一度なら誰でも検索したことがあるであろう、
プレゼン資料の作り方。
ネットで検索すればHOWTOはいくらでも出てきますが、
やるべきことが多かったりして、分かりづらいことも。
「結局に何したらいいの?」とか、
「そんなに何度もプレゼン資料作る機会ないから、
今すぐ実践できるノウハウ教えてよ!」
と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は慣れていない方に向けて、
「『伝わる』プレゼン資料の作り方」に関する勉強会を、
オンラインで開催しました!
登壇者はゲーム・エンタメ領域で長年企画職をご担当されてきた熊野さん。
社内外のプレゼンに携わってきた経験を基に、
今すぐ実践できるテクニックと、日々簡単にできる訓練方法について、教えてくれました。
職種・職位:企画・中/上流工程
主力スキル:
・プロダクト設計/チューニング
・プロダクト運営/マネージング
・ディレクション
・データ分析
・データ設計/構築/作成/管理
・UIデザイン
・ワードチョイス
・全方向に飛び火するくだらない話
濃密だった40分間のオンライン勉強会の内容を、
Wantedlyでは全2回に分けてお届けしていきます!!
論文を書く学生~ベテラン社会人の復習にもお使いいただけると思いますので、
ぜひご活用ください!
概して、要する。
伝え方の基本中の基本
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今回の勉強会の目的は、ずばり、
「伝わるスライド&プレゼンにするためのコツを持ち帰ってもらう」です。
流れとしてはざっくりこんな流れで進めていこうと思います。
①スライド作りの3STEPと工程ごとのコツ
②繰り返して身に着けよう
※Wantedlyのストーリーでは①と②で区切りを入れて、全2回でお届けしていきます。
まず、人にものを伝えるということは、下記3要素があると思ってください。
そしてこれがプレゼン作りの基本の3ステップです。
1伝える内容をつくる(概要化)
2伝え方に工夫する(台本化)
3後に残ろうお土産を作る(資料化)
人間というのは、情報量が多すぎても、
少なすぎても伝わらない生き物です。
例えば、
あなたは今、家族に「夕方雨が降る前までに、洗濯物を取り込んでおいてほしい」
「おしゃれ着があるから、取り込むときに型崩れしないように気を付けてほしい」
という2点を伝えようとしているとします。
伝え方はざっくり下記スライドのように、
「密」~「粗」にかけた3種類の伝え方が考えられます。
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「密」だと情報量が多すぎて、どれか忘れてしまったり、抜け漏れが起きる可能性がある。
「粗」でも情報量が少なすぎて、雨が降ったあとに洗濯物を取り込む可能性がある。
ということが想像できますよね。
ここで重要なのは、
情報は適切にまとめて伝えてあげる必要があるということです。
複雑すぎても簡単すぎても聞いてくれないということを理解しておきましょう。
なので伝えたいことは、
箇条書きに「概」して、その「要」点に絞って話をする
ということ。
これがプレゼン資料作りの基本の3ステップの1番目、
「概要化」です。
順に追ってみていきましょう。
序・破・急!
これからの時代の文章構成の基本
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繰り返しになりますが、
プレゼン資料とは概要を伝えるものです。
細かい話はワードとエクセルにして、プレゼンでは概要だけ伝わればいい。
冷蔵庫の営業に例えを見てみましょう。
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まずは冷蔵庫が一般的では無い時代を想像してみてください。
家庭ではまず、下記のことが問題提起されると考えられます。
・食糧を保存する手段がなく、買い溜めができない
・そのため、食料は毎日買い物に行く手間がかかっている
こうした課題を抱える人々に、
冷蔵庫を売りたい時の伝え方はこうです。
毎日食料買いに行くの、手間ですよね。
食料を冷やせる箱があるので、使ってみませんか?
それを使うことで、食料の保存ができるようになりますよ。
食料が保存できることによって、
毎日買い物に行く手間が省けて、時間を有効活用できるようになりますよ。
メリットをお客さんに伝えることで、
「冷える箱があって、そこに食料を突っ込んでおけばいいんだ」と、
考えなくても理解できて、魅力的に思ってもらえるわけです。
そのうえで、
サイズ・値段・色とかそのほかの情報を後から適宜伝えていきます。
その他を先に伝えると「なんで冷蔵庫買ったんだっけ」ってなるので、
気を付けてください。
よく話の組み立て方法で、起承転結って言いますけど、
あれだとちょっと長いので、序破急を意識してみてください。
ちょっと前に某アニメーションで話題になってたアレですね。
序破急を用いることで、余分な情報が減り、
ビジネス的にはさっさと要件のやりとりができるようになります。
手戻りはこりごり......
