東大発スタートアップの若手CEOってどんなんよ?
こんにちは!株式会社Spark+(以下、「Spark+」)採用広報の吉田です!
いきなりですが、「AI・DX業界きってのスタートアップの代表を務める若手起業家」というとどんなイメージが浮かびますか?
雲の上の話過ぎて、あまりピンとこない方も多いのではないでしょうか。
もしくは、「無駄に上から目線で物言いをしてくる、若いながらも敏腕で冷徹無比なエリート」みたいなイメージもありますかね?(私だけでしょうか?)
今回はそんなイメージも持たれがち(?)な、AIを基軸に製造業のDX化を推進する東大発スタートアップ「Spark+」の若きCEO・本田純平(以下、本田)の人柄と彼の想いや目指す未来に迫るインタビューを敢行します!
「AI分野に興味がある」「AIで日本を、世界を変えたい!」「東大発のスタートアップってどんな感じ?」という方には(もちろんそれ以外の方にも)、おすすめの記事です!
ちょっと長いですが、あなたの知らない世界をきっと覗けるはずです!
エリート街道まっしぐら・・・ではなく、挫折の連続を味わった中学・高校時代
――― まずは自己紹介をお願いします。
本田: “AIで産業課題解決に挑む”Spark+ CEOの本田です。
東大に入る前、高校は長野県にある国際学校(ISAK)に通っていました。そこは奨学金を貰いながら世界84ヵ国から生徒が集まる環境で、経営者や起業家100名によって出資・設立された学校なんです。
出資者には、オムロンの立石会長、マクニカの神山会長、楽天の島田さんなど錚々(そうそう)たるメンバーがおり、日本トップレベルの実業家が身近にいる環境でした。
彼らは目を輝かせて「一度きりの人生。思いっきりポテンシャルを発揮して、世界を変えていこう」と言って仕事をしていて、とてもカッコいいと感じました。
身近に経営者がいる環境だったので、自然と「自分で価値を作って社会に返す」という考え方に憧れました。
それで、進学を考えたときに海外の大学の進路もありましたが、高校時代、日本人のスポンサーの奨学金で学べていたので母国に恩返ししたいということで東大を選びました。
――― エリート街道まっしぐら、のように聞こえますが、実はその前の中学時代に挫折を味わったらしいですね?
本田:はい(笑)この話、東大で話しても1ミクロンも共感されないのですが(笑)
中学の時に、「学校での勉強って必要なのかな?」と思ってしまい不登校になっていた時期がありました。
我ながら、子供のくせして調子にのってるやつだなと思うのですが、高校に入って日本を代表する経営者の方々に出会えたことで、人生が変わりました。
――― ある意味思春期らしく悩みも味わっていて安心しました!
悩みのベクトルが凡人と違う気もするけど(笑)
本田:あとは挫折と言えるか分からないのですが、高校時代の友人との思い出が自分の中で大きいです。
高校はいわゆるインターナショナルスクールなのですが、入学当初、私は海外での生活経験も無いので自己紹介すらできず、友達どころか日常会話もできない毎日でした。
でもあるとき、数学をしていたら金髪ロン毛のイケメンドイツ人が急に複雑な数式を見せてきて。何を言っていたのかは理解できなかったんですけど、どうやらこの問題を解いてみろとのことでした。
簡単に解いてみせたら彼はすごく驚いて。その時、「I'm so proud of you!!(すげーな!)」と何度も言ってくれて。英語がよく分からない私でもこれだけは聞き取れて。ようやく誰かと通じ合えた気がしました。
それから彼と仲良くなって、何時間も数学的な議論をしたり、おはようの代わりに「この積分は三角関数に置換して解けば・・・」という会話を交わした時もありました(笑)
結局、英語では会話できなかったんですけど、数学では会話ができたんです。
後から友達の一人に、君たちは 「Math psychopath (数学サイコパス)」だったね、と言われたんですけど、当時はそんなことお構いなしに彼との数学対話に没頭してました。
――― 共通言語が数学って、マンガみたいですね・・・!?
