UDSでは、ホテルや飲食店、レジデンスに加えて、ワークプレイスも多く手がけています。
ここ数年では社会の変化、働き方の変化によって、働く場についておかげさまでたくさんの企画、設計、運営のご相談をいただいており、現在一緒にワークプレイスを運営してくれる仲間を募集しています。
そこで、実際どんな仕事をしていて、どんな環境なのか、を少しでも知っていただけたらということで今回、UDSが手がけるワークプレイスで働くメンバー3人に話を聞きました。(取材・執筆協力:角田 貴広)
草野良輔(Vlag yokohama 開業準備チーム)/ 稲垣奈美(QUINTBRIDGE コミュニケーター) / 谷野加奈(INBOUND LEAGUE コーディネイター)
── UDSに入るまでの経緯と、今のお仕事について教えてください。
稲垣:私はもともとプロダクト系のデザイン学校を卒業して、ベビー用品の会社で商品企画をやっていました。小さい会社なので、1年目からアイデア出しや企画、デザイン、営業同行まで全部やるような感じで。でも、15年続けるとさすがに新たな商品を生み出すことに限界を感じたり、そもそも生み出すことが必要なのかなどいろいろ考えるようになってきちゃって(笑)。マーケティング会社に転職して、大手企業の商品開発の伴走などを担当するようになりました。時代的にも組織開発、ビジョン創造のためのワークショップみたいなことが増えてきて、答えを提示するよりは自分たちで答えを見つけるための場作りをするというか、一緒にチームになって考えるというか、そういう仕事を主にやっていました。
それから、会社の組織体制が大きく変わることになって、私も次のことを考えていた時期で、朝目覚めたタイミングで西日本最大級のオープンイノベーション施設としてQUINTBRIDGEの求人記事を見つけまして(笑)。ちょうど今後も組織で働くかなどを悩んでいた時期だったのですが、記事の最後にあった「こんな人に来てほしい」という項目にすべて当てはまっているように感じて、今までの経験もフィットする直感もあり、「これ自分が呼ばれている?」って思って(笑)。そのまま就職して、まもなく1年が経ちます。今はコミュニケーターとして施設に必要な施策や場づくりの方法を企画する仕事を主に担当して、事業主さんの運営をサポートしています。
谷野:私は前職が宿泊業でした。秋葉原にあったホステルの店長から始まり、新しいホステルの立ち上げ、統括マネージャーを経験して、最終的にはレベニューマネジメントもしていました。4年間で施設の運営を見ながら、経営視点で目標を達成するためにどうすればいいか、戦略なんかもずっと考えていて。自慢じゃないんですけど(笑)、ずっと目標を達成していました。
でも、数字とにらめっこを4年やるとお腹いっぱいになって。より広い視点でまちづくりに興味があったのと、自分自身がいつか起業したいと考えていたので、たくさんの交流があるコワーキング施設の仕事がいいなと思ったんです。UDSはその両方をやっていたし、もともと経営を学ぶために留学もしていたので、海外向けのコワーキング施設としてスタートしたINBOUND LEAGUEは、私にピッタリでした。募集要項には「コーディネイター」と書かれていたんですが、業務内容に戦略・予算策定が書いてあって、ラッキーって思いました(笑)。自分でそん英気計算書を見られるなら、裁量権が持てるんだって。
現在は施設管理や売上管理、リーシングを担当しています。INBOUND LEAGUEは、時間貸しのセミナールームやシェアオフィス、コワーキングラウンジなど、いろんな規模・業態の人たちが入る施設です。なので、それぞれの方が何を求めているのかヒアリングして考え、どういう戦略を立てるかということに注力しています。私はなんとなく「賃料を払う」という考え方が好きじゃなくて。単なる支出になるのではなくて、お金を払うことでどんな付加価値があるのか、そういうふうに考えてもらいたくて。最近、INBOUND LEAGUEの会員の方が作った起業支援プランをほかの会員の方に紹介するようなことをやっているのですが、まさにコーディネイトってこういう仕事だなと思っています。
草野:僕は谷野さんとは違って、やりきる前に辞めてしまうタイプなんです(笑)。一番最初は大手メーカーに入ったんですが、大企業の方針が肌に合わず、若気の至りで1年半で辞めて、そのあとは京都でシェアハウスや民泊をつくって運営していました。ほかにも、20名ほどでキャンピングカーをシェア購入して地方の面白い人を訪ねるようなこともやったりしました。京都のティール組織やU理論を研究していたNPOで、コミュニティづくりや人間らしくいきいき働ける組織づくりのサポートをしたりもしていました。
それから東京へ戻ってきて、社宅やホテルなどの不動産事業開発の会社に入ったり、フリーランスで映像配信やライターをやったり、親戚のいる福島県の映画会社のお手伝いをしながら町中華のお店で働いたり、とにかくいろんなことをやっていました。
UDSのことはもともとウオッチしていて、ずっとファンだったんです。それで、今回企画職の募集があったので応募したところ、新しく立ち上がる事業共創施設があるということで、家からも近い場所だったので、関わることになりました。12月に入社したばかりで、今は具体的な施設のプログラムなどを考えたり、植栽やユニフォームの手配をしたり、開業までは企画職として準備を続けています。同じワークプレイスということで谷野さんにも色々手伝ってもらっています。
谷野:“ワークプレイスチーム”として(笑)、お互いが高めあえるといいなと思っています。INBOUND LEAGUEに限らず、UDSにはワークプレイスの運営のノウハウがたくさんあるので、バックオフィスという点では他の施設でもうまく同じ仕組みを使っていけたらいいなって。
草野:UDSの良さですよね。裏側はシステムをうまく回して、コンセプトや空間はまちごとにチューニングしてつくりこんでいる。
谷野:ほんとうに。組織としては拠点ごとに損益計算書を作っているので、UDSの組織でありながら、独立したチームみたいにも感じますよね。
稲垣:実際に働いていても、スタートアップにいるような気分になります。採用にも関われますし、こんなことまでやるんだ、ってときもたくさんあります(笑)。
── 今の話にも繋がる気がしますが、UDSのワークプレイスで働くことの魅力ややりがいってどんなところにありますか?
