Google Workspace の導入・利活用支援で豊富な実績を持つストリートスマート。新たな挑戦として始動したのが、デザインツール「Canva」の法人向け事業です。海外発のコンシューマー向けツールを日本の企業市場に広げていく―。そこには、ゼロからマニュアルを作成し、企業ニーズに合わせた価値を言語化していく大変さと、新規事業ならではの疾走感がありました。
今回は、Canva事業を推進する山内 千史と川岸 亜加里に、事業立ち上げの舞台裏から今後の展望まで詳しく語ってもらいました。
なお記事の執筆には、株式会社ストーリーテラーズさんにご協力いただきました。
Canva事業を推進する2人
——まずは自己紹介と業務内容の説明をお願いします。
山内:2015年に入社し、社歴は今年で10年目です。入社当初は、クライアント様への常駐、Google Workspace (当時はGoogle AppsTM)の無料セミナー登壇、お問い合わせをいただいたお客様への営業活動などを行っていました。
その後、エンタープライズ領域に加え、エデュケーション事業部の立ち上げに参画。Google Workspace for Education を教育現場で活用していただくためのトレーニングやコンテンツ制作に携わり、現在はCanvaの日本国内の法人展開を担当しています。
Canva事業では、販売促進、導入企業の問い合わせ対応、Canvaの機能検証・フィードバック収集、そして販促資料・操作マニュアル・動画の作成などを行っています。最近ではエンジニアメンバーとも連携し、導入前の検証サポートや技術的課題への対応にも取り組んでいます。
川岸:私は2025年1月に入社し、社歴は約半年です。Canvaプロジェクトとエデュケーション事業部に所属し、Google Workspace for Education の研修対応やCanvaの導入支援、イベント対応などを行っています。イベント対応で出張することも多く、生の声を聞けることが貴重な学びになっています。
Google Workspace 支援の経験を活かすCanva事業推進![]()
——ストスマでCanva事業を開始した経緯を教えてください。
山内:Canvaはこれまで、日本では一般コンシューマー向けのサービスとして展開されていました。法人向けに展開されはじめたのは、わずか1年程前です。
ストリートスマートは Google Workspace の導入・活用支援をメイン事業としてきました。ただ、特定のテクノロジーにこだわるわけではなく、「テクノロジーと人をつなげる」というミッションに合うものであれば積極的に取り入れる姿勢の会社です。そうした中で、Canvaは当社のミッションと親和性が高かったため、新たな商材としてCanvaの魅力を広めていきたいと考えました。
Google Workspace についても、当社が取り扱い始めた頃は、企業導入がまだ一般的ではありませんでした。そんな Google Workspace の価値を企業に伝え、導入を支援してきた経験が、今のCanva事業を推進していく中でとても役立っています。Canvaがその企業にとってどのような価値をもたらすのか、ニーズに合わせて分かりやすく伝えるノウハウは、Google Workspace での経験があるからこそだと感じています。
川岸:入社して間もない私から見て、Canva事業を推し進める当社メンバーの動きの速さや対応力には日々驚かされています。それはやはり、Google Workspace 事業での豊富な経験があるからこそだと思います。「これはどう対応しようか?」といった提案に対し、すぐに「前に似たような案件があったから、参考にしてすぐ取り掛かろう」と対応できる。その機動力は大きな強みだと思います。
私は前職で別のSaaS製品に関わっていましたが、ストリートスマートのスピード感、そしてCanva事業の勢いが相まって、一層疾走感があり、自分の成長にもつながっていると感じています。
手探りでゼロから作り上げているCanva事業![]()
——日本で法人向けにCanvaを展開するにあたって、どんな苦労や困難がありましたか。
山内:Canva事業が立ち上がるまで、ツールの名前は知っていましたが、私は使ったことがありませんでした。なので、まずはCanvaの機能や使い方を自分自身がしっかり理解することから始めました。
しかし、取引先の企業様に対して、Canvaの機能をご紹介し、トレーニングさせていただく機会がすぐに決まったんです。そこで、私は徹底的にCanvaの全ての機能に触れ、どんな機能なのか、企業がCanvaを使うメリットは何なのかを整理しました。
特に壁となったのは、一般コンシューマーではなく企業に展開していく際に、企業のどのような業務プロセスに役立ち、企業のどのような課題を解決するものなのか、言語化してまとめる作業。
元々海外製品であるCanvaは日本語版のマニュアルがなかったので、日本語版のマニュアルと動画を作成しました。長い動画だとなかなか見ていただけないので、2分程度の動画を機能別に約35本作成しました。こうしたコンテンツの作成は、Google Workspace での経験が活かされた部分ですね。
また、基本的にはCanvaの日本法人と連携していますが、オーストラリア本社など海外のメンバーに対して、我々の活動実績を報告する機会が急に設定されることがあるんです。これまで3回ほど、セールスやエデュケーションの分野のトップの方が日本にいらっしゃり、報告する場がありました。その際は、日本語で報告内容をまとめ、英訳するという作業を数日で仕上げる必要があり、苦労しました。