本田:英語が全然だめだったので数学には非常に助けられました(笑)
一緒に問題を解くのがいつも楽しみで、まさに初めての親友だったかもしれません。
ですが、彼と出会って1年ほど、母国ドイツで彼が亡くなったことを知りました。
遠い地のことなので、詳しいことは分からないのですが、ずっと調子が悪そうなのは知っていました。ただ、英語が話せなかったのでどう声をかけてもいいのか分からず、詳細を聞くこともできなくて、悔しい想いに溢れていました。
――― 高校時代に「友との永遠の別れ」を経験していたんですね。
本田:彼が亡くなった当時、友人として何もしてあげられなかった自分のことが本当に不甲斐ないと思っていたのですが、それから1年経って考えが変わりました。
議論した紙の上の数式に彼との思い出も刻まれているなと気づいて、数学をするたびに彼のことや彼との間で感じたワクワクがまだ生きていると思えるようになりました。
現実世界の彼はいなくなってしまったけど、数式の中に永遠に彼はいるんだなと思うようになりました。
だから、彼との友情も永遠だと思ってます。
「日本の未来を変える」AIによる製造業DXに取り組む理由
――― 話は変わりますが、東大ではどんなことに取り組んできましたか?
本田:松尾教授が顧問を務める松尾研究所でAI技術の社会実装に触れてきました。
中でも印象的だったのが、群馬県の工場を回るフィールドワークですね。 2週間にわたって毎日3社以上訪問して、現場の課題を聞きながらその場でソリューションを提案していく。
ちょうど、共同創業者のひとりである秋元と一緒にタッグを組んで、私が営業し、秋元がソフトウェア開発を行うという感じで。超ハードな日々でしたが、そこで製造業への興味が強まりました。本来は無償でやるという感じだったんですが、おもいがけず対価まで頂けることになりました。
実際に自分たちが作ったアプリケーションが現場で受け入れられ、対価までいただけた経験は大きかったです。今は「AIを基軸とした産業DX推進」というのが一番分かりやすい弊社の事業ですが、その直接の創業のきっかけはそこにあったと思います。
※株式会社松尾研究所
――― 東大の松尾教授と言えば、日本のAI研究の第一人者というイメージです。PIVOTとかビジネスメディアなどでよく登壇されてますよね。
本田:はい。松尾先生は「東大のAIの権化」だと思ってます(笑)
・・・冗談は置いておいて、今でこそAIは一般的で注目の的になっていますが、松尾先生はAIが一般に認知されるよりも以前から研究を進められていて、本当にすごい研究者だと思ってます。
ちなみに今後、松尾先生が技術顧問として直接弊社に関わってもらえることになってます。
――― AI×ビジネスって今はどんどん増えてますよね。AIでDXというのは分かるのですが、中でも製造業に注目した理由は?
