月に10冊本を読むと豪語する、
PdMの田上のオススメの一冊です。
実践行動経済学
こういう人にオススメ
- プロダクト開発に携わっている人(特にUIデザイナー、フロントエンドエンジニア)
- ゼロからサービスを立ち上げようとしている人
読了後に期待できる効果
- あの商品はなぜ売れるのか、あのサービスはなぜ使われるのか分析できるようになる
- ユーザーのAHA体験をどのように設計すればいいかわかる
- サービスが自律的に成長する仕組みがわかる
内容
2017年ノーベル経済学賞を受賞したリチャード セイラー氏の著書で、行動経済学を実際の生活に落とし込むための多種多様なtipsが紹介されている。
例えば、汚れがちな男性用トイレをどうすれば綺麗に保てるかという問題に対して、「汚さないでください」と書いても誰も従わないため、代わりに便器内にハエのシールを貼った、というアプローチが紹介されている。これは行動経済学を応用した最も理想的な例である。
その他にも、ダイエットや禁煙、貯蓄や投資、社会保障制度や環境保護など、幅広く行動経済学を活かすためのHow toが紹介されている。
学んだこと
- 自分はそうではないと強く意識していても、認知バイアスやヒューリスティックに代表される一種のハロー効果のような現象は避けては通れないということ。
ただ、この現象を前提として自覚しておくことで、それを考慮したアクションを取ることができる。
この自覚がないと、プロダクト開発におけるユーザーテストや仮説検証の効果が下がり、誤った意思決定を生み出してしまう危険性に繋がってしまう。
- 人間は、全般的に現在の状況に固執する傾向を示す。この現象を、現状維持バイアスといい、何かを手放さなければならなくなったときの痛みは、全く同じものを手に入れたときの喜びよりも大きくなる。
これを損失回避性といい、プロダクト開発の現場にも活かせる考え方である。
- プロダクト開発に最も参考になったのは、デフォルトオプションの考え方。
わかりやすい例として、商店街のたい焼き屋さんのスタンプカードの行動経済学について説明すると、スタンプカードはお客さんの再訪を狙った施策であるが、配布時に白紙のスタンプカードを渡すよりも、既に1つか2つのスタンプが押された状態のカードを渡した方が、再訪率が劇的に向上する。
要するに、ユーザーがプロダクトの利用をスタートする際にどのような状態になっているか、
(PoLはまだまだ全然足りてませんが、現時点では、登録の時点でユーザー名を入力してもらったり、デフォルトアイコンを設定していたりします。そうすると何も設定していない時と比較してプロダクトへの愛着が湧くらしいです。)
またユーザーが解約してから再契約する際にどのような状態になっているか、
(一度解約したサービスでも、再度契約した際には以前の情報が残っていたり)というのは凄く重要であるということ。
内容がありすぎて全部伝えきれません...
最後に
プロダクト開発に社会生物学を前提に置いた行動経済学を組み込む施策を考えるのが、
めちゃめちゃ楽しいです!!
(お疲れモード?)
だそうです。
田上の紹介を聞いて私も読みたくなりましたーーー!
素敵なアウトプットをありがとうございました。