「その場にいる誰もが輝ける場所をつくりたい」芸大出身、アルバイトスタッフから新卒入社。ゲストや地域の人が行き交うカルチャースポットをつくる挑戦
株式会社水星に新しく入社した社員にインタビューをする入社エントリ。今回紹介するのは大学時代にアルバイトとしてHOTEL SHE, KYOTOに入社し、今年の4月に新卒入社した原栞菜さん。ホテルスタッフとして現場に立ちつつ、芸術大学で培ったデザインのノウハウを活かして、HOTEL SHE, KYOTOのデザイン周りの制作補助や、併設ギャラリーのキュレーションを担っています。アルバイトから、ファーストキャリアとしてなぜ水星に入社することを決めたのか。彼女にとってHOTEL SHE, KYOTOや水星はどのように映っていたのか。その眼差しの先にあるものやこれから挑戦していきたいことについて話をうかがいました。
プロフィール:原栞菜
2001年大阪府堺市生まれ。京都芸術大学情報デザイン学科ビジュアルコミュニケーションデザインコース卒業。大学時代にHOTEL SHE, KYOTOで1年間アルバイトを経験し、2024年4月に新卒入社。ホテルスタッフとして現場に立ちながら、HOTEL SHE, KYOTOの「ギャラリーオアシス」のキュレーションを担当するなど、京都のカルチャースポットとして、多くの人が集まるホテルにするために日々奮闘中。
デザインを用いて社会課題にアプローチする
ー芸術大学の出身ということですが、どのような経緯で進学されたのですか。
もともと音楽バンドのジャケ写、特に『あいみょん』のアルバムのデザインが好きで、そうした興味の中でアートディレクターという職種を知りました。その憧れからデザイン系の大学に進学したのですが、それとは別でインスタグラムで知り合った先輩が、大学の友達とフリーマーケットや、DJイベントを開催、運営しているのを見て、私もイベントを開催したいと思って決めたというのもあります。
所属していたのはデザイン学科のビジュアルコミュニケーションデザインコースというところなのですが、私は別に絵を描けるわけでもなく、入試も芸大入試でよくイメージされるようなデッサン試験などではなくて、AO入試のような他の受験生たちとコミュニケーションを取って、グループワークをおこない、最後に成果物を発表するという試験でした。在学中はデザインの技法も学んだのですが、主には企業様が抱える問題や、社会が変化していく中で生じる課題を解決するために、デザインという視点から新たなアイデアを出し、それらをグラフィックで見せることで解決に導くといった内容を学んでいました。
手作業によって生まれる唯一無二の作品や、温かみを感じる作品が大好きで、そうした要素が表立って反映されるシルクスクリーンの印刷技法にハマって、よく大学の工房で制作をしていました。卒業制作では、同学科の友人たちの制作物から出た印刷物のゴミを素材にグラフィックを再構築し、オリジナルのポスターを制作しました。
原さんの卒業制作
中でも印象に残っているのは、ソニー株式会社から宇宙を題材とした新たなエンターテイメント、体験を考えてほしいという課題です。若年層に宇宙の魅力を広めるという課題を課され、デザインを媒介として、どうすれば宇宙を身近なものとして感じてもらえるかを考えました。私たちのグループは、宇宙に関する流行語大賞をつくるという企画を立案し、制作を行いました。宇宙って「ブラックホール」や「ダークマター」みたいな独特な専門用語が多いじゃないですか。例えば「ダークマター」だったら「黒歴史」というワードに変換、概念化して四コマ漫画をつくったり、イラストを描いてSNSアカウントを作成したりしました。
ソニー株式会社からの課題制作
また、イベント企画にも興味があり、個人では同学科の学生を巻き込んだアートブックフェアを企画、開催しました。アートブックフェアには私も自ら作家として出展し、zineやTシャツなどの展示・販売をしていたのですが、その時に「私はつくり手になるより、面白い作品をつくっている友達をたくさんの人に見てもらえるような、みんなが輝ける場所をつくりたい!」という気持ちの方が強いことに気が付き、今後もこのような活動をしていきたいと思えるぐらい、私の人生を変えるイベントになりました。
