「体験型マーケティングに学び、出会う1日。」
8月29日、虎ノ門ヒルズにて「体験型マーケティング」をテーマに行われたカンファレンス、BACKSTAGE。多くの参加者が集う中で、ストリートスマート代表の松林が「実践!1000人規模のプライベートカンファレンスの仕掛け方」というセッションで、ゲストスピーカーとして登壇しました。今回はそのセッションの模様をお届けします。
働き方を考える「at Will Work」の大規模カンファレンスや、テクノロジーと企業経営の未来を考えるカンファレンス「SPiC」の運営を手掛ける松林が、運営に必要な心構えや、成功の秘訣をお話しております。ぜひご覧ください!
BACKSTAGE 公式サイト
実践!1000人規模のプライベートカンファレンスの仕掛け方 詳細ページ
https://backstage.tours/sessions/private-conference/
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ゲストスピーカー:
松林 大輔
一般社団法人at Will Work 代表理事
株式会社ストリートスマート 代表取締役
店舗チェーン本部取締役を経て、2009年に株式会社ストリートスマートを設立。G Suite(旧GoogleApps)の導入支援・トレーニング事業をスタートし、2000社を超える企業を支援する。Google社から世界イベントでの表彰を含む”4度”の受賞歴を持ち、日本唯一のGoogle(G Suite)認定トレーニングパートナー。
2016年、働き方を選択できる社会づくりを目指して一般社団法人at Will Workを設立。企業のワークスタイル変革を支援する活動を積極的に展開している。
酒居 潤平
株式会社FORCAS(ユーザベースグループ)
マーケティング&ブランディング マネージャー
新卒で三菱東京UFJ銀行に入行後、2011年に独立しWebコンサルティング及びEC事業を行う。2016年よりSanSan株式会社に入社。マーケティング部にてプライベートカンファレンスの企画運営責任者を務める。
2017年11月よりユーザベースの新規事業として創業した株式会社FORCASへ参画。マーケティング&インサイドセールス部門を立ち上げ、現在はマーケティング&ブランディング部門の責任者を務める。年間100本のイベントを企画運営するとともに、2018年に立ち上げた動画メディア『マーケミニッツ!』の編集長を兼任。2019年、国内SaaS業界最大規模のカンファレンス『SaaSway』のオーガナイザーを務める。
モデレータ:
日比谷 尚武
株式会社カンファレンスファクトリー
取締役 コネクタ
学生時代より、フリーランスとしてWebサイト構築・ストリーミングイベント等の企画運営に携わる。2003年、株式会社KBMJに入社し、取締役。
2009年より、Sansan株式会社に参画し、マーケティング&広報機能の立ち上げに従事。並行して、PR Table創業、日本パブリックリレーション協会広報委員 副委員長など。
2016年12月に独立。現在は、Sansanのコネクタ/Eightエバンジェリストとして社外への情報発信を務める他、一般社団法人at Will Work理事、渋谷をつなげる30人プロジェクト コネクタ、一般社団法人Public Meets Innovation理事、スタートアップへのアドバイス&出資、ロックバーshhGarage運営等、各種活動を並行して行う。
業界の認知拡大を狙って大規模なカンファレンスを開催。その結果、自社のブランディングにも。
日比谷:では、どんなイベントやってこられたかを踏まえ、自己紹介をお願いします。
松林:松林と申します。at Will Workという、働き方を考える一般社団法人の代表理事をやっています。車業界の店舗支援事業を行うベンチャーで役員をやっていたのですが、ちょうど10年前に事業会社であるストリートスマートを創業し、現在は2000社を超える企業のクラウドツールの導入支援をしています。
テクノロジーの本質は、「時間と場所の制約を外す」ことだと考えておりまして、それを用いた働き方変革の支援を事業として展開しています。その中で、働き方の研究をするために社内機関を立ち上げるなども行なっています。しかし、社内だけでなく外部のいい事例を発信したり、テクノロジーの活用だけでなく文化醸成や制度設計などもう少し広い視点で働き方の変革の支援をしていきたいと考え、2016年にat Will Workを立ち上げました。日比谷さんにも理事をやってもらっています。
そのat Will Workで、毎年大規模なカンファレンスを行なっています。働き方の事例を発信したり、色んな登壇者の方とディスカッションしたりといった内容です。2017年に、ここ虎ノ門ヒルズで第一回を開催し、その後毎年開催しています。経済産業省大臣(当時)の世耕 弘成さんや、森ビル副社長の森浩生さんにも登壇いただいています。
虎ノ門ヒルズではSaaSのカンファレンスである「SPiC」など、他のイベントも主催しているので、計7回カンファレンスを実施したことがあります。
日比谷:松林さんは登壇するの初めてですよね?いつも表に出るのは他のメンバーに任されているので、今日は貴重な機会だと思います。ぜひ裏側の話を聞かせてくださいね。
続いて酒居さん、自己紹介をお願いします。
酒居:FORCASの酒居(さかい)です、よろしくお願いします。
FORCASは、企業・業界情報のプラットフォームであるSPEEDA・ 経済メディアNewsPicksを提供するUZABASEが母体の会社です。
新規事業として開始したのが、BtoBのマーケティングプラットフォーム FORCASで、2年前に分社化しました。僕はマーケティング&ブランディングマネージャーで、イベント企画等のオフラインマーケティング活動に携わっています。
僕がカンファレンスに携わるようになったのは、前職でクラウド名刺管理の会社Sansan (その時に日比谷さんにお世話になったのですが)に所属していた際に、SIP(SanSan I nnovation Project)というイベントを開催したのがきっかけでした。
FORCASでは、昨年はメンバーとともに年間で100本くらいイベントを実施しました。30〜50名規模のものを週1・2回、100〜300人規模のものを月2・3回といった感じです。
そして、今年の7月24日には、SaaSwayというカンファレンスを開催しました。
SaaSという業界は現在注目を集めており、SaaS Shiftの狼煙をあげることで、業界をさらに盛り上げていきたいという想いで実施したところ、1300名の来場者にご来場いただくことができました。
この業界で1000名超のイベントは初めてでしたし、参加費1万円という有償イベントでしたので、実施するのはチャレンジングなことでした。結果として多くの方にご参加いただき、特にインタラクティブ性を大切に世界観をつくった結果、盛況となったのはとてもありがたかったです。
日比谷:ありがとうございます。では、僕も自己紹介させていただきたいと思います。
今はフリーランスでさまざまなプロジェクトに携わっています。クラウド名刺サービスのSansan では、立ち上げ時からマーケティングや広報を担当していました。その時から社内外でイベント企画や運営をしたり、at Will Workなど、いくつかの社団法人にも関わっています。主にPRやマーケティングが得意領域です。at Will Workでは、主に広報や登壇者への声かけなどを担当しています。
企業と「個」の未来を重ねる、PR支援サービス「PR Table」が昨年虎ノ門ヒルズにて「PR3.0」というイベントを開催したのですが、その企画の相談にも乗りました。このイベントは、PR Tableが「Public Relationsをアップデートする」ために実施したものです。
PR業界の新しいスタイルを提唱する構成で、業界の有名な方や面白い企画を仕掛けている方にご登壇いただき、セッションを行いました。1300名の方にご来場いただきました。
このように、業界全体の認知拡大や理解促進を狙ってイベントを実施し、それが自社のブランディングにもつながるという事例も増えているように思います。
カンファレンスは、ビジョンを共有できる場。受注効果を期待し企画するのは危険。
カンファレンスの開催にあたり、お二人に相談をする方も多いと思います。どのような相談が来ているのでしょうか?
酒居:主にスタートアップやベンチャーの方々から相談をいただいていますね。
松林:僕も、SaaS系のベンチャーから相談されることが多いです。また、社団法人や業界団体を立ち上げたいという相談も来ます。
日比谷:そもそも、なぜそのようなイベントを実施しようと考えたのですか?ひと昔前は、大型会場を借りて1000人規模で・・というのは、コストも高いし事例もなく、やりにくかったのではと思うのですが。
酒居:理由は色々あるのですが、1番は「カンファレンスは、ビジョンを共有できる場である」ということがすごく大きいですね。僕はいつも、マーケティング戦略を地上戦と空中戦で分けて考えます。地上戦、つまり短期的な目標数字を達成したい場合や、見込み顧客のリードをとる場合、Web広告やセミナー、展示会など短期的に成果が出る施策の方が効率が良いと思います。しかし、空中戦、いわゆる長期的なマーケティング戦略において、時間をかけてマーケットをつくっていきたい、その中でブランディングを高めていきたいという場合、それだけでは実現できません。
スタートアップはビジョン・ミッションを大事にしています。その世界観を伝えたり、体感してもらうことができるカンファレンスは、相性がいいと思います。
松林:そうですね。カンファレンスは、情報やメッセージを伝える場としては非常に効率的です。最近はこういったスタイルのイベントも増え、興味のあるセッションを聞くのが当たり前になってきました。聞く側も、そういう情報を得やすい場になっているのではと思います。
日比谷:ありがとうございます。会場の方に、どんな話を聞きたいかのアンケートを取っています。一番聞きたいのは「費用対効果」だそうです。お話いただけますでしょうか?
酒居:SaaSwayで言うと、利益は出ていません。持ち出し予算を考えると650万程度の赤字です。
日比谷:それは当初の予定通りですか?
酒居:はい、計画通りです。むしろ計画より少しコストを抑えられました。受注成果を考えると、マーケティング効果として最終的にはプラスになると思います。カンファレンス単独の収支だとマイナスですけどね。
日比谷:受注が見込めるからそれを見越して、カンファレンスを開催できたんですね。
酒居:実はそれは逆なんです。短期的な受注効果は、あくまでサブメリットとして位置付けています。僕たちがカンファレンスを開催したのは2つ理由がありまして、ひとつは、SaaSというモデルが大好きで業界盛り上げたいというパッションから。もうひとつは、短期的な収益ではなく、市場を広げたり潜在ニーズを掘り起こすという目的からです。
FORCASは今SaaSベンダー企業さんとのつながりが多く、リーディングカンパニーにはすでに多くご利用いただいているんです。ですので、いかに顕在ニーズを刈り取るかではなく、潜在ニーズを掘り起こすことを重要視していました。それにより自ずと、FORCASというサービスを使う企業さんが増えてもらえるのではないかと。ですので、シンプルに業界の活性化に注力すれば、自分達に返ってくるはずだという考え方をしています。逆に言うと、カンファレンスを短期的なマーケティング施策として考えて、リード顧客や受注効果を期待し企画するのは危険だと思います。
日比谷:それは、企画が雑になったりするから?
酒居:ケースに寄ると思いますが。カンファレンスは労力やコストがかかるので、短期的なリード獲得ならイベントやセミナーの方が費用対効果は圧倒的に高いと思います。一方カンファレンスは、長期的なマーケティング戦略におけるブランディングの向上やビジョンの共有にマッチすると考えています。
日比谷:松林さんはどうですか?at Will Workは非営利だし、松林さんの会社(ストリートスマート)にお客さんを引っ張ってるわけでもないですよね。
松林:はい。うちも、持ち出しで運営しています。本業(ストリートスマート)では、企業の業務改善の支援やクラウドツールの導入研修を行なっているので、お客様獲得につながればとも思いましたが、正直全くつながらなかったです(笑)
ではなぜやるのかというと、「働き方を変えていきたい」「いい事例を自分たちも研究したい」「それを世の中にシェアしたい」という想いがあるためです。想いに合わせて実現させ、それに無理やり収支を合わせにいっている感じです。
カンファレンスのコストは毎年約3000万程度でして、1年目は1400万のマイナスでした。2・3年目になると知名度が上がったりするので帳尻があってきて、今はプラスマイナスゼロくらいです。
イベントの面白さと、スポンサーの意向を両立させるため、あえて不協和音を。
日比谷:松林さんはat Will Workで、営業やスポンサー対応をやられていますよね。売上の構成について教えてください。
松林:カンファレンスの収益は、大きく分けてスポンサー協賛とチケット収入の2種類です。チケットは有料にしています。割合で言うとスポンサー協賛の方が大きいです。
at Will Workのスポンサーは大手企業が多いんです。人材系の大手企業も協賛してくださっていますし、来年は大手不動産企業様の協賛も決まっています。スポンサーいただく理由としては、働き方改革に取り組んでいたり、その関連事業を行われているため、理念に共感してくださるというのが大きいかと思います。
日比谷:酒居さんはどうでしょうか?
酒居:割合としては、松林さんと同じくスポンサーからの協賛の方が大きかったです。収益全体のうち、スポンサー収益が8割強、・チケット収益が2割弱です。僕たちも、チケットは有償で実施しました。早期割引(3割引)と、スポンサーや運営に招待枠を2・3割用意しましたが、他は正規価格です。
松林:うちも一緒です。3割くらいが無料招待枠でした。at Will Workはチケット代が15,000円と高額でしたが、多くの方にご購入いただきました。
日比谷:ありがとうございます。売上はスポンサーメインで、それをチケットが支えるという構成ですね。
次の質問ですが、スポンサーに協賛いただく場合、スポンサーセッションを用意されることが多いと思いますが、他のコンテンツとの両立の難しさはありましたか?
松林:はい、ありました。スポンサーは1社じゃないため、複数社の要望を聞くとずれてくるんです。また、カンファレンスの目的とスポンサーのメリットがずれてくることも多いです。そこの対話は非常に重要です。
日比谷:もちろんスポンサーは自社のアピールがしたいですもんね。明確なニーズがあり、言いたいこと・やりたいことがあってカンファレンスを利用する訳で。その折衷をするためにどんな工夫をしましたか?
酒居:SaaSwayを実施する上での工夫は2つありました。ひとつは、カンファレンスのテーマ・コンセプトの共有を徹底的に行うこと。スポンサー企業への提案時、リードや受注効果の話をメインにするのではなく、「なぜ実施するのか」といった背景や目的、「この日本にSaaSの波を広げたい」という想い、そしてなぜ御社に協力してほしいのかを明確に伝えるよう意識しました。
もうひとつは、セッションの企画は、運営側も一緒につくらせてもらうこと。テーマやコンテンツの内容は僕たちも関わって一緒に決めています。
自社サービスを伝えたいのは、どの企業もそうだと思うのですが、(話し方にもよりますが)その話だけだと一方的なアピールになってしまいかねません。自分たちが話したいことと、参加者が聴きたいことが違うという場面が生じると思うんです。
お客さんの熱量をあげていくためには、どう伝えるかが大切。スポンサー企業はさまざまなノウハウや有益な情報をお持ちなので、そのうちのどれをチョイスして、どう伝えていくかを僕たちが提案させていただきました。事前に、「御社のここが素晴らしいから、こういう話をしてほしい」といったことも伝えています。
日比谷:CMみたいに枠があって、その中で自由にやってもらうというスタイルではなく、あくまでもこちらに編集権があることを伝えておくということでしょうか?
酒居:そうですね。一緒につくっていきます、企画はともに考えさせてくださいと最初から伝えていました。もちろん、その分集客には徹底的にコミットしました。前提として大切なことは、参加者にとって良いコンテンツをつくることだと思っています。
松林:SPiCというカンファレンスは、スポンサーが喋る機会をほとんど作りませんでした。その代わり、ユーザーに出てもらい生の声を話してもらうという企画を行ないました。本当のリアルな話を聞けないと参加者は満足しない。いいことも悪いことも伝えるのが重要で、そのためにユーザーの生々しい声が必要だと。イベントとしてすごく面白くなるよう工夫しました。
リードがメインの目的じゃなくて、業界が盛り上がったり、PR的な効果を出すこと。そういった前提をスポンサーに丁寧に説明することが重要だと考え、かなり気をつけていましたね。
スポンサーに提案に行くときは、各社今やっていることやPRしたいことを調べ、それを我々のカンファレンスでどうマッチングさせるかまで事前に準備し提案していました。
日比谷:地道に、時間をかけていたんですね。
松林:そこまでやっている人なかなかいないと思います。しかし、自分達の想いだけ伝えてそれに乗っかってもらうのも違うし、スポンサーの伝えたいこと伝えても面白くなるかは分からない。スポンサーのニーズと、参加者の満足度を両立させるために、話し合いにはかなり時間を使っています。
酒居:僕も同じで、サービス紹介や自社が話したいことだけを話すと、予定調和な感じになってしまうと感じています。そうではなく、不協和音感がほしいな、と。
松林:at Will Workでは、働き方や労働時間削減といったひとつのテーマに対し、賛成の人と反対の人を組み合わせた対談を行うことがあります。運営は大変なんです。どの方向に議論が行くか分からないし。事前打ち合わせも意見が違うから、まとまって終わるというより伝え合って終わるというか・・でも聞く側は面白いんですよね。働くということは、学校の勉強と違って答えがないもの。意見がぶつかるのは、ある意味当たり前で。どっちの考えにも妥当な理由がある。こういう対談は、予定調和にならないです。ただし、事前にNGワードや、気をつけるポイントだけはしっかりおさえるようにしています。
酒居:対談などの企画は、一社ごとに意見を聞いて、運営側で調整して伝えていくのですか?それとも全体で話していますか?
