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OpsDev(SRE)メンバーが語る。僕がソラコムを選んだ理由

こんにちは。ソラコムのasako(平)です。
今回は、OpsDevエンジニアのメンバーに「なぜソラコムを選んだのか」という話に始まりソラコムの企業風土やどんな理想に向かって走っているのかを聞いてきました。

株式会社ソラコム
ソフトウェアエンジニア
酒井 憲吾 kengo

OpsDev=SRE

ー今の担当ポジションはどんな役割なのですか?
今は OpsDev エンジニアというロールで働いています。いまでは SRE(Site Reliability Engineering)という呼び名で認知されつつありますが、ソラコムでは SRE が有名になる前から信頼性を高めるためのエンジニアリングを行うロールを OpsDev エンジニアと呼んでいて、現在も OpsDevという名を使っています。主には監視システムやデプロイシステムの開発やセルラーのコアネットワークの運用・保守を行っています。OpsDev エンジニアに専任する前は SORACOM Krypton(以下 Krypton)というサービスの開発をしていました。

ーソラコムにはどういう経緯で入社したのですか?
ソラコムがローンチした時のニュースを見て衝撃を受けたんですよね。当時僕は前職の Web 系の企業でインフラエンジニアをしていて、OpenStack を使ったプライベートクラウドの構築、運用を担当していました。また前々職では移動体通信向けのソフトウェア開発をしていて、WiMAX のパケット交換機の実装経験がありました。ローンチ時の記事には、パケット交換機をクラウド上に実装したとあって、自分の今までのキャリア、スキルがホントにピッタリはまるだろうなと思っていました。また、こちらのニュースも読んで、少人数で短期間でガッツリ作った、とあってそういったベンチャー感が楽しそうだなと思いましたし、開発したエンジニアが運用もするため運用しやすいシステムを作っているという点にも共感したことを覚えています。
その後前職のプロジェクトが落ち着いたタイミングで転職活動を開始したんですが、当時はまだ一般に社員を募集していなかったんです。でもどうしても興味があったんで、ダメ元で知人に CTO の kenta(安川) を紹介してもらいました。最初はテストプロジェクトとしてちょっとしたツールを開発してその後いくつかの面接を経て正式採用していただいたという経緯になります。

ソラコムに決めた3つの理由

ー最終的にソラコムに入社しようと思ったポイントはどこだったんですか?
僕が当時大切にしていたポイントは 「何を誰と何のためにやるか」 ということですね。
はじめに「何をやるか」、つまり業務内容です。テクニカルな面で言えば、先ほど言ったように今までのキャリアを活かして事業に貢献することができるだろうと思いましたし、以前からソフトウェアでネットワーキングすることに興味があったのでそこがズバッと刺さりました。また、それまで業務で英語を使った経験がほとんどなかったのでグローバル展開しているのは英語力を高める良い機会かなとも思いましたし、ベンチャー企業なら開発や運用以外の業務もあるだろうからキャリアの幅が広がりそうだなとも思いました。

次に「誰とやるか」ですね。 何をやるかと同時に誰と働くかもすごく大事だと考えていて、その意味でいうとリーダーシップステートメントにとても共感したんですね。その中でも僕が好きなのは Likeability や Emotionally Mature です。
システムの運用の仕事というのは高い当事者意識が求められるストレスのたまる仕事だと思うんです。例えば自分が見逃した問題のせいでシステムが止まってしまうこともありうるわけですから強い責任感が必要となりますし、オンコール時の障害対応などはストレスがかかる仕事だと思います。そういった仕事をチームでしていくわけですから、他のメンバに対する思いやりやユーモアを忘れないことは働き続ける上ですごい大切なことだと思うんですよね。面接の過程でも社員の方が実際にこれらの価値観を非常に大事にしていると感じましたし、楽しく働けるんじゃないかと感じました。

最後に「何のためにやるか」です。 これについては「世界中のヒトとモノをつなげ共鳴する社会へ」というソラコムのビジョンが刺さりました。これは通信技術をもっと使いやすく誰でも使えるようにすること、つまり「テクノロジーの民主化」を推進することで、多くの開発者や企業から様々な IoT プロダクトやサービスが出てイノベーションが次々に起きていく、そんな世界を作っていきたい、という思いを表しているんですが、これが自分の経験とリンクしたんですね。
というのも、僕は就職するまでプログラミングの経験がなくて、就職後に学びました。もちろん仕事を通じて勉強させていただいたのもあるんですが、それ以上にインターネットとオープンソースの影響が大きかったと思っています。PC さえあれば自由にオープンソースなソフトウェアを使ったり、ソースコードを読んで勉強したり、自分の好きなソフトウェアを自由に作って公開して他の人に使ってもらえるチャンスがある、そんな世界が素晴らしいなと思っていました。そのおかげで IPA の未踏プロジェクトにもチャレンジできましたしね。そんな世界を IoT という分野においても作ろうというソラコムのビジョンにすごく共感したので入社を決めました。

