SOELUはこれまで、「つづく健康を、あたりまえに。」というビジョンを掲げ事業展開をしてきました。今、運動だけでなく睡眠にも焦点を当てることで、「健康をつづける」ための多角的なアプローチが始まっています。
今回は、SOELUの新規事業、「クジラのうたた寝」について、その立ち上げ経緯や今後の展望をインタビューしました。
【目次】
1.睡眠を整える新習慣!「クジラのうたた寝」って?
2.ライフステージの変化にもよりそう「睡眠」へのアプローチ
3.事業展開が秘める大きな可能性
4.新しいプロダクトが生まれるSOELUの土壌
睡眠を整える新習慣!「クジラのうたた寝」って?
ーそれでは、よろしくお願いいたします!本日はインタビューのお時間をいただきありがとうございます。
本日はよろしくお願いいたします!
ー今回は、新規事業であるリラクゼーションサロン「クジラのうたた寝」のオープンについてお聞かせいただきたいです。まず、新サービス「クジラのうたた寝」がどのようなものか、サービス概要からお話しいただけますでしょうか。
「クジラのうたた寝」は、睡眠を整える新習慣を提案するリラクゼーションサロンです。具体的には、ヘッドスパとよもぎ蒸しを組み合わせた業態となっています。
ー相性が良さそうですが、ありそうでなかった組み合わせですね!なぜその2つを組み合わせているのでしょうか?
ヘッドスパは、直近で需要が伸びており、高いリラクゼーション効果がある施術ですよね。しかし、ヘッドスパ単体では根本的な睡眠改善が難しいという課題がありました。
そこで、温活として深部体温の向上を目指すよもぎ蒸しを組み合わせました。
私自身、よもぎ蒸しを体験してから寝やすくなったという実感があり、気持ちの良い施術と体質改善を組み合わせることで、オンオフの切り替えが難しい現代人にとって、睡眠改善に繋がるサービスを目指して企画しました。
ーなるほど!ヘッドスパと温活を掛け合わせることで、体を芯からほぐして根本的な体質改善へと繋げているのですね。お客様の利用頻度、通い方についてお聞かせください。
SOELUのサービスはサブスクリプション形式のものが多いのですが、「クジラのうたた寝」の料金体系は、単発でのご利用と、回数券でのご利用がメインになっています。
プライシングの構成としては、初回はヘッドスパ30分で4,000円弱。セットメニューを普及させたいという考えから、セットでの割引率を高め、回数券ではさらにお得に利用できるよう設定しています。いずれはサブスク形式も検討していきたいです。
ーなるほど。ありがとうございます。セットにすることでより効果が高まりそうですね。オープン予定の場所はどちらでしょうか?
墨田区の菊川です。錦糸町などの近くにあるエリアです。
1号店を菊川でオープンするブランドは多くはないかと思いますが、これには意図があります。前提として、FC(フランチャイズ)展開を見据えているためです。
「クジラのうたた寝」は、ターミナル駅だけで成立するブランドではなく、生活圏に寄り添い、多店舗展開できるブランドにしたいと考えています。
菊川駅は、確かにターミナル性の高い駅ではありません。しかし商圏分析をしてみると、リラクゼーションサービスへの支出意欲が高い層が一定数いらっしゃったんです。複数の条件を加味した結果、1号店のオープンに最適な場所だと判断しました。
また、メタ広告でのミニマム検証でも良い数字が出たこと、そして良い物件が出たことも決め手となり、菊川を選びました。
ライフステージの変化にもよりそう「睡眠」へのアプローチ
ーこのサービスを新規事業として立ち上げたことと、SOELUのビジョン「つづく健康を、あたりまえに。」は、どのように繋がっているのでしょうか。睡眠領域を選ばれた理由も教えていただきたいです。
SOELUは「つづく健康を、あたりまえに。」という強いビジョンを掲げて活動してきましたが、実際、運動だけで全てを健康に維持するのは難しいんですよね。
私自身、定期的に運動はしていても、子どもができてからは睡眠不足や深夜の覚醒といった課題に直面し、ライフステージの変化によって運動だけでは健康維持が困難になることを痛感しました。
ー確かにそうですよね。
そこで、枕やオンラインコーチングなど様々なアプローチを検討しました。
その中でも、SOELUがの強みである店舗展開のノウハウを活かし、この「睡眠」と「店舗」を掛け合わせた領域で何かできないかということを模索する中で、今回の着想に至りました。睡眠領域自体は2018〜2019年頃から模索していましたが、オンラインでの睡眠改善は意識の高い層にしか広がりませんでした。しかし、店舗展開を始めたことで、この道のりが開けたと感じています。
ー ありがとうございます。この睡眠改善というコンセプト自体、まだ多くないため興味深いのですが、このサービスの競合優位性や差別化ポイントはどこにあるのでしょうか。
ヘッドスパ専門店は増えていますが、「クジラのうたた寝」の強みは主に2点あります。1つ目は、ビジネスモデル上の強み(コスト構造)です。ソエルスタジオとよもぎ蒸しