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慣れ親しんだ町を離れ、家族で移住。行き先に下川を選んだワケ

私は今、北海道の小さな町で家族と暮らしています。もともとは、新卒で就職した企業に10年間勤めていました。一人暮らしから始まった生活も、結婚、子どもの誕生とさまざまなライフイベントを経て大きく変わりました。そして2023年、長女の強みをより伸ばせる場所を求め、家族で移住することに。なぜ慣れ親しんだ町を離れ、北海道の小さな町へ移住することに決めたのか。さまざまな偶然の出会いと共に、ご紹介していきます。

目次

  • きっかけは、ちょっとユニークな長女の遊び方
  • 強みを伸ばせる環境を求めて、移住先を探す日々
  • トントン拍子で進んだ移住先の選定
  • 移住して間もなく1年。これからの生活について
  • まとめ

ライター

岩下直人

千葉県船橋市出身。新卒でスポーツ用品メーカーに就職後、研究員として10年間勤務。退職と同時に家族4人で北海道下川町へ移住。役場職員として勤務していたが、子供と過ごす時間を増やしたいとの思いから再び退職し、HELP YOUにジョイン。現在はフリーランスとして活動中。

きっかけは、ちょっとユニークな長女の遊び方

生まれてから大学まで千葉県船橋市で過ごした私は、就職とともに兵庫県神戸市へ。そこで初めての一人暮らしを経験し、ライフステージの変化を経ながら10年間暮らしてきました。

そして2023年3月、それまで築いてきた生活をいったんリセットし、北海道下川町という人口3,000人(※1)ほどの小さな町へ移住しました。今は初めての雪国・北国に翻弄されながらも、豊かな暮らしの実現を目指して日々奮闘しています。

※1:2024年3月現在(参考:下川町役場HP「町の人口・世帯数」閲覧日:2024年3月7日)

間もなく5歳を迎える長女

我が家の長女は少しユニークです。急に何の話かと思われるかもしれませんが、ここが移住のキーポイントになりました。同じ年頃の子と比べると、趣味や遊び方に特徴があり、頭の中で色々と想像を巡らす発展性のある遊びを好みます。ざっくりいってしまえば、いわゆる定番の「おもちゃ」を使った遊びは長続きせず飽きてしまうような一面があります。

想像を膨らませ、空想上の物語の中でさまざまな遊びを展開することがとても好きで、物語の中では一人何役も担当します。話によっては、ナレーションまでも担当。毎回違ったオリジナルストーリーを展開していくので、使うモノもそれに対応させる必要が出てきます。そのため、粘土、ブロック、レールなど、自由に形を変えることができるおもちゃを好んで遊んでいます。

他にも、公園へ行ったときには、あまり遊具を使いません。落ちていた葉っぱや木の皮を拾い集めたり、切り株をオーブンに見立てて料理をしたり、作った料理を長椅子に並べたり…。

そんな長女の特徴をたくさん見てきて、もっとこの良さ・強みを伸ばしてあげることはできないか?と思うようになりました。

強みを伸ばせる環境を求めて、移住先を探す日々

これまでも、その都度夫婦で話し合いを重ね、その時々に合った理想の暮らしを実現するため、大体1〜2年周期で転居を繰り返してきました。

長女の様子を見て、次の転居を考え始めたのは、結婚してから3軒目の家にいた時のことです。

ですがその頃は、妻のおなかの中に2人目の子どもが宿っていたため、出産し落ち着くまでは転居先探しを控えていました。

その後、無事次女が誕生し、家族4人での生活をスタート。そして、次女が生後1か月を過ぎ、妻の床上げも済んだあたりから、本格的に次の転居先を探すようになりました。

お試し移住先で偶然出会った「SMOUT」

今振り返ると、この時は精力的にさまざまな場所を訪れていたと思います。兵庫県内はもちろん、和歌山県など県外にも足を運び、ヒントになりそうなものは何でもつかみに行きました。

そしてある時、神戸市内の農村地区でお試し移住に参加しました。地域で行われている体験に参加しながら数日間滞在し、実際に移住した時のイメージを膨らませていくというものでした。

お試し移住といっても、普段の生活と違うリズムで過ごしており、家事などがない分時間が生まれます。そんな時、軽い気持ちで移住についてweb検索したところ、移住スカウトサービス「SMOUT(スマウト)」というものを偶然発見しました。

さっそくプロフィールを登録し、町を探してみました。しかし、星の数ほどある全国の町から、自分たちに合った場所をどうやって探せば良いか分からず、人気ランキングを見てみることに。

すると、見知らぬ市町村が数多く並ぶ中、2位に位置している北海道下川町に目が留まりました。

私自身、雪国での本格的な生活の経験はありませんでしたが、北海道=広い大地で暮らすことに対しての憧れがありました。そして何より、自然豊かな環境は、葉っぱや切り株から自在に遊びを生み出す長女の強みを伸ばすのにもってこいなのではないかと感じました。

トントン拍子で進んだ移住先の選定

これも何かの縁だと思い、オンラインでの移住相談を経て下川町へ。その時は8月上旬でしたが、神戸とは比べ物にならない涼しさに驚きました。公園でもやけどの心配をせずに子どもたちを遊ばせることができますし、町中なのに広い公園と大自然が広がっていることに感激しました。歩いて行ける所に、町民誰でも気軽に入れる森があるんです。

もちろん、暮らすとなると現実的な部分も確認しておく必要があります。買い物はどこでするのか、病院はどれだけ充実しているのか、など。隣町も含めて、じっくり見て回りました。

そのうえで、ここならば長女も好きなことで伸び伸び遊べるし、何より家族で豊かな暮らしができるのではないかという考えに至りました。そして偶然にも、町役場の正職員募集も出ており、仕事にも困らないという安心感が背中を押してくれました。

その後無事に役場職員の内定を頂き、勤務先の退職やお世話になった方々への挨拶を済ませ、ついに引っ越しの日を迎えました。もうここへ戻ってくることは無いかと思うと、感慨深い気持ちになったことを覚えています。

総距離1,900kmにもなるカーフェリーの片道切符。家族で24時間近く船の上で過ごした経験は、忘れられません。

到着した小樽港は、春が近付き雪が解け始めているものの、まだまだ冬景色。そこからさらに5時間かけて下川町へ移動しました。数日間は宿泊施設に滞在しながら、生活に必要なもの(特にストーブ!ないと本当に生活できないくらい寒い)を準備し、私たちと同じく1,900kmの大移動を終えた荷物を受け取って新生活がスタートしました。

移住して間もなく1年。これからの生活について

そして、間もなく下川に来て1年が経とうとしています。この1年は、変化ばかりで常に対応に追われていました。生活環境が変わったこと、職場・仕事内容が変わったこと、長女がこども園に通い始めて生活リズムが変わったこと、など挙げればキリがないくらい。

何か一つ慣れた頃に、次の新しいことが出てきて…の繰り返しでした。夏は外気温36度まで上昇し、エアコンのない部屋で過ごす過酷さを味わいました。冬は一転して朝晩の気温が-25度を下回り、ストーブを焚いても暖まらない部屋に北海道の厳しさを感じました。

それでも、移住の目的としていた子育て環境については、満足しています。

自然環境、近隣の方々との関係性、休日や余暇の過ごし方など、神戸にいた頃と比較してさまざまなものが変わりました。私自身、趣味で一眼レフカメラでの写真撮影を10年以上続けていますが、この町はちょっとした場所でも絵になる風景が多く、興味をそそられます。そこはさすがの北海道かなと。広い大地に囲まれて、心も少し広くなったような気がしています。

また、この町は自分のやりたいことを実現している方が多く、それも移住の決め手の一つになりました。やろうと思えば何でもできそうな環境、それを応援してくれる住民の皆さんがいます。

この記事を書いている2月、周りはまだまだ雪景色です。春になり雪が解けたら、まずは自宅の広い庭を使って家庭菜園にチャレンジしてみたいと考えています。あらかじめ、昨年のうちに土づくりはしておきました。暖かくなるのが今から楽しみです。

最後に、実は役場職員を辞め、現在はフリーランスとして活動しており、オンラインアウトソーシング(※2)「HELP YOU」でのフルリモートワークも開始しました。このあたりの話は長くなるので、別の記事で改めてご紹介できたらと思います。

※2:オンラインアウトソーシングとは在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス

まとめ

振り返ってみると、決断して移住するまでは怒涛の1年でした。もっとじっくり決めることもできましたが、長女が幼稚園へ上がる前に決めておきたかったという理由もあり、短時間での判断となりました。

慣れ親しんだ環境・習慣を変えていくのは負荷も大きく、難しい側面もあります。何かを変えるときは、今あるものを捨てる方ばかりに気持ちが向きがちですが、その一方で新しい出会いや得られるものもたくさんあります。この記事を通して、少しでも自らの決断に自信を持てる方が増えたら嬉しいです。

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