ー就職後にプログラミングを学んでそれで未踏にたどり着いたんですね!?自分がものにしたチャンスを今度は違うチャンスに変えて提供していく・・熱いですね!普段の冷静な kengo の姿からは想像できない熱さです。
伝わりましたか、この熱さが(笑)黒いディスプレイに向かってペシペシキーボード叩いてるだけじゃないんですよ(キリッ

雨の日や暑い日には堂々とWork From Home

ー実際に入社してみてどうでしたか?
そうですね、全般的にすごく満足してます。特にリモートワークが公に認められているので、毎日電車の遅延のニュースを注視したり、「10時にビルに入ってはいたんです」とか「ビルが視界に入ってはいました」等という言い訳を考えるために朝から 120% 頭を回転することなく、雨の日や暑い日には堂々と天気を理由に WFH(Work From Home)できます。上級者になると WFC(Work From Cafe)、WFB(Work From Beach)などというメンバーもいます。電話会議があるのにうっかり WFC すると、優雅な音楽が流れてしまうのは要注意ですが、僕も週に1、2日程度は家で仕事をしてますね。午前は家で仕事をして昼休みに出社するということもできるので満員電車にはしばらく乗ってません。
給与の面でも会社がすごいスピードで成長していることもあり(大きな声じゃ言えませんが前職より上がったので)特に不満はありません。また福利厚生の面でも KDDI の子会社なこともあって不自由に思うことはないです。

あと、入社前に予想していた通り周りの人が異常に優秀なので、いい意味で自分も頑張らないとなという気持ちになります。ソラコムは海外マーケットにも非常に力を入れており、今後英語を使う機会がより増えていきそうなので実は猛勉強中で、良く Netflix や Amazon prime video などで字幕付きの映画や海外ドラマを見ます。最近は「Game of Thrones」を見てるんですがビジネスで利用不可なセリフが多く全然英語の勉強になりませんね(笑)。「ヴァラーモルグリス」や「ドラカリス」というセリフだけは覚えてるんですがもはや英語じゃないし日常生活で使う場面もありません(笑)。

心理的距離を近づけるニックネーム文化

ー入社してからこれはいいなぁと思ったことはありますか?
ニックネーム文化でしょうか。最初は呼ばれ慣れなくて kengo と呼ばれると呼び捨てにされた感じでドキっとしてたんですが、ken(CEOの玉川)に相手が外国人だと思えば良いよ、と言われて妙に納得して。ニックネームで呼ぶのは最初の一回がとても大事ですね。最初に照れてニックネーム+さんづけするともうだめですね。最初に asako って呼んだときには心臓がドキドキしたけど一回言った後はなんだか大人の階段登った気がしましたね。同じチームの ash も平然と呼んでいるので昔からそうだったのかと聞いたら「自分も最初はとってもドキドキしながら呼んでたわ」と言ってました。
みんな多少は無理しているんですが、ニックネームで呼び合っていると心理的距離が近くなったような感じがして意見を言いやすい文化の形成に役に立ってると思いますね。一方で弊害?もあって、社外の方との打ち合わせ時に同僚の名字が思い出せずに、会話に詰まって気まずい雰囲気になることがあります(笑)

もう一点、リーダーシップステートメントをすごく大事にしているところでしょうか。どの会社でも信条や社是のようなものはあると思うんですが、形式的なものになりがちだと思います。ソラコムでは四半期に一度の QBR(Quoater Based Review) でリーダーシップステートメントを体現した社員を褒め称える時間があるんですが、社員のみんながこの価値観を日頃から大事にしているということを実感できる時間です。

ーkengo はよくDive Deep(本質、理を理解するため、直感のみに頼らず、データを元に検証する)賞をもらってますよね
そうですね、僕はトラブルシューティング時にサーバのログや通信ログを見ていると違和感を感じる特殊能力を持ってまして(笑)、結構な確率で問題の核心をついたりするんで Dive Deep 賞何回か頂いています。ただよくよく考えてみると違和感を感じるだけなんで直感に頼ってるっぽいですね。次回からは辞退すべきかも(笑)

クラウド x テレコムシステムの運用

ー普段の仕事は具体的にどんなことをやっているんですか?
メイン業務は監視システムや運用ツールの開発、運用とセルラーのコアネットワークの運用ですね。
具体的には監視システムには Zabbix を利用しています。豊富なアラートと今では監視ツールでは当たり前になった EC2 や CloudWatch 連携の資産があること、そして対象ホストにインストールした agent で任意のコマンド実行できることを利用して、ほとんどの単一障害を自動で治せるので重宝してますね。 構成管理ツールには OpsDev チームメンバが Linux の運用管理をバックグランドにもっているためワンライナー自慢や、言ってもやっぱりSSHしたい人に抵抗なく利用できる Ansible を使っています。他には AWS CloudFormation, AWS Lambda, AWS Step Functions などのAWS サービスを使って各種処理を自動化しています。
コアネットワークのトラブルシューティング時にはアプリケーションのパッチを書くこともありますし、稀に Linux カーネルのソースコードを読んでデバッグするなんてこともします。監視系の開発は主に Python で行い、問題解析する場合の対象は主に C, Node.js, Go あたりですね。

