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ユーザーへの理解度94%!社内の全エンジニアを巻き込んだ“ユーザー体験プロジェクト”でわかったVoicyの課題と魅力

こんにちは。Voicyカンパニークリエイターの “はる” こと高森はるなです。

Voicyでプロダクト開発を担うエンジニアチームは、実は開発業務だけでなく、リソースの10%を使ってエンジニア組織開発やテックブランディングなど、チームに分かれて様々なプロジェクトを推進しています。

今回はその中の一つである、“エンジニアのエンゲージメント向上”を目的に活動するチームが開催したイベントをご紹介します。

作り手として“ユーザーの気持ちを理解する”

今年の7月、エンジニアのエンゲージメント向上を目的とする“エンゲージメント非連続成長チーム”が始動しました。

(山影)今期のエンゲージメント非連続成長チームは、エンジニアリングマネージャーの自分と、バックエンドエンジニア灘脇、iOSエンジニア立花の3人。イベント開催のきっかけは、そもそもエンゲージメントとは何かについて議論を進めていく中で、エンゲージメントを高める要素の一つとして「ユーザー(パーソナリティ)の気持ちを理解すること」が挙げられたからでした。

私たちが開発しているプロダクトは、多くのリスナーにご利用いただいている再生アプリに目が行きがちですが、実はパーソナリティが利用する収録アプリもあり、この双方があるからこそプラットフォームとして成立します。つまり一言にユーザーと言っても、「パーソナリティ」と「リスナー」の2種類のユーザーがおり、どちらもとても大切なのですが、音声コンテンツの発信を行う“パーソナリティ”の存在があって初めてリスナーへサービスを提供できるという流れになり、起点はパーソナリティのサービスになります。

プラットフォームの作り手である自分たち自身が、パーソナリティ(=ユーザー)としてプロダクトを利用することで、ユーザーの視点に立ったシステム改善や品質向上に繋げられるのではないか。そんな思いで企画されたのが、“エンジニアがパーソナリティとなって音声配信をするイベント”でした。

(山影)開催するまでは大変でしたね。そもそも「Voicyエンジニアにとってエンゲージメントが高い状態とは」を定義する難易度が高かったですし、イベントはあくまでも手段なので目的にならないようにと施策を設計することにも苦戦しました。
(灘脇)今回のイベントは、Voicyで毎週企画している“トークテーマ”をもとに、エンジニアたちがパーソナリティとして初めて音声配信に挑戦するという設定にしました。僕たち3人はVoicy側として、彼らの音声配信を支援をする役を担うこととし、実際に社内でパーソナリティへ伴走している“パーソナリティサクセス”の力を借りながら、トークテーマやエンジニアの巻き込み方を考えていきました。

音声配信だけではない、パーソナリティの難しさ

パーソナリティ体験イベントの期間は1ヶ月。エンジニアたちは、1〜3名の全7チームに分かれて音声配信チャンネルの運営を行います。
今回のイベントで開設される全てのチャンネルは“社内報”の一つとして運営されるため、対象リスナーはVoicy社員。1ヶ月運用したあと社内へアンケートを取り、もっともリスナーからの支持を獲得したチームには、なんと賞品が贈られるのだとか…!

運営チーム主催のキックオフを皮切りに、いよいよイベントの幕が開きます。
実際にVoicyでチャンネル開設を行うパーソナリティ同様、まずはチャンネルコンセプトの設計や、チャンネル名を決めるところからのスタートです。

どんなチャンネルにしたらより多くのリスナーに届くのか、また、自分たちがコンテンツ配信を楽しんで続けられるのか。実際にパーソナリティとして音声コンテンツを配信していくことの難しさに直面し、配信より前の段階から苦戦するチームも。

チャンネルの設計が決まれば、ここからはついに音声コンテンツの発信が始まります。新米パーソナリティとなったエンジニアたちへ、運営チームから依頼されたのは「毎週トークテーマにまつわるコンテンツを発信すること」。
1ヶ月間で話すトークテーマは4つ。あとは各チーム自由にチャンネルを運営をしていきます。

1ヶ月の音声コンテンツ配信期間が終わると、いよいよイベントは終盤へ。
運営チームより全社に向けて、イベントの結果の共有が行われます。

期間中、エンジニアたちによって配信されたコンテンツの総再生時間は、なんと287時間。例えるならば、東京から韓国ソウルまで歩いて行ける時間に相当するのだとか。数字の大きさから、参加した7チャンネルの激戦の様子が想像できます…!