最近の課題としては、少しずつチームメンバーが増えてきて、運用フローを整備しなければならないことです。チームの内部的な業務整理と、新規事業として社外向けに発信・活動することの両方を同時に進めなければならないという状況です。Canva事業をさらに拡大するために、しっかりと整理しなくてはならないですね。
川岸:私は入社直後からCanva事業の中心メンバーとして動いてきましたが、最初は「とにかく早く一人前にならなくては」という気持ちが強かったです。ウェビナーへの登壇やお客様への導入支援など、自分でインプットをしながら実践していく中で、プレッシャーもありますが、成長の機会にもなっています。
さらなるCanva導入拡大へ![]()
——まだ走り出したばかりのCanva事業。今後さらなる拡大に向けて、どのような取り組みを行いたいですか。
川岸:今後はCanvaの公式アンバサダーである「キャンバサダー(Canvassador)」にも挑戦したいです。法人向けの事業者でキャンバサダーとして活動しているケースはまだ少ないので、先駆けとして認定を受け「キャンバサダーのいるストリートスマートだ!」と認知されるようになりたいですね。また、SNSでCanvaの使い方やTipsの発信を強化したり、ユーザーとのコラボレーション企画もやっていきたいです。
山内:現在はCanvaのビジネス領域での展開を中心に進めていますが、それをさらに拡大させるとともに、教育現場への支援にも力を入れていきたいです。特に「Canva for Districts(キャンバ フォー ディストリクト)」という教育委員会向けのサービスを、日本全国に広げていきたい。先生が個人でCanvaを使用するだけでなく、組織として導入されるような支援をしていければと考えています。
昨今GIGAスクール構想が推進されたことで、学校では生徒一人1台端末の環境が整ってきました。Google には ChromebookTM というハードウェア商材がありますが、Canvaにはありません。ソフトウェアとして、学習との親和性から学校現場を中心に広がってきた経緯があります。そのため、現場での具体的な活用事例を集約・整理して、公式に広く発信・周知していくことが今後の導入拡大においても重要だと考えています。
Canvaはどのデバイスでも活用することができますし、複数人で同時に作業できる機能を活かして、子ども同士が共同で使用し、自らが考え、表現できるツールとしても活用できます。情報を収集・整理し、それを他者に伝える表現力が求められる今の教育において、Canvaは種類豊富なテンプレートを活用しながら「伝える力」を養えるツールだと思います。
正解のない挑戦が楽しめるストスマ![]()
——最後にストリートスマートの魅力、そして一緒に働きたい方の人物像を教えてください。
川岸:面接の際に、ストスマの事業の全体像を丁寧に説明してもらっていたおかげで、入社前後のギャップは特にありませんでした。ただ、入社後に感じたのは「一人ひとりが高いプロ意識を持ち、向き合う姿勢がある」ということ。
また、大阪と東京と遠隔でメンバーが働いている分、Slackなどでの細かなやりとりも活発です。そして、メンバー一人ひとりに向き合ってくれて、困っているときは色んな方がフォローしてくれる体制があるのもストリートスマートの魅力です。
山内:私が入社した当時から、ストリートスマートは「主体性」を大切にする会社でした。自ら考え、動き、判断し、周囲と協力する。そのために必要な情報や環境は会社として用意する。それがストリートスマートらしさだと思います。
Canva事業に関しては、新規事業特有の課題として、「正解がない」という点があります。整備されたマニュアルがあり、答えがわかっている状態で動けるという環境ではありません。「これをやるべきかな」「こうした方がいいかな」ということを主体的に判断しながら進めなければなりません。正解がない中でベストを探りながら、チーム全員で協力して形作ることが大事になってきます。
一緒に働きたい人物像としては、疾走感のある環境を楽しめる方、自発的に動ける方、リモート環境でも積極的にコミュニケーションが取れる方。そして、最後まで自分ごととして責任を持って取り組める方が活躍できると思います。
川岸:ストリートスマートには、正解がない中でのトライアンドエラーを許してくれる環境があります。新しいことにチャレンジするのは、経営面でも現場でも勇気がいること。その勇気を会社が示してくれ、背中を押してくれるのがストリートスマートの魅力です。
当社はそうした環境や価値観に魅力を感じ、共感できる人にとっては、とても働きやすくやりがいを感じられる職場だと思います。ぜひ一緒に、Canvaの魅力を全国の企業に伝えていきましょう!
※ Googel Workspace、Google Apps、Chromebook は、Google LLC の商標です。
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[執筆・校正]株式会社ストーリーテラーズ 平澤 歩
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