稲垣:私が関わっているような事業共創施設って、前例も多くはなくて、まだまだ成功事例も確立されているわけではありません。だから、誰かに決められたことをただ行っていくというより、その時その時に必要なことを運営チームで考えて、提案してやっていく。それはほかの事業とは大きく異なるところだと思います。目標や変えてはいけない軸ははっきりしているけれど、その過程は決まっていない。
谷野:同じだなあ。だから、自ら考えられない人はなかなか続かないと思います。自分で考えたり、やったことのないことをラッキーだと思えれば、UDSの仕事はきっと楽しい。
草野:ボトムアップ思考ですよね。反対にトップダウンすぎるのは、自分は苦手かもしれない。
稲垣:私もですね(笑)。そういう傾向の人が集まっているのかもしれません。
── 働く上で意識していること、大切にしていることはありますか?
草野:その地域に関わる人たちのことを考えるように意識したいなと思います。例えば、シェアオフィス等ではペットボトルや紙コップがたくさん消費されている場面にも出くわします。ここではマイボトルを使ったり、どこまでできるかですが、できるだけ環境やまちづくりにつながる視点は忘れたくないなと。実際にそういうより良い、心地よい選択をしている人が会社にもチームにも多い気がします。
谷野:私の場合は、対話することを大事にしています。もともとおしゃべりなので、自分から話してばっかりだったんですが、入社当時はなかなかオフィスの契約が取れなくて。ある日ふと聞き手に回ったら、話が盛り上がって、相手側の要望がわかって。それを施設にどんどん反映するようになって、気がつけばオフィスも満室になりました。そうやって関係性をつくってこれたので、今では辞めていく会員の方が最後の日に挨拶をしにきてくださったり、連絡先を交換したり。そういうスタンスはこれからも変えないようにしたいなって思います。
稲垣:そういうのが、働いていて一番楽しいですよね。施設は箱じゃない、人がいないと成り立たない、ってずっと思っているので。
草野:人を大事にするっていうのはUDSらしいですよね。会社を辞めてからも仕事でつながっていたり。そういう生態系ができている気がします。
稲垣:そういえば、以前施設の会員の方が漆のものづくりをしていて、「ホテル カンラ 京都に作品を提案したい」と相談されたことがあって。それでホテルに連絡を入れてみたらとても真摯に対応してくれて、最終的にはカンラのイベントに出品することになったらしくて。すごく嬉しくて、それから組織のことがより好きになりました。
草野:一般的にはトップダウンの形できっちり管理されている会社の方が多いし、出会いやすいじゃないですか。だから、UDSに入社して最初の1カ月の違和感はなかなか大きかったです。自律分散的で、自由にできるけれど、かなり大変でした。
谷野:わかる。入社して3日目くらいで一人でシフトに入ったことを思い出しました(笑)。しかも、いきなり「契約書やっておいてください」って言われて、「定借ってなに・・・」という感じで調べながらなんとかやっていく、みたいな。でも、それだって「契約書の作り方覚えられるし、ラッキー」くらいに思っていました(笑)。こんなエピソードを踏まえて、いつ誰がINBOUND LEAGUEに入っても困らないようにマニュアルを整備するようになりました!
── UDSらしい人の話になりましたが、最後に、こういう方にはUDSの仕事が合っていると感じるようなことがあれば教えていただけますか。
稲垣:スタイリッシュな方が多いんですけど、中身までクールかというと実はいい意味で暑苦しい人が多い気がします。谷野さんとはじめて会った時にも、すごいクールなお姉さんかと思ったら、話してみるとただただアツくて可愛い人だった(笑)。
草野:設計のチームとかは、その熱量を目の前のアウトプットに使っているようなイメージもあります。普段は物静かな人も割といるような。あとは、みんな考えるのが好きだなって感じます。考える体力がすごくある。
稲垣:得意分野がはっきりしている人も多い気がします。だからこそ、補い合えるというか。入社してすぐの頃、仕事に悩んでいた時に上司から「自分の好きなことをやったらいいんですよ」って言われて、すごいなって思いました。
谷野:それはかっこいい(笑)。私も入社当初クレーム対応をした時に、困っていたら先輩が助けてくれたことを思い出しました。クレームを受けて自分が怒られているような気になってめげていたんですけど、「あなたが怒られているわけじゃないから」って言われて。そういう広い視点で考えるのが大切だなって思ったし、最近は私自身にもその“UDSらしさ”がインストールされてきたのか、そういうことができるようになってきた気がします。
草野:共創施設だと、とくに日々いろんなことが起きるわけじゃないですか。だからこそ、流動的に補い合う必要がありますよね。
稲垣:一般的には平均化された人材を育てる方が楽なのかもしれませんが、UDSでは何か不得意なことがあってもどこかで突出していればいいというか、そもそも平均化された仕事に安心する人の方が少ない気がしますよね。得意不得意がはっきりしているからこそ、何かが起こったときにも誰かが対処できる。そういう個性というか人が施設を魅力的にするわけだし、より尖った三角形ほど集まれば強い球になるみたいな、そんな組織がUDSなんだろうなと思います。
ワークプレイスで一緒に働く仲間を募集しています
事業共創施設 オープニングスタッフ
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ワークプレイス コーディネイター
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