ー高い信頼性が求められるテレコム系のシステムを運用するのは大変そうなイメージなんですが、実際どうですか?
ここここ でも紹介されてる通り、ソラコムでは開発チームがサービスの開発と運用に責任を持つことになっているので、OpsDevエンジニアに負荷が集中するということはないですね。とはいえOpsDevエンジニアは現在二人しかいないので絶賛募集中ではあります。
ソラコムは簡単に言うと、テレコムの技術とWeb技術を融合させてサービス提供しています。テレコム系のプロトコルの仕様は 3GPP という標準化プロジェクトで決められており、その仕様を理解する必要はある一方で、アーキテクチャは Web 系の影響を大いに受けているので、可用性への厳しい要求はあるものの、Web 系のシステムを運用するのとそれほど大きくは変わらないと思っています。

ーやりがいを感じるのはどんな時ですか?
やはり実際に自分の関わっているサービスを使っているお客様と話せる機会は嬉しいですね。特に僕は Krypton の開発をしていたんで、Krypton 使ったことある方は是非僕に話しかけてください!

(写真:SORACOM Technology Camp 2018のブースにて)

また、SORACOM UGなどで エンジニアの方がソラコムのプロダクトで遊んでいただいてるのを見るのはテクノロジーの民主化が進んでいるのを実感できて嬉しいですね。僕らが想像していなかった使い方をされることもあって IoT の可能性を感じますよね。また先日レストランで食事してたら隣の席の人が外国人を口説くのにポケトークを使ってたんですが(注:ポケトークの中ではソラコムのSIMが使われています)、ソラコムが人々の日常生活に着実に浸透しているんだなと思いとても嬉しかったです。

あとは、システムが安定して動いているところを見るのも単純に好きですね。これはなかなか共感を得られないかもしれませんが(笑)。エンジニアだとプログラムを書いて動く時が楽しくて運用は好きじゃない人も多いと思います。僕ももちろんプログラムをゴリゴリ書くのも好きなんですが、そのプログラムが動き続けるようにスケールする仕組みを作ったり、監視システムを作ったり、あるいはトラブルシューティングしてバグを潰したりする、いわゆる守りの仕事が好きなんです。
OpsDev のチケットはギリシャ神話のあらゆる邪悪を払う盾、Aigis(アイギス)に語源をもつ Aegis(イージス)と呼んでるんですが、僕は Aegis チケットを積んでこなすのが好きなんですよ。その結果、システムが安定稼働してる姿を見ると幸せを感じます。負荷試験をしていた時に「僕としてはもっとみんなにお仕置きしてもらいたいんですよ。」と発言して、いろいろと誤解されたなんてこともありました(笑)

理想の組織のヒントは○×隊にあり

ー確かに普通に聞くと危険な感じがします(笑)
OpsDev の仕事は問題を起こさないのでなかなか理解されにくいんですよ。例えばセルラーのコアネットワークについては単一障害時にはユーザが知覚できないぐらい素早く自動で Failover できるようになっています。これはコンポーネントの切り分け方や冗長のもたせ方、DynamoDB を使った HA システムなどクラウドを活用しての耐障害性向上の仕組みがいくつも施されているため実現できているんです。

ー何かあった時に華々しく活躍するというよりも、それを起こさないためのうまい仕組みをいかに作るかというスタイルなんですね。ある意味守護神的なチャレンジとも言えそうですね。
そういう意味では中村憲剛選手というよりは昨日引退された楢崎 正剛選手に通じるところがあります。システムを堅牢にして行くのがチャレンジでありやりがいです。僕たちはここを一生懸命やって行くわけですけど、さっきも触れた通りサービスを作るエンジニアも同じ意識を持ってやっており、同じ方向を向いて一緒に走っている感覚を持てるのはすごく幸せなことですね。ソラコムでは開発リソースの15%は Aegis チケットに取り組むルールになっているんです。

ー今後チームをどのようにしていきたいですか?
僕の好きなフレーズの一つに「我々の間には、チームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。有るとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ」というものがありまして、これは僕らの世代の人には言わずもがなかもしれないんですが、「攻殻機動隊 S.A.C.」というアニメで出てくる有名なフレーズです。実はCTOの安川が理想の組織像としてこの言葉を引用したのを聞いてすごく共感したものなんですが、安川が言っていたのは「自分自身がやるべきことを、ビジョンに照らし合わせながら意識的に動いていくリーダーたちがいて、それぞれが独立しているにも関わらず、全体としては複合体としてやるべきことを成していく」姿が理想的、ということなんです。華麗なスタンドプレーができるメンバーが集まって最強のチームが生まれる理想は今後も追っていきたいですね。

ー未踏、守護神、攻殻機動隊、いろいろキーワードが出て来ましたけど、合わせるとすごく強いチームになりそうな予感がします。
そうですね、そんな最強チームでありたいですね。ソフトウェアとクラウドでネットワークを柔軟にすることに希望を感じる方、とにかく運用を自動化したい方、パケットの気持ちがわかる方などなど絶賛募集中です!

ーこれからもますます楽しみです。ありがとうございました!

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