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リリースプランニングとは?

テイラーワークスが提供するコミュニティアプリ「 Tailor Works 」の開発についてご紹介します。

ユーザーの皆さんにとって使いやすく必要とされるプロダクトとなるために、どのようなチームが、どのような考え方で、どのようなプロセスを経て開発までのプランニングを行っているのか——。

この記事では、「人間中心設計」を軸にしたリリースプランニングについて、詳しく解説します!

開発までの4つのプランニング

まずはじめに、開発までに行うプランニングの種類についてお話しします。

テイラーワークスでは、効率よく効果のある開発を行えるよう、基本的に以下4つのプランニングプロセスを経て開発を行っています。


1. ポートフォリオプランニング

事業戦略に沿って、ユーザーヒアリングを基に、プロダクトの方向性を定めるための工程。 年に1度の見直しを行い、次年度のプロダクトの方向性を定める。

2. プロダクトプランニング

ポートフォリオプランニングを受けて、ユーザーがプロダクトに求めるニーズ(課題)を可視化し、言語化する工程。 具体的な要件定義前の段階に値するため、半年に1度の見直しを図る。

3. リリースプランニング

プロダクトプランニングを受けて、スプリントをプランするための前提条件やユーザー体験/UIUXを可視化し、スプリントプランニングの想定期間を洗い出すための工程。

4. スプリントプランニング

スプリントで実⾏する作業の計画を作成する工程。プロダクトバックログアイテムごとに1日以内の小さな作業アイテムに分解し、それらを提供するための計画を練る。

今回ご紹介するリリースプランニングは、3ヶ月〜9ヶ月単位でプロダクト計画を立てる場合に実施し、スクラムチーム全体が、さらにプロダクトのステークホルダーも巻き込みながら、初期のプロダクトバックログアイテムを作成するものです。

リリースプランニングの方法

プランニングに「人間中心設計」を導入

ユーザーにとって使いやすい・必要とされるプロダクト作りのため、テイラーワークスは、プランニングに「人間中心設計」を導入しています。

人間中心設計とは、簡単に言うと、「使う人のことをきちんと考えてモノを作るという考え方」です。

国際規格「ISO」は、人間中心設計をこのように定義しています。

「システムの使用に焦点を当て,人間工学及びユーザビリティの知識と手法とを適用することによって,インタラクティブシステム(※)をより使えるものにすることを目的としたシステムの設計及び開発へのアプローチ」

つまり、

  • ストレス・疲れがあっても問題なく使えること
  • 簡単に操作手順を覚えられること

などを意識することで、より快適なユーザー体験の実現を目指しています。


人間中心設計における開発は、「調査→分析→設計→評価」を基本プロセスとしており、リリースプランニングは、この「設計」と「評価」に当たります。

前段階の「分析」で明らかになった課題に対して、「設計」により解決策を作成し、その解決策が要求事項に対する設計となっているか検証を行うことにより、特定のユーザーと組織の要求事項を満たす解決策として評価された「プロダクトバックログ」を完成させます。

ポイントは、

  • 全体を通してユーザー参加型で進める
  • 多様なステークホルダーを巻き込む

ということ。設計・開発全体を通してユーザーに協力を仰ぎ、ユーザーとの接点が多い部署のメンバーを設計・開発のチームに加え、ユーザー中心の視点で開発を進めます。

これにより、以下のような成果が見込めます。

  • 開発前に仮説検証を素早く回してユーザー体験を具体化することで、「ユーザーに必要とされる」と、ある程度立証された機能を提供できる
  • 不確実性を小さくした状態でリリースすることで、改修コストも下げられる
  • ステークホルダーを巻き込むことで、多様な視点の取り入れやブラッシュアップができる

