しいかなって味見するのに近いですかね。

Shogoro:アーティストとして活動すると、音楽を作って演奏して人に聞いてもらうところだけでなくその先の活動も重要になりますよね。例えば、楽曲が聞けるだけでなく歌詞をしっかり伝えたいとか、アーティストとしてどういう見せ方をしてどう認知を広げていくのかとか。ちょっとした機能やちょっとしたUIが加わるだけで、アーティスト自身や楽曲の見え方が変わって音楽活動がすごく楽しくなりわくわくします。エンジニアとしてプロダクトと向き合っているだけでは見えづらい、アーティストの楽しさや喜びを大事にできているかなと思います。

――利用者であるアーティストから「いいね」と言ってもらっているのはどのようなところですか?

Yuya:TuneCore Japan を使ってくれているアーティストたちが世界中のチャートに入ったり、プレイリストでピックアップされたりする時は、「こんなこと、自分でもできるんだ」とすごく喜ばれます。僕らも嬉しいです。どんどん行こう!みたいな。

そういうのって今までは多くの人の力を借りないとできなかったと思うのですが、徐々に個人でもできる時代になってきましたね。

ものづくりとプロダクト開発

▲Shogoro Yoshida

―― TuneCore Japan のメンバーはみんな音楽を自分で作って配信した経験があるんですか?

Shogoro:音楽が好きであったり、何かしら音楽にゆかりのあるメンバーが多いとは思いますが、曲作りや配信はしたことがないというメンバーも多いですね。

Yuya:音楽に限らず何かものを作ることが好きな人は多いんじゃないですかね。TuneCore Japan というプロダクト開発も、単純にものづくりのうちの一つ、みたいな感覚はあります。

作って終わりじゃなくて、悩みながら試行錯誤して未来を創る過程が楽しいというか。ただ仕事をするよりも、そんな感じの方がたぶん楽しいと思います。

ーー今後はどういったプロダクトを目指していきたいですか?

Shogoro: TuneCore Japanは配信がメインのサービスとして成長してきたのですが、配信機能を軸とした付随機能も展開されてきました。例えば配信された音楽に関するレポート(ダウンロード数やストリーミング再生数など)が閲覧できたりLinkCoreでスマートリンクをシェアできたりというサービス達です。

現在、そういった機能の開発に取り組むためのシステム基盤の整理を進めており、データの構成や蓄積方法、分析結果の表示UIなどの大規模リニューアルに取り組んでいます。システムやUIのリニューアルに伴ってGo言語やReactなどを軸に最新の言語・技術を導入しながら、全体的なパフォーマンス改善にも取り組んでいます。

ユーザや配信ストアが増加し、データ量が加速度的に増大している段階でのリニューアルということもあり、エンジニアとしても非常に面白いフェーズにあると思います。

Yuya: 引き続き、継続的なアーティスト活動を支援するプラットフォームを考えていきたいですね。またそれを実現する上で、チームとそのあり方も非常に重要だと思っています。TuneCore Japan は大きく『音楽』と『プロダクト』の2つの側面があり、メンバーはそれぞれ各々の役割を担っています。社内のコミュニケーションでは『Slack』、プロジェクトマネジメントやナレッジベースに『Notion』、プロダクト開発進行に『JIRA』を利用していたりと、目的のためにツールを選定したりプロセスを変えたり、柔軟にフレッシュに環境も整えていきたいですね。

ものづくりをする人達のパートナーでありたい

▲ LINE MUSIC と合同主催した Artist Lounge の様子

――最後に、TuneCore Japan は今後アーティスト達にとってどのような存在になっていきたいですか?

Yuya:音楽の流通サービスに留まらず、ものづくりをする人たちのパートナーのような存在として、彼らがいいものをどんどん作れる社会環境を提供していきたいですね。

その一環として、2019年は LINE MUSIC と合同主催で Artist Longe を5大都市で開催しました。そういうオフラインでの意見交換の場、コミュニケーションの場も増やすなど、楽曲の流通サポート以外のサポートも増やしていきたいです。

2020年は COVID-19 の影響を受け『STAY TUNE, BE STRONG』というスタッフのメッセージの元、アーティスト支援のために全サービスの無償提供を行なっていました。

Shogoro:初めて音楽を作って人に聞かせたときの喜びと感動を、これからアーティストになるかもしれない多くの人に感じて欲しいですし、今までアーティスト活動をしてきた人も何度でも感じられるようなサービスにしたいです。アーティストがわくわくする体験を提供し、結果として良い音楽づくりのために不可欠な存在になっていきたいです。

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