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10/1から施行開始!改正した電子帳簿保存法はどこが変わった?

2020年10月1日に電子帳簿保存法が改正されます。電子帳簿保存法とは、帳簿や領収書などの国税関係帳簿書類を電子データとして保存することを認めた法律です。電子データには、PCで作成したデータと、紙の書類をスキャンして電子化したデータのほか、書類によってはスマートフォンやデジタルカメラで撮影したデータが認められています。1998年7月にこの法律が制定された後、段階的に見直しがされてきました。今回の改正では、さらに電子データの記録に関する要件が緩和されることになります。

経理業務に関係する改正点は大きく2つ

今回の改正内容は、電子的に受け取った請求書などを保存する場合の電磁的記録の保存要件の緩和です。

電子帳簿保存法では、電子取引を行った場合の取引情報については、電磁的記録を保存することが義務付けられています。この電磁的記録の保存の要件として、電子的に受領した請求書等に受領者側がタイムスタンプを付与する方法、または改ざん防止等のための事務処理規定を作成して運用する方法が定められています。今回の改正では新たな方法が追加されました。

■保存時のタイムスタンプのルールが変わった

<改正前> タイムスタンプ:発行者で付与→受領者で付与が必要 

<改正後> タイムスタンプ:発行者で付与→受領者で付与が不要

保存時のタイムスタンプの規定については、改正により、発行者のタイムスタンプがあれば、受領側ではタイムスタンプは不要となりました。タイムスタンプとは、ある時刻にその電子データが確かに存在していたこと、またその時刻以降に不正な改ざんなどがされていないことを証明するためのものです。発行者側からタイムスタンプを付与した電子請求書等が送られてきたら、受領者側はそのまま受け取り電子保存できるようになります。

■データ改変できないシステムの利用も認められる

さらに、改正後は、受け取った電磁的記録を、受領側が自由に訂正や削除などの改変ができないクラウドシステムやサービスを利用して、電磁的記録の授受及び保存を行う方法が認められます

今回の改正のメリットは?

今までは受取側もタイムスタンプ押す必要があったため、有償のサービスを導入しなければならないなど、電子化を行う際の1つのハードルとなっていました。今回の変更でそのハードルが下がり、企業としてはコストの負担が軽減されます。また、今回の改正によって、利用者がデータの直接的な書き換えができないクラウドサービスを利用する場合も、新たな保存処置が認められることになります。つまり、クラウドサービスが要件を満たしていれば、タイムスタンプや事務処理規程の備え付けすら不要で電子帳簿保存法に対応できることになります。これはペーパーレス化、電子化が促進される動きへと繋がるでしょう。データが適正に保存されていれば、これまで手作業で行っていた紙の領収書や請求書等の受領や、スキャンする作業が不要となり、紙原本の保管ではなくデジタルデータの受領によって処理・保存が済むことから、経理業務の業務負担削減と効率化が期待されます。なかなか進まなかった経理業務のリモートワークを進める足がかりにもなるかもしれません。


国が進めるさらなるデジタル化の波

今までは紙ベースでの保存が義務とされてた会計書類。電子データと紙との両方で保存するので、余計に非効率になっていた部分があります。しかし、河野行政改革相の「ハンコやめろ」発言からもわかるように、国は積極的にペーパーレス化を推し進めています。

事務処理の簡易化や過度な書類作成の削減、軽減税率導入で複雑化する会計の負担も削減する目的などから、電子帳簿保存法の整備は今後も行われていきます。電子帳簿保存法を利用するには事前申請が必要ですが、それに対応するメリットは多大です。まずは、紙がなくなることによる管理コスト・工数の軽減。紙の原本で管理していると、保管するためのスペースが必要ですし、ファイリングなどの作業も発生します。おまけに郵送するにもコストがかかります。これらのコストや作業工数が抑えることができるのは大きなメリットです。電子帳簿保存法に加えて、経理のシステムを導入すればさらにコスト削減+業務効率化の効果が発揮されます。

日本の経理の働き方をもっと変えていく!

緊急事態宣言下でも約 7 割が出社を余儀なくされた経理担当者。 その主たる原因は「紙の請求書」でした。「なんで経理だけ出社しないといけないの?請求書が紙であるばっかりに!」そんな現状を打破しようと、ロボットペイメント社が各社に働きかけ、経理の「変わらない働き方」を変える為に発動したのがこの「日本の経理をもっと自由に」プロジェクト。 国・企業・経理などのステークホルダーを巻き込み、依然として紙文化が残る請求書を電子化へと転換を促し、経理の新しい働き方を共創するために取り組みをしています。もちろん、弊社もこのプロジェクトへの賛同を表明しています。


日本の経理をもっと自由に。┃ROBOT PAYMENT (ロボットペイメント)
「日本の経理を自由に」プロジェクトとは、リモートワークが日本中に浸透していく中、月末の対応・紙の請求処理などで出社を強いられる企業の経理担当が「もっと自由なニューノーマルな働き方」ができるように、多くの声を集め世の中に提示していくプロジェクトです。
https://www.robotpayment.co.jp/keiri_liberty/


今回の電子帳簿保存法の改正にあわせた動きとして、法律改正前日にプロジェクトの主催者であるロボットペイメント社が経産省にIT導入補助金が関する嘆願書を提出しました。その意図は、日本企業の「間接部門の IT 投資の優先度が低い」という課題を解決したいというのが目的。そもそもより多くの企業にITツールが導入されなければ、経理のリモートワークは現実とならないのです。同日開催されたイベントでは、「75%のユーザーが電子帳簿保存法の機能を望んでいる」・「67%のユーザーが電子データのやり取りを望んでいる」という声も紹介された一方、登壇した企業からは「自社だけで請求書の電子化を行っても、取引先も電子化してくれないと意味がない。請求書の電子化を達成できているのはまだ2割、3割といったところ」という声も聞こえました。なかなか電子化が進まない背景にはコスト面、それから経理部門にITに明るい人材がいないといった問題もあり、やはりバックオフィス部門ではIT化が後回しにされている感が否めない実情も明らかになりました。

今回の法律改正は前進ですが、更なる規制緩和も期待したいところ。同時にサービスを提供する側としても業界一丸となってIT化を推し進めていく必要があります。プロジェクトの賛同を通して、今後企業の規模に関わらずIT導入が進み、日本の経理担当者の働き方が変わるよう願います!


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