1
/
5

アジケ×ソニックムーブ座談会:「リードするって、どういうこと?」——現場で奮闘するプロジェクトリーダーたちのリアルな声【前編】~役割・不安・成功体験まで、6人の“等身大の歩み”に迫る~

UXデザインに強みを持つアジケと、toCサービスの設計や開発を得意とするソニックムーブ。両社は業務提携のもと、デザインとテクノロジーを融合し、より良いユーザー体験を追求しています。

今回はアジケ社にお邪魔し、両社のプロジェクトリーダー6名が「リード人材とは何か」をテーマに語り合う座談会を開催しました。 

前編では、それぞれがどのような役割を担い、どんな経験を積んできたのかを紹介。後編では、共通するスキルや心構えを深掘りします。

これから一歩を踏み出したい方へ、小手先のノウハウではない、等身大のリアルと、一歩前へ進むヒントをお届けします。



今のリーダーたちにも、最初は“不安しかなかった”

まずは、プロジェクトリーダーになったばかりの頃を想いだし、当時の状況や、その際不安に思っていたことを教えてください。

髙木:私がプロジェクトリーダーになったのは昨年。ある案件で責任者が不在となり、他に適任者もおらず「自分がやるしかない」と引き受けました。最初はプレイヤーとの違いもわからず、不安だらけでした。どう動けばいいのか、何をすればいいのかもわからず、牽引する立場なのに一番不安だったと思います。

津川:僕も「リードを任せる」みたいな話はなくて、成り行きでなったというか。ならざるを得なかった状況から、プロジェクトリーダーになったので、髙木さんのお話しは共感する部分がありますねー。当時のご状況を振り返って、ご不安な気持ちや課題をどのように解消していったんですか?

髙木:そうですね、基本的には実践で経験を積んで解消していった形です。まず小さいプロジェクトの中でリーダーを務めることから始めて、そこからだんだん他の新規案件の提案だったり、少し大きいことに挑戦していく中で、「あ、ここが大事な部分なんだな」というところが掴めてきて、それで不安が解消されていった感じです。ただ、リーダーとしてのスキルはまだ道半ばではあるので、今も不安を持ちながらやっています。

津川:不安をなくすんじゃなくて、その都度立ち止まって丁寧に対応している姿勢って、すごく大事だなと思いますね。僕は「自分の専門性でリーダーを務められるのか?」という不安が強くありました。特にインフラやセキュリティといった周辺領域は苦手で、判断に迷う場面も多かったです。だからこそ、専門外のことは詳しい人に素直に聞くようにして、不安を都度解消してきました。普段から相談しやすい関係を築くことも意識していました。小規模な案件を経て少しずつ大きな案件も任されるようになり、自分の専門領域と他者に委ねるべき範囲の線引きが明確になってきたと感じています。

原:私も津川さんと同じく成り行きでなった派です。新規提案で体制や見積もりの相談に乗っていたら、「PM的なポジションに仮で名前を入れちゃってるんですけど大丈夫ですか?」と聞かれ、「大丈夫じゃない?」と答えたことがきっかけでした(笑)。UXから開発まで通しの案件で、全体の進行管理は初めてだったので、経験のある上長に「何に気をつければいいですか?」と聞きながら進めていました。判断一つで全体に影響が出ると思い、「決め」は特に慎重にしていましたね。

成田:そうですね。自分が直接やっていないこと、今までやりながら決めていたことを、見て判断しないといけない。その判断のスピードみたいなのが、最初はちょっと難しかったなと思いましたね。

津川:判断はむずかしいっすよね、ずっと。やっぱり誰かに聞いたり、他のスキルが高いメンバーに頼ったり協力を仰ぐことも大事だなって思ってます。

吉田:常に判断を迫られる瞬間があると思うんですけど、そういう時に津川さんは何を考えているか気になりますね。

津川:シチュエーションによりますけど、例えば技術選定の話なら、やっぱり将来性みたいなところを見極めつつ、「こっちの方がいいけど、こっちの方はこういうメリット・デメリットがあるよね」という話をして、その上で判断するんですよね。そこが結局自分の好みに寄る部分もあると思うんですけど。吉田さんはどうですか?

吉田:そうですね、いちデザイナーの立場だと「見た目」に注目しちゃうんですけど、プロジェクトリーダーの立場で見ると、ビジネス的にどっちのデザインが正解なのか、という軸はあります。デザイン視点とビジネス視点、両方の兼ね合いで、どちらを優先するかっていうのをプロジェクトの中で選んでいますね。

津川:僕も将来性といろんなステークホルダーが絡むポジションなので、どの人がどれぐらいハッピーになれるか、を考えるようになりました。

不安を乗り越えて。リード人材が語る、挑戦し続けたからこそ得られた成功。

皆さんそれぞれに、不安や葛藤を抱えながらも、試行錯誤を重ねて乗り越えてこられたことがよく伝わってきました。では次に、リード人材として実際に携わってきたプロジェクトの中で、特に印象に残っている“成功体験”について伺っていきたいと思います。

吉田:自分にとっては、通信企業の新規事業に9年関わった経験が印象深いです。最初は小規模改修でしたが、クライアントから新事業創出の依頼を受け、UX設計やアイデア出しなど上流工程から伴走しました。自分はディレクター兼PMとして、自社のデザイナー、エンジニアをけん引する役割を担い、チームは拡大し会社最大規模のプロジェクトに成長。その後、その事業は縮小しましたが、新領域に挑戦しながらリードできた貴重な成功と失敗の経験となりました。

成田:仕事の範囲を広げたり小さくしたり、臨機応変に対応されてきた中で、何か挑戦したことはありましたか?