自身で企画、運営されたアートブックフェア
HOTEL SHE,KYOTOとの出会い。そこで生まれた新しい夢
ー大学生アルバイトから大学卒業後に社員として水星に入社という経歴ですが、そもそもHOTEL SHE,KYOTOのアルバイトにはどのような経緯で応募されたのでしょうか。
それまでずっと居酒屋でアルバイトしていたのですが、就活を始めるタイミングで居酒屋で働いている時間がもったいないと思うようになっていました。デザインの仕事をやらせてもらえて、なおかつ就活にも繋がりそうなアルバイトを探していた時に、偶然インスタグラムでHOTEL SHE,KYOTOの投稿が流れてきて。もともと代表の翔子さんも水星も、HOTEL SHE,KYOTOのことも知っていたので、これは何かの縁だと思って応募しました。
実際にホテルで働いてみると、正直、はじめは想像以上に大変だと感じていました。ただ、居酒屋で働いていた時よりも学べることの幅が広くて多いことに加え、アルバイトでもデザイン制作の業務を任せてもらえたのがすごくありがたくて、やりがいを持って楽しく働いていました。
ーまさにタイミングですね。そしてこの度、新卒入社されたわけですが何が選択の決め手となったのでしょうか。
アートブックフェアの企画、運営をきっかけに「自分がつくり手になるのではなく、つくり手が輝ける場所をつくりたい」という夢が生まれました。そうした漠然とした夢を持ちながら、就職先に悩んでいたときに、支配人の岸さんからHOTEL SHE, KYOTOのロビーで、自分の制作した作品を展示するPOPUPの機会をいただいたんです。
当初は展示のみの予定でしたが、せっかくならクロージングイベントとして、一緒に展示を制作した子のライブペイントや、友人を集めて弾き語りやDJ、フードなどを融合させたイベントを開催すれば、よりたくさんの人を巻き込み、楽しんでもらえる機会をつくれるのではないかと思い、岸さんに相談をして、最終的にイベントを開催することが出来ました。
イベントを目的にホテルに遊びにきてくださった方や、宿泊していたお客さんが楽しんでくれていたのを見た時に、「みんなが輝ける場所ってホテルでつくれるやん!!!」とビビッときたんです。(笑) 同時に、ホテルの限りない可能性を感じて、水星への入社を決めました。当時アルバイトだった自分のやりたいことを全部やらせてくださった岸さんとHOTEL SHE,KYOTOには本当に感謝です。
原さんの制作物の一部
また、アルバイト時代に参加させていただいた5月の社員総会に心を打たれたのも、決め手のひとつです。社員の皆さんが自分たちで社内報やpodcast番組を制作していたり、その他にも凝ったコンテンツを考えて用意したり、そういったみんなで協力して何かをつくり上げ、それを全力で楽しんでいる姿を見て、すごくキラキラした場所だなと感じました。そこで初めてお会いした社員さんたちにもすごく惹かれ、一緒に働きたいと強く思いました。
ー社員総会で原さんに初めてお会いした時、HOTEL SHE,KYOTOのカルチャーにすごくマッチしているなと感じていました。新卒入社してあらためてホテルの現場でのお仕事はいかがですか。
オペレーションスタッフとしてお客様のチェックイン対応などをするのはもちろん、HOTEL SHE, KYOTOのロビーに併設している「ギャラリーオアシス」のキュレーション、アーティストさんとの打ち合わせや、イベント企画、また学生時代に培ったデザインのノウハウを活かしてホテルを構える東九条エリアの魅力を発信するzineの制作も現在進行形で行なっています。また、作家さんとのPOPUP、地域の飲食店とコラボしたクリスマスマーケットを今年も企画できたらとも思っています。