本田: まず、製造業は日本において最大規模の産業(400兆円市場)ということ※。
例えば、1%改善するだけで4兆円分のインパクトがあることになる。
そして2040年には、労働人口が1,100万人不足すると予測されています。 モノづくりの現場は、単純な人手不足が致命傷になる。
だからこそ、人が減る中でも稼働できるようにする技術──その一つがAIだと思いました。
製造業×AIというテーマには、社会的意義もビジネスチャンスも両方あると感じたんです。
無論、ChatGPTの台頭により、どんな業界でも共通する分野では、ある程度汎用的で便利なツールは出てきています。
ですが、製造業ではいわゆる特殊帳票(※)が多く、すり合わせが必要だったり特定分野における専門性が重視されるので、まだ即効薬といえる汎用的なソフトウェアはありません。
そこにある種、革命を起こすことで製造業、ひいては日本の未来を変えることができるのではないかと思っています。
もちろん、もともと製造業に興味があって、だからこそ最初のきっかけである群馬県のフィールドワークにつながったというのもあります。
※出典:https://www.google.com/url?q=https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seizo_sangyo/pdf/016_04_00.pdf&sa=D&source=docs&ust=1745910428045480&usg=AOvVaw0wGOLfPzvwMFkEf47qS-Na
※特殊帳票:普通の定型フォーマットではない、複雑な帳票類。手書きや印刷、図表が混ざったもの、品質検査表など。
――― それでは改めてSpark+の事業内容について教えてください。
本田:おもに製造業の企業向けに、業務を圧倒的に効率化・変革するAIソリューションを開発・提供しています。
クライアントの規模としては三菱重工(社員数:連結77,778名(2024年9月30日時点))といったいわゆる、エンタープライズ企業(※)から、社員数1,000名、2,000名の中堅製造業など多岐にわたります。
ただ、規模に関わらず共通しているのは日本を長らく支えてきた、世界に誇る製造業のクライアントだということです。日本の未来を変えたいという想いもあるので、日本のクライアント中心にお仕事を頂いていますが、実は世界からもお話しを頂いている段階です。
大きく分けると、個別の課題に対応するソリューション開発と、汎用的なパッケージ開発の2軸です。
例えば、紙の検査記録から情報を抽出するOCR(※)と、その後の自動分類・最適処置提案までを一貫してサポートするAIシステムなどを提供しています。
ただ、最近ではライフネット生命、シンガポールのDyna.Aiと協業し、保険募集分野への適用を目指した共同プロジェクトを開始するなど製造業以外のお客様との取り組みも出てきているような状況です(※)。
※参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000139489.html
※参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000139489.html
※OCR:Optical Character Recognition(光学文字認識)、紙や画像に書かれた文字を、デジタルのテキストデータに変換する技術
――― 他社との違いや、競合優位性は?
本田: 大手メーカーと比較しても、うちのAIソリューションは製造業特化の特殊帳票データに対して高い精度を出せています。
例えば、図面や複雑な表を含むデータを読み込み、95%以上の精度で分類・提案ができる仕組みを実現している点は他社にはない強みです。
さらに、東大発の共同研究チームによる知見も活かして、単なる汎用AIではなく、製造現場に本当に適したAIを作っています。
ひとことで言うと「特殊なデータも読み取って、提案もする精度の高いAIシステム」をつくる会社です。
東大発スタートアップというとアカデミックな雰囲気があると思いますが、大手自動車部品メーカーと共同研究してきて生産技術の理解が深いメンバーがいたり、実際の案件として大手から中堅製造業と一緒に進めているのであくまでも、机上の空論ではなく「現場で磨かれた技術力」が弊社の優位性となっていると思います。
――― 最近注力しているプロジェクトは?
本田: 特に品質保証領域でのAI導入に力を入れています。
品質保証において、異常の分類や判断、原因の究明や対策を自動化するプロジェクトです。
これまで人間のオペレーターが数百人規模で1日何百件も処理していた異常対応を、一瞬で行い、ほぼ自動化する取り組みです。
現状、ある工場ではAI導入によって、1件あたり数時間かかっていた作業をほぼ瞬時に処理できるようになりました。
このスキームを全国に展開すれば、日本全体の製造業に数千億単位のインパクトを与えられると考えています。
――― 今後取り組みたい新領域は?
本田: 熟練者でないとできなかった「原因分析・改善提案」までAIができるようにしていきたいです。
過去の品質保証記録を読み込み、異常原因の推定や再発防止策を提案する──そんなAIを実現したい。
最終的には、AIロボティクスによって完全自動化されたスマート工場を作りたいと考えています。
AI基軸の企業だからこそ、逆に“人間らしさ”のある人が活躍する。
――― では、Spark+の仕事環境や雰囲気について教えてください。どんなメンバーが活躍してますか?
