「結婚して4年。エンジニアとしてコードを書くことに挑戦したい気持ちと、いずれは子育てもしたいという思いが、どちらもありました。でも、転職活動をする中で直面したのは、“子育てをしたい女性”という属性で足切りされてしまうということ。ユニキャストは面談を重ねていく中で、“一人のエンジニア”としての可能性を見てくれたような気がしました」
2020年7月に入社し、今ではサブリーダーとして活躍している矢葺紗智。
新卒で入社した大手企業に約6年勤務した後、「もっと開発に取り組みたい」という思いから、ユニキャストに転職しました。当社は茨城県日立市に拠点を置き、クライアントワークとロボティクス、ITインフラ事業を展開するITベンチャーです。
今回は、ユニキャストに転職するまでの経緯や入社を決めた理由、今サブリーダーとして取り組んでいること、今後の抱負などを矢葺に聞きました。
ずっと「モノづくりに携わりたい」という思いがあった
――入社して今半年ほどたちましたよね。どのような業務に携わってきましたか?
最初の2週間はメンターが用意してくれたカリキュラムのもと勉強期間を設けていただき、3週目から実案件にアサインされていきました。最初はアプリ全体ではなく、一部機能の開発や既存機能の修正を任されて。1人前のエンジニアよりも開発に時間がかかってしまいましたが、サポートしてもらいながら完成までたどり着きました。
入社から5か月ほどたった12月には、初めて案件のリーダーとして、アプリ全体の要件定義から実装までを任せていただきましたね。1月からはユニットのサブリーダーをしていて、よりマネジメントに近い業務にも携わっています。
――すごいスピードで役割が増えていますね。
最初に「サブリーダーをやってほしい」と社長に言われたときは、入社して半年だし断ろうと思ったのですが、なぜかすぐに「頑張ります」と答えていました(笑)。ユニキャストで出会った先輩マネージャーの働きぶりに影響を受けたのだと思います。その方は同年代なのもあり、私も「頑張りたい」という思いが湧いてきたんです。
技術的に向上するのはもちろん、一人に負担が偏りすぎないようにするとか、見積もりの段階でお客様が本当に必要としているものを見極め、限られた工数の中でも最大限の価値を提供できるように頑張っていきたいです。
――前の職場でもマネジメントやリーダーの経験があったのでしょうか。
前職もシステム開発に携わっていたのですが、そのときに上流工程の仕事をする経験があったくらいで、リーダーの経験としては初になります。すごく貴重な経験をさせてもらいましたが、一から開発に携わる経験もしたいと思い、ユニキャストへの転職を決めました。
――ユニキャストでは要件定義や仕様の策定など上流工程にエンジニアが携わることを大切にしていますが、実装部分についても色んな挑戦をしていますもんね。転職を決めるまでの経緯について、もう少し詳しく教えていただいてもいいですか?
前職では自分でプログラミングをする機会があまりなく、外部の協力会社にお願いすることがほとんどでした。ただ自分の中では、「モノづくりに携わりたい」という思いがずっとあって。いつも社内のエンジニアをランチに誘って、話を聞いているほどでした(笑)。
私は工学部の出身で、情報系の学科ではありませんでした。ただ、ずっと「プログラミングが楽しい」という感覚があったんです。実験の数値計算や解析の効率化でも、ソフトウェアの便利さと可能性を実感していました。中学生のころWebサイトを自分で作ったときも楽しくて、何となく憧れがありましたね。
もともとあった「キラキラした印象」が良い意味で軽減された
――転職を考えていたころから、ユニキャストのことは知っていました?