さて、いよいよ本イベントにおいて最もリスナーの支持を集めたチャンネルの発表です。

一体リスナーの心を掴んだのはどこのチームなのでしょうか。(ドラムロール)

選ばれたのは、Androidエンジニア堀・SRE千田・iOSエンジニア遠藤の3名が運営したチャンネル、その名も「今夜のせんちゃんねる」でした!

実はこの3名、FY22上期まで、Voicyエンジニアがテックブランディング施策の一つとして運営している声のテックブログ「voi-chord(ボイコード)」のパーソナリティを務めていました。

イベントよりも前からパーソナリティを経験していたこともあり、コンテンツ企画や配信頻度など、安定感のあるチャンネル運営に定評があり、社内でも多くのリスナーが生まれていました。せんちゃんねるがゲリラ生放送をした際には、聞き逃したことを悔しがるメンバーもいたほど!

優勝したせんちゃんねるの3名には、賞品としてVoicyオリジナルグッズが贈られました。

「想像よりも盛り上がった」運営チームの思わぬ誤算

イベントへ参加したエンジニアたちは、パーソナリティ体験をどう受け取ったのでしょうか。

イベント後のアンケート結果によると、「パーソナリティの気持ちを少しでも理解できた」と感じたエンジニアはなんと94%!
エンジニア全員がパーソナリティとして、自分たちで作っているプロダクトへ触れた今回。業務では動作確認までが基本ですが、音声プラットフォームVoicyのコアである“音声配信”を実際に体験できたことで、ユーザー理解が大きく進んだようです。

参加したエンジニアたちからは、こんな声が。

  • パーソナリティ体験をしたことで、リスナーとしても意識するところが変化した
  • プロダクトの改善点や施策を自分ごととして捉えることができた
  • ネタを考える大変さも、生放送の難しさも、発信する楽しさもわかった

そして、今回のパーソナリティ体験イベントを、運営チームの3名にも振り返ってもらいました。

(灘脇)想像を超える盛り上がりを見せたイベントとなりました。実は、イベント期間中に発信された総コンテンツ数が、もともと想定していたものの3倍以上という結果で着地したんです。
当初は最低限のトークテーマ企画だけでも実行してほしいと思っていたのですが、チャンネル運営を進めていく中で各チームから「生放送をしてもいいか」「ゲストを招いてもいいか」など、様々なアイディアが出るようになりました。また、チーム全員で収録する回もあれば、誰か一人が単体で収録する回もあったりと、チーム内でフレキシブルに運営を回すチームも出てきました。次第にノウハウが他チームにも広まり、「こうやって発信すればいいんだ!」がわかったことで、みるみる発信コンテンツ数が増えていったんですよね。
(立花)中にはオープニングBGMを自作しているチームもあって。普段はプロダクトの作り手である僕たちですが、「機会があれば音声配信を体験してみたいと思っていた」というメンバーの声は意外にも多かったんです。社内報として設計していてリスナーは社員となるため、ファンコミュニティを形成するフローを踏まなくていい点や、ある程度人となりや前提の共通認識がある点から、比較的自由に運用ができたことも発信のしやすさに繋がっていたのだと思います。
(灘脇)運営チーム3人で「トークテーマ企画すら実行してくれるかわからないね」と話していたので、この盛り上がりは嬉しい誤算だったよね!
(山影)すべてのエンジニアがパーソナリティ体験をしたことで、難しさや楽しさから、発信への向き不向きが明確になった機会でもありました。もちろん全員が音声コンテンツ配信を楽しく継続できるわけではないので、チャーンしてしまうパーソナリティの気持ちを肌で感じたメンバーもいましたし、その一方でテックブランディングのための発信に意欲的になったメンバーもいます。
(立花)パーソナリティ体験イベントが終わっても、社内報としてチャンネル運営を続けたいというメンバーは全体の69%を占めました。Voicyエンジニアは、SNSよりも、コミュニケーションツールSlack内の個人チャンネル(times)でのつぶやく頻度のほうが高い傾向にあります。「公に発信するほどでもないけど、どこかに発信したいこと」というとき、声の社内報はぴったりの場所だったのかもしれません。

本イベントを経て、エンジニアチームのエンゲージメントスコア(wevox)も上がっており、結果も伴ったイベントになったと言えるのではないでしょうか。

エンジニアだけでなく、他チームのメンバーもリスナーとして参加し、会社全体で楽しむことができたパーソナリティ体験イベント。日頃から同じゴールに向かって切磋琢磨している社員同士でも、実はまだ知らない相手の一面を、音声というツールを使って知ることのできる機会に。

Voicyのエンジニアは、ユーザーに良質なプロダクトを届けるために開発と向き合うことはもちろん、組織を高めていくためのプロジェクトも全員でオーナーシップを持って推し進めています。

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