「設計」のプロセス

リリースプランニングにおける「設計」のプロセスでは、プロダクトプランニングによる「分析」で明らかになった課題に対する解決策を模索します。

手順は、以下の通りです。

1. 要求事項(課題)に対し、どのように解決していくか解決策を練る
デザインスプリントで明確になったここでは、「デザインスプリント」というフレームワークを使います。
要求事項(課題)の共通理解を促し、それに紐付くアイディア出しと決定、施策品(プロトタイプ)を作成し、このアイディアが本当に課題を解決できるのかを社内でプロトタイプ検証します。

★メンバーの声「デザインスプリントの期間中は脳をかなり酷使するので、糖分が欠かせません!!」

2. リリースプランニングの資料を作成する
デザインスプリントで明確になった課題や改善策などをイラストを用いて可視化し、ステークホルダーの共通理解を促します。併せて、ユーザーテストの内容を反映した試作品の解説も行い、経営側の合意の上で、開発に向けて動き出します。

3. 要求分析を洗い出し、優先順位をつける
まずはユーザーストーリーマップを作成し、ユーザーの行動に合わせた機能要求の洗い出しを行います。その際に出てくる検討内容は、リスト化します。
次に、ユーザーとの接点が最も多いカスタマーサクセスチームと共に仮説を立て、機能の優先順位を決めていきます。

最終的には、月次の経営会議の場でプランニング内容を社内共有し、アップデートの大枠の合意と、今後のスケジュールを確認します。

「評価」のプロセス

(参考:『はじめてのUXリサーチ ユーザーとともに価値あるサービスを作り続けるために』(翔泳社)を参考に作成)

続いて、「評価」のプロセスでは、UXリサーチとして社外のTailor Worksユーザーの方々にご協力いただき、ユーザーテストを実施します。

1. プロトタイプの作成
デザインツールの「Figma」を使い、プロトタイプを作成します。

2. UXリサーチの実施
プロダクトのアイディアの仮説検証を行い、不確実性を小さくするための過程です。ここでは、Tailor Worksのユーザーの方々へ協力を仰ぎ、ユーザーテストを実施します。

★メンバーの声:「ユーザーテストはお客さまの意見を直接伺うことができる貴重な機会なので、開発チームだけでなくビジネスサイドのメンバーにも内容を共有します」

3. テスト結果の分析と今後の計画
インパクト分析を用いてユーザーテスト結果の評価を行うことで、優先順位を最終決定し、リリース計画を立てます。

4. テスト結果と今後の方向性の共有
社内で PRD(プロダクト要求仕様書)を共有する会を設けます。

5. プロダクトバックログアイテム化
プロダクトバックログ(※)をアイテム化します。
プロダクトバックログ: ロードマップと要件に基づいて開発チームが行う作業に優先順位を設定したリスト(スクラムチームにとっての行動リスト)のこと
出典: プロダクトバックログ: 究極の行動リスト

アイテム化したプロダクトバックログに対するリファインメントの後、いよいよスクラム開発へと進んでいきます。

最後に……

これまで、Tailor Worksの開発へ向けたプランニングについてお話ししてきましたが、これらはあくまで大枠であり、プロジェクトの目的に合わせて適宜フレームワークを選定し、プロセスをカスタマイズしています。

プロダクト開発にはデザイン思考も必要ですが、それと同時に、人間中心設計によるユーザーにとって使いやすいプロダクト作りを軸に据えた開発を行っていきたいと私たちは考えています。

テイラーワークスは今後も、多様なユーザーにとって有意義でわかりやすいプロダクトとなるよう、ステークホルダーの皆さんのご意見を取り入れながら、チーム一丸となって開発を進めてまいります!

テイラーワークスとは

テイラーワークスは、「世界を変えるつながりを創る」をミッションに、「ひらめきにときめく社会」をビジョンに掲げ、コミュニティアプリ「Tailor Works」やコミュニティ運営ノウハウを市場に提供しているコミュニティプラットフォーマーです。
オープンイノベーション関連の施策や社会課題解決、共創プラットフォーム構築など、課題解決やコラボレーションをテーマにしたエコシステム創出と、コミュニティコンサルティング支援を手掛けています。

▶︎関連記事:PdMとバディを組むデザイナー

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