はい。Webエンジニアの求人を探している中で見つけまして、新しい技術を積極的に取り入れているし、平均年齢も若いので、キラキラしている会社だと思っていました(笑)。自分のやりたいことができそうと思いつつ、「実務でプログラミングをした」という経験が仕事の中ではなかったので、受け入れてもらえるかどうか不安だったことを覚えています。
ただ前職が残業も多く、体力的に疲れたのもあり、転職先を決めずに退職しました。結婚して1年ほどだったのもあり「専業主婦になりたい!」くらいの気持ちだったのですが、1か月で辛くなったのと(笑)、やはりソフトウェア開発に携わりたい気持ちがありました。
――昔から抱いていた憧れがずっと残っていたんですね。
前職に就職を決めたときも、地元の岩手県を出てまで、茨城に来たんですよ。なかなかソフトウェア開発に携われる仕事がなかったので。はるばる移住して来たのに、仕事を辞め、自分のやりたかったことに挑戦できておらず、後悔の気持ちが強くなりました。
一方で、プログラミングをするという点では経験不足だったので、まずは勉強し直してから再就職を考えようと思い、オンラインスクールで勉強を始めました。当時はフロントエンドの技術に関心が特にあったので、Web制作の勉強から始めていたら、1か月ほどたったときにアルバイトスタッフとして誘ってもらったんです。
そこで自分と同じような立場で勉強している女性とたくさん会話をしました。旦那さんの転勤が多くて正社員になれない方。子育てがワンオペで忙しく、やりたい仕事に就けない方。私はまだ子育てもしていないし、夫の理解もありました。恵まれているなと思うと同時に、だからこそ今やりたいことに挑戦しようと、1年ほど学び、転職活動を再開したんです。
――そこでユニキャストに応募してくれたんですよね。
そうですね。転職エージェント経由で応募したのですが、その時も技術レベルの高い人たちに付いていけるかが不安でした。最初に会社見学をしたのですが、お話を聞いたマネージャーの方が、何より「モノづくりを楽しんでいること」が伝わってきたのが印象的で。
また、「ベンチャー企業で大変なところも多いですけど、大丈夫ですか?」と隠さずに話してくれたことも、もともとあったキラキラした印象を良い意味で軽減してくれました。1社目の企業でソフトウェア開発の大変な部分も見てきたので、逆に信頼できるなと。
――入社はすぐに決められましたか?
他の企業も受けていたのですが、「今から経験が少ない人材を育成する余裕がない」とか「ライフプランを考えると、産休などで長期休暇に入る可能性がある」など、属性で足切りされてしまうことが多かったんです。でも、ユニキャストは採用フローでも3回違う人と面談する機会があって、ミスマッチがお互いにないか丁寧に確認いただいたこと。不安だった技術面でもコードレビューをしていただいて通過したことから、「何とかなりそう」と思えました。
採用担当の方とお話しする中でも、「いずれ出産を考えている」とお伝えしたときに、それを企業にとってのリスクとして見るのではなく、「育休をとった社員もいるので大丈夫ですよ」と、親身になってコミュニケーションしてくれたことが嬉しかったんです。属性ではなく、1人のエンジニアとして可能性を見てくれたような気がして、入社を決めましたね。
サブリーダーとして、大変なときに助け合うチームを作りたい
――入社されて約半年がたちました、印象に残っていることなどはありますか?
実装するのが大変な局面で、マネージャーから業務を依頼されたときに、「引き受けてできずに迷惑をかけたらどうしよう」という不安から、一度断ったことがありました。
あるシステムの開発で、少し実装難易度が高い機能と、当時の私の実力でも無理なく実装できそうなレベルの機能がありました。そのとき、マネージャーから「どっちをやりたいですか?」と聞かれまして。難しいほうを引き受けた結果、できなくて迷惑をかけたらどうしよう」という不安から、簡単なほうを選んでしまったことがありました。
そのとき、マネージャーから「でも、矢葺さんは色々なモノづくりができるようになりたくて、ユニキャストに来たんですよね?」と声をかけてもらって。
何気ない一言かもしれませんが、不安だった私にとって、あらためて自分の原点ややりたかったことを認識させてもらう機会となりました。そこで挑戦したことが自身のステップアップにつながったので、マネージャーってすごいなと思いましたね(笑)。
――そんなやりとりがマネージャーとの間にあったんですね(笑)。今ではサブリーダーを勤めていらっしゃいますが、今後どのようなことに挑戦していきたいですか?
エンジニアは比較的、話すのが得意でない人が多いです。私はどちらかというと自分の希望を前面に出していくスタイルで、喋るのも嫌いではありません。前職で上流工程の仕事をしていたのもあり、お客様とのコミュニケーションの方が適正としてはあると思います。
多様な人材がいる中でもチームがまわっていくよう、サブリーダーとしてエンジニアとお客様の橋渡しをしていけたらなと。なので、もともとプログラミングを極めたいと思っていたけれど、今は若干気持ちが変化している気がします。とはいえ、プログラミングをすることから完全に離れることはせず、要件定義から実装まで本気で取り組んでいきたいです。
――ありがとうございます。最後に、矢葺さんが考える会社としてのユニキャストの今後の未来や、そのために自分が取り組んでいきたいことがあれば教えてください。
大変なときに助け合えるチームを作りたいです。まだまだベンチャーなのもあって、個々の技術力に依存している部分や、時期によっては遅くまで残業をしていることもあります。
なぜ苦しい状況になるかというと、見積もりの段階で無理があるとか、要件定義がしっかりできていないということが考えられます。この技術をそれぞれが身に付けることで、結果的に誰かに負担が偏りすぎず、余裕を持って設計ができるので、お客様に質の高いものを提供できるようになると思います。その達成に向けて、今はサブリーダーとしての仕事を全うしていきたいです。