本田: 一言で言うと「実直でストイックだけど、人間味がある」。
仕事は静かに集中して、成果にコミットする。 でも、ちょっとしたイベントや飲み会では本当にリラックスして盛り上がる。
ちなみに月一回の締め会では、お酒も出ます。もちろん未成年は飲めません(笑)
飲みを強要することもしません。というか私が嫌です(笑)
そういうオンオフの切り替えがしっかりしてるチームです。
――― どんな人に来てほしいですか?
本田: やりきる力がある人。
最初から完璧じゃなくていいんです。 できないことでも、まずは「どうやったらできるか」を考えて、最後までやりきれる人。
そういう人が一番成長するし、うちみたいな創業期ベンチャーでは絶対に強いです。
とにかく、弊社は仕事も技術力もありますが、ありがたいことに案件を多く頂いていて、人手が足りません!
――― 募集中の職種についても教えてください。
本田:
とにかく結果を出せば、キャリアアップやキャリアを広げることができます!以下の職種をメインで募集してます。
■エンジニア/プロジェクトマネージャー
技術が好きなだけじゃなく、「技術を社会に価値変換する」ことに興味がある人が向いています。
PM(プロジェクトマネージャー)ポジションも強化中で、入社数ヶ月でリーダーを任されるチャンスもあります。
技術を触ってきた+ビジネスの価値転換につなげられるような人は特に活躍ができると思います。
■営業(フィールドセールス)
今は若手とハイシニアの二極構成なので、中堅層を募集しています。 IT営業経験が2〜3年あって、さらにAI領域に挑戦したい人、大歓迎です。
AIの会社だからといって、常にスマートな営業スタイルではなく、時に泥臭く、根気のいる作業もあります。ブラックな体育会系の感じではなく、粘り強さが大事だと思います。
今はとにかくバリバリ案件を取ってきてくれる人を募集してます。学生インターンの営業もいますし、逆に超経験のあるマネージャーもいるのでお互いに学びがあると思います。
――― ではそれに対してSpark+が提供できる魅力とは?
本田:とにかく「結果を出す人は評価される」会社です。
また、AIというこれから日本の、世界の中心となる分野に早めに入っておくと、その先の未来で皆さんのキャリアも成長性が見込めると思います。
特に、弊社の場合は「AI研究の会社」という側面もありつつ、「AIを実際の現場に実装する」という点において、進んでいる部分は大きいと思います。
AI研究が進み、社会に浸透してくる中で、現場での活用を先んじて進められているのでAIについて詳しくても詳しくなくても新しい学びや成長はできる環境だと思います。
ちなみにエンジニアなど基本リモートの人が多いので、今は小さいオフィスですが、どんどん人が増えているので実は直近で東大正門前の綺麗なもっと大きいオフィスに移ることが決まってます!
1年で3回移転していて、おそらくまたこの1年も移転することになるかもしれない荷物は最小限にしてますが・・・。
だからなのか、単にできて1年ちょっとの会社だからか分かりませんが、歴史の長い製造業と密接にかかわりながらも柔軟性があるので、一緒に会社を創っていく楽しさもあると思います。
――― 最後に、未来の仲間へメッセージを!
本田: Spark+は、ただのスタートアップではありません。
製造業という超巨大市場にAIをかけあわせ、まだ誰も成し遂げていないモデルを作ろうとしています。
世界へ、そして未来へ、一緒に挑戦していける仲間を待っています!
一緒に日本を、製造業を救いたいという方、ぜひ応募をお待ちしております!
■Spark+では一緒に働いてもらえる仲間を探しています!
この記事を読んで少しでも話を聞いてみたいという方は下記からご応募ください!
エンジニア:https://www.wantedly.com/projects/2062782
プロジェクトマネージャー:https://www.wantedly.com/projects/2068113
エンジニア(インターン):https://www.wantedly.com/projects/2068122
セールス(フィールドセールス):https://www.wantedly.com/projects/2068114