松林:ケースバイケースですね。大きい企業さんは担当者も多いので、1社ずつ打ち合わせをしています。ベンチャーなら複数社で行うことも多いです。
日比谷:事前の打ち合わせで顔合わせしたり、ベンチャーだとカジュアルにFBグループをつくって資料共有したり、メッセージのやりとりをしたりしますよね。どうしても事前に時間を合わせるのが難しい場合は、当日打ち合わせを行なったりしています。
酒居:事業上は競合でも、人自体はいいひとですよね。だから、しゃべったら楽しく盛り上がることが多いです。
松林:本当にそうです。
テクニカルな集客より先に、自分たちの想いと世の中の流れがマッチしたコンセプト設計を。
日比谷:残り時間が少なくなってきました。最後にひとつ、集客に関しても、アンケートで聞きたいという声が多かったのですが、どうやって行なっていますか?
松林:オンラインの広告使わないようにしています。それだと、軽い興味の方が来やすいなと思っていまして。
そうではなく、登壇者の方にSNSで投稿やシェアをしてもらうようにしています。また、運営側もコンテンツや登壇者の情報を投稿し、それを関係者にシェアしてもらって知り合いやその先の方を集客するようにしています。
酒居:うちも一緒です。知り合いや社内の紹介が多いです。マーケティング予算がない中でも、SNSは効果的でした。オーガニックでFacebookや twitterから申し込んでくれる方が多かったです。
一方で、その方法だけだと業界が異なる等、全くつながりがなかった新規の方はなかなかいらっしゃいません。僕たちのカンファレンスの目的は、業界を知っていただくこと、市場を広げることなので、新しい人に来てほしいという思いがあり、FB広告などからの集客は力を入れました。
日比谷:SNSの場合、元々SaaS系の仕事をしているなど、潜在的に興味のある方にリーチしやすいですよね。
PR3.0というイベントは集客が特徴的だったので、お話したいのですが、カンファレンスの半年前から月に2・3回PRの勉強会などを行なっていました。毎回30名程度が集まり、テクニカルなものから有名な方が話すセミナー形式のものなど、コンテンツを工夫しました。そのイベントに参加した方に、もっと詳しく知りたい方はこちら という形でカンファレンスに誘導しました。つまり、長い期間をかけて丁寧に見込み客集めをしていたということです。すると、ぜひ参加したいという形で来てくれるんです。
最後にもうひとつ、質問です。カンファレンスのテーマ・コンセプトはどのように決めましたか?
酒居:伝えたいという想いと、業界の火種が起こり始めているタイミング。この2つがマッチしたから、SaaSというテーマで行いました。
日比谷:このテーマで人が集められるという肌感はありました?
松林:もちろんありました。それは大事です。伝えたいだけで、世の中的に求められてないならやりません。僕たちは、「働き方改革」というワードが出る前からやっていました。その後に世の中でそのワードが乗ってきて、大きく集客につながりました。世の中の流れと、自分達の打ち出したいことが連動しているということは非常に重要です。
酒居:誤解されやすいのが、トレンドに乗ればいいという話とは違うんです。こういうものがバズっている、キーワードが来てるから流れに乗ろうとするケースがありますが、あくまでも先に自分たちの伝えたいことがあり、その後にこういう世の中の流れがあるからマッチングしそう、という順序が大切です。
日比谷:テクニカルな集客も大事だけど、それより先に、テーマやコンセプトの設計が重要かもしれないですね。
酒居:はい。自分たちの目標設定や何のためにやるのか、は本当に重要だと考えています。
日比谷:今日はたくさんのお話を聞くことができました。裏話やリアルな数字までお話いただき、どうもありがとうございました!
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本セッションは大好評のため、続編の開催が決定しました!ただいま申込受付中。
【続編!1000人規模のプライベートカンファレンスの仕掛け方】
今まで大企業や業界団体、官公庁が開催していたようなカンファレンスを、ベンチャーや小規模なNPO、社団法人が開催するケースが増えている。しかも、それなりの完成度、規模で、熱狂を生んでいるように見える。これは、、イベントマーケティングのファスト化カジュアル化なのか?マーケティング手法の多様化なのか?
SaaSwayカンファレンス他、イベントマーケティングに注力しているユーザベースグループにてイベント企画を牽引する酒居さん、at Will WorkやSPICなどを主催する松林さんをゲストにお迎えし、同じくat Will Workや各種イベントを手がける日比谷がモデレータとしてお話を伺います。
「どのような狙いで開催し、どのような工夫をし、どのような結果につながっているのか?」、、生々しいお話を当事者から引き出しますよ。BACKSTAGEに来れなかった皆様も大歓迎です!
日時 2019/10/23(水) 19:00~21:30
会場 虎ノ門ヒルズフォーラム 4FホールB
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