初回の取り組みとして、国連防災緊急対応衛星情報プラットフォーム(United Nations Platform for Space‒based Information for Disaster Management and Emergency Response: UN‒SPIDER)との連携を図っていきます。UN-SPIDERは、災害管理および緊急対応のための国連宇宙情報プラットフォームとして、開発途上国の災害対策や早期警報、即時対応、復興を含む災害管理サイクルのすべての段階で、あらゆる種類の宇宙情報の利活用を支援しています。
また、9月22日から23日の2日間、米ニューヨークの国連本部で開催された国連未来サミット(Summit of the Future)にて、当社の紹介と共に、当社が開発するトンガ王国のデジタルツイン映像が紹介されました。国連未来サミットは、2020 年の国連創設 75 周年記念宣言を起源とし、国連が 100 周年を迎える 2045 年に向けて、世界が直面している重大な課題に対する協力強化と、SDGs の次のグローバル・アジェンダを議論する一大イベントとして開催されたもので、各国首脳、関係政府機関が出席しました。日本からは岸田文雄首相も出席し演説されました。
国連未来サミットで発表されたスペースデータ社 トンガ王国デジタルツイン
その他、下記の国連宇宙部の取り組みとも連携、協業を予定しています。
■Early Warnings for Allイニシアティブ
国際連合は現在、COP27にて提唱した「すべての人に早期警報システムを」イニシアティブ(Early Warnings for All:EW4All)の達成のため、全世界における早期警戒システム構築の実現に向け、様々な機関との連携及び資金供与を動員しています。5年間で31億ドルを投資して、災害リスクに関する知識と管理、観測と予測、警報の普及と伝達、準備と対応能力を強化することに重点が置かれ、とくに対象となる国は45か国の後発開発途上国(LDCs)とし、災害対応に必要となる基盤データやシナリオの整備を進めています。
■Access To Space For Allイニシアティブ
国連宇宙部では現在、「すべての人に宇宙へのアクセスを」イニシアティブ(Access To Space For All)を提唱し、国連関係機関や既存の宇宙関係者、新興宇宙関係機関、非宇宙関係機関の協力により、世界中の人びとやコミュニティが、宇宙産業にアクセスできる個人の能力を構築するとともに、宇宙技術と関連するアプリケーションの活用を推進し、その恩恵を受けることを可能するための国際的な連携や取り組みを行なっています。超重力/微小重力、宇宙探査、衛星開発などのテーマを掲げ、調査や研究、設計、実装、検証、運用などに関わる共同研究や企画運営も行っており、2015年より国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」日本実験棟からの超小型衛星放出の機会提供に関する長期フェローシッププログラムを実施しています。
国際連合宇宙部について
国際連合宇宙部(United Nations Office for Outer Space Affairs、以下国連宇宙部)は、宇宙を専門とする唯一の国連機関として、宇宙利用を通した持続可能な開発を加速し、各国の優先課題に対処すべく、宇宙データおよび情報へのアクセス提供による各国の能力開発や、宇宙関連技術を利用した国連活動を調整しています。宇宙空間の平和利用に関する国際協力の推進を行う国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)の事務局として新たな宇宙政策を策定するための国連加盟国間の国際協力を促進するほか、グローバル衛星航法システムに関する国際委員会(ICG)や宇宙空間活動に関する機関間会合の事務局も務めています。現在、世界102か国及び宇宙機関と連携しており、宇宙活動がもたらす恩恵を世界中の人々が受けられるよう、開発途上国への支援等も幅広く行っています。