吉田:役割の範囲を決めず、「ここまでやってほしい」と言われたら一緒に取り組むスタンスでした。UIデザインにとどまらず、アイデア出しにも挑戦。知識が足りない時は上長に相談し、アドバイスをもらいながら手探りでお客様と一緒に進めました。自分の領域を狭めずに取り組んだのが大きかったと思います。

成田: 領域を狭めずに、クライアントに並走する形でプロジェクトを推進されてきたんですね。

吉田:そうですね。うちの会社の社風として、お客様に並走して、言われたことにはできるだけ応える、というか期待値を超えていこう、みたいなところがあるので。一方、成田さんはどうですか?たしか、国内だけでなく、海外向けのアプリにおけるデザインを担当したという話も伺った記憶があって。

成田:ある媒体を取り扱うアプリのUI改修から始まりました。クライアントと信頼関係を築く中、国内アプリからWeb・海外向けアプリまで広くお任せいただけるようになったんです。クライアントから「今まで僕が仕事してきた中で、一番優秀なデザイナー陣!」とお言葉をいただいて、大きな自信になりました。

小西:ソニックムーブが入ることでやる範囲を広げていけたというお話、素敵ですね。成田さんご自身では、範囲を広げてお任せいただいた理由は何だと思われますか?

成田:そうですね、さっきの吉田さんの話と少し重なるんですけど、やっぱり求められている以上のものを常に絶対出す、という心掛けかなという気がします。小西さんの成功体験も聞いてみたいですが、エンジニアとして日頃から意識していることってありますか?

小西:そうですね…僕はエンジニアなので、「開発サイクルの短縮」や「こまやかなレビューによる手戻り削減」、「属人化を防ぐドキュメント作成」などを意識しています。特にサイクル短縮はクライアントレビュー含めて早く回すことが目的で、機能単位で開発し、確認を重ねながら進めていく流れを作っていました。準備をしっかりすれば、最終的には全体としてスムーズにリリースでき、プロジェクトも炎上しにくくなります。

成田:開発サイクルを意識した段取りとか、レビューのタイミングの工夫って、現場でやってみないと見えてこないことも多いですよね。炎上しないように“先に手を打っておく”って、リーダーとしての大事な視点ですよね。

メンバーのやる気を育てる「対話」と「信頼」─ 目的共有・役割設計・感謝の言葉

「信頼関係の構築」や「プロジェクトの健全な運営」を目指すための大切な要素が随所にちりばめられていますね。そこでお聞きしたいのですが、チームメンバーのモチベーションを高め、パフォーマンスを引き出すために、どのようなアプローチをされていますか?

髙木:チームのモチベーションを高めるうえで意識しているのは、「どこを目指すのか」を早い段階で共有することです。目線がズレると判断が揺らぎ、不安や迷いも生まれやすくなるので、共通の軸となるビジョンを持てる状態を最初に整えるようにしています。そのうえで、「なぜこの仕事をやるのか」「どう価値に繋がるのか」といった背景も丁寧に伝えることで、意味が腹落ちし、自発的に意見が出る環境ができると感じています。

津川:プロジェクトの「目的」と「ゴール」をチームで言語化し共有することは非常に重要だと思います。管理シートで中長期のビジョンや短期のマイルストーンを整理し、認識のズレを減らしています。また、メンバー一人ひとりに期待する役割を明確に伝え、キャリアやスキルアップにつながることも丁寧に説明することで、チームの目標と個人の成長を両立させ、パフォーマンス向上につなげています。

髙木:メンバーの志向性に合わせて、チャンスや期待値を設定していくんですね。キャリアアドバイザーみたいですね!

津川:せっかく同じチームでやるなら、楽しく仕事ができた方がいいので!

成田:仕事を楽しく進められること、そしてモチベーションが上がる環境を作るために、「感謝の言葉を伝える」ことがすごく大切だなと感じています。やっぱり言葉にして伝えることで、気持ちよく仕事ができるんじゃないかなと。お願いすることも多いので、改めて「すごく良くなった、ありがとう」と伝えて、また次をお願いしよう、と思っています。

髙木:その通りですね。自分も感謝されると素直に嬉しいですし、具体的に褒められると「良かったこと」を振り返って次に活かそうという意識が高まります。こうしたポジティブなフィードバックは、チーム全体のモチベーション向上に本当に効果的だと思います!

「完璧」よりも「対話」―。両社リーダーに学ぶこれからのリードの姿

アジケ社・ソニックムーブ社それぞれでプロジェクトをけん引するリーダーたちの言葉から見えてきたのは、「すべてを完璧にこなす」ではなく、「不安や葛藤を抱えながらも、周囲と対話し、共に進める」姿勢でした。

異なる立場や専門性を持つメンバーと丁寧に向き合い、ときには自分の判断を留め、相手の視点を引き出す。そんな関わり方こそが、両社に共通する“リードのあり方”として浮かび上がってきました。

また、役割を押し付けるのではなく、チームやメンバーの未来と接続しながら期待値を伝えることで、周囲の力を最大限に引き出していく姿勢も印象的でした。

後編では、こうした対話の中から見えてきた“リード人材に共通するスキルや素養”、そして両社が求める『リード人材像』とは何か。その深層をあらためて言葉にしていきます。

If this story triggered your interest, why don't you come and visit us?
ITの力でクライアントの事業成長に貢献するプロジェクトマネージャー募集
株式会社ソニックムーブ's job postings
4 Likes
4 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Like Yuuka Aoki's Story
Let Yuuka Aoki's company know you're interested in their content