実をいうとホテルで働くまでは接客が苦手だったんです。ただ、HOTEL SHE, KYOTOでお会いするお客様は話しやすい方も多くて、例えば私がネイルしているのを見て「可愛いですね」と褒めてくださったり、他にもロビーのレコードラックを見たお客様から「〇〇のレコードは置いてないんですか?」と聞かれて、それが私も好きなバンドで「そうですよね!(レコード)要りますよね!」みたいな会話をしたり、図らずも自分の趣味を共有できる機会が多くて嬉しいです。
その場にいる誰もが輝ける、旅の目的地となるホテルをつくりたい
ー入社してまだ5ヶ月ですがオペレーション業務に留まらず、そのご活躍はかねがねうかがっています。そんな原さんが今後挑戦していきたいことについてお聞かせいただけますか。
挑戦したいこととしては、HOTEL SHE, KYOTOで9月から始まる「詩のホテル」のようなコラボレーション企画や、エンタメ事業部の泊まれる演劇など、ホテルという箱を使って今までになかったような新しい体験をつくり、お客様に届けたいです。
個人的に「PAMM」というアパレルブランドが好きなのですが、パジャマやベッドカバーも取り扱っているブランドで、そことコラボしてライフスタイルの試着ができる宿泊体験をつくったり、あとは過去にHOTEL SHE,OSAKAでアーティストの「SIRUP」さんとコラボしたように「それ、ホテルでやっちゃうんだ」みたいなアーティストとのコラボ企画も実施できたらとも思っています。その他、ホテルのロビーでアコースティックライブのような音楽イベントももっと頻繁に開催したいです。
最終的にはHOTEL SHE, KYOTOをもっと人が集まる場所にしたい、たくさんの人が集まるカルチャースポット、旅の目的地となるような場所にしたいです。ホテルという空間を通して、宿泊のお客様と、地域の人やお店とを繋ぐ仲介者的な存在として現場に立っていたいです。
HOTEL SHE, KYOTOアルバイト時代の制作物の一部
ー最後に水星で働くことの魅力について教えてください。
「こんなことやりたい!」と、新人の私でも挑戦できる環境があること、そしてそれを歓迎して、本当にやらせてもらえることです。また、「ホテルという箱を通じて世の中に新しい選択肢を生み出していく」というビジョンのもと、皆さんが新しいことにチャレンジしているところも「こんなワクワクする会社は他にないでしょ!」と思わせてくれます。
加えて、他業種から転職されてくる方が多く、いろんなバックグラウンドを持つ方が多くいらっしゃるので、皆さんから得られる知見が豊富で毎日が刺激的です。一緒に働いていても、ホテルのために、サービスのためにという愛が丸見えで、そういう人たちと働いていると自分も頑張れると言いますか、日々パワーをもらっています。
自分たちのサービスやプロダクトに愛を持てる人、自分がそのサービスやプロダクトの1番のファンみたいなバイブスがめっちゃいいなって思います。
あとがき
水星社員最年少の原さん。インタビュー中は初々しさを感じつつも、今後の目標を真っ直ぐ、そして何より楽しそうに語る姿には頼もしさ、たくましさを覚えた。HOTEL SHE,KYOTOでは現在「泊まれる演劇」を上演(2024/8/31まで)しており、その期間、原さんは自社予約システム『CHILLNN(チルン)』にて3ヶ月の研修を受けられている。自身の得意分野を活かし、SNSの投稿テンプレートのデザインを制作しつつ、その延長で運用や分析までおこなっているとのことだ。また、研修中に学んだ商談の進め方やクロージングの仕方、言葉遣いをホテル業務の打ち合わせで早速活かすことができたと嬉しそうに話してくれたのも印象的だった。5月に行われた新入社員研修では「同期は宝物」という名言を残し、周囲を感嘆の渦に包んだという。新進気鋭、若きホープの今後の活躍に目が離せない。
株式会社水星が運営するホテル HOTEL SHE,OSAKA/KYOTO、香林居では、事業拡大にともない、未来のホテル運営やブランドづくりを支えるホテリエを募集しています。
詳しく話を聞きたいという方にはカジュアル面談も実施しています。