大事なことは一晩寝かせて考える
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ここまでで概要化できたところで、
今度は話をする内容を台本化していきます。
いきなり上手に台本を書く必要はありません!
具体的には、
さっきの概要をそのままの順で、メモを取りながらしゃべってみてください。
(この時スマホのメモを活用していただくと、無駄な情報が減らせます)
最後までしゃべってメモを取ったら、
今度は書いたものを段落ごとに切っていきます。
そうするとあら不思議!
スライドの下書きと台本の下書きができちゃいました!
ここで、大方の準備が完了しているわけなんですが、
必ずこのタイミングで何回か読み返すようにしましょう。
読み返すことで、相手が分かっている前提で話を進めてる箇所や、
主語・述語が抜けているなどの抜け漏れが発見できます。
よく一晩寝かせると言いますが、それをここで実践しておきましょう。
何故ならこのあとから清書していくわけですが、この段階で、
「やばい、もっとしゃべった方がいいかも」
「これ不要だったかも?」
といった情報の出し入れをしていると、
全体として変になったり、手戻りが起こるわけです。
みなさん、手戻りのご経験はお持ちでしょうか?
憎らしいですよね、手戻り。笑
だから下書きの段階で読み返すことを心掛けると、すごくいいです。
紙面デザインを制するものは、
資料化を制する
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次は資料化のステップです。
台本化の段階でできたスライドの下書きを、チューニングしていく作業です。
僕の経験からいうと、
チューニングではこの3つだけ気を付けておけば、
60~70点くらいのスライドが完成します。
・読解難度を下げるために、情報の配置を紙面デザインする
・読解優先順位がわかるように、文字のデザイン・配置を工夫する
・イメージを想起する画像と茶番劇(笑)を差し込む
分かりやすいように、頑張って資料を用意してみました。
四角い箱が、情報が配置されている場所だと思ってください。
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この四角い箱を、
左のごちゃごちゃしている状態から、
右の整った状態に持っていくことを、紙面デザインと呼びます。
見てほしい順番にZ字を描くように情報を配置したり、
端・高さを合わせるといった小さい工夫の積み重ねで、
見やすく伝わりやすいデザインになります。
もう1つ例を挙げてみてみましょう。
例えば下記画像の左側は、コンサルタントが入る前の、
とあるカフェの軽食メニューだと思ってください。
良く分からないですよね。
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参加者「プリン劇推しですね笑」
サンドイッチも推してます!笑
冗談はさておき、このメニューだと大変見づらいです。
どこまでが軽食で、どこからがデザートなのかが分からず、
情報整理に時間が掛って、お客さんとしては大変めんどくさい。
それを右のように情報整理にしたらどうでしょう。
見た人は、まず軽食にするかデザートにするか考える。
そしてデザートにすると決めたら、
次はプリンかいちごパフェのどちらにするか検討するだけで済むので、
非常に楽ですよね。これが紙面デザインです。
勝負は一瞬。だから抜かりなく。
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ここまででチューニングの手順2まで完了しました。
あとは図画像と茶番劇を挿入するだけです。
たとえば下記画像の左側、文字だけで全部読むのに数十秒要しますが、
右の画像だけであれば数秒で理解できます。
この数十秒の差って、ものすごく大きいんです。
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スライドや広告って、
1枚につき1分も2分も読んでもらえるものじゃないんです。
パッとみて「ああ、こういうこと言ってるな」と思うくらい。
だからその一瞬で概要が伝わらなければいけない。
文字をそんなに読んで貰えないって分かってるなら、
もっと早く、読んで概要を掴んで貰うために工夫を行う必要があるわけです。
その手段の一つとして図画像を使いましょうというお話でした。
熊野さんのおすすめサイトはこちら↓
鳥獣戯画のほうは、今回のスライドでも使用しています。
かわいいフリー素材集 いらすとや (irasutoya.com)
ダ鳥獣戯画 – 鳥獣戯画ベクター素材化サイト (chojugiga.com)
ここまでプレゼン資料の作り方について伝えてきました。
ちょっとしたことをやるだけで、
とても読みやすい紙面デザインになるわけですね。
当然、他にもテクっぽいことはいくらでもあるんですが、
時間が足りないので、今回はここまでとさせていただきます。
ここまでは概要を頭で理解した段階だと思いますが、
実際にこれを身に着くまで実践しないと、
自分のスキルとして吸収できません。
そこで次では、
実践編として日々できるトレーニングをお伝えしますので、
ぜひ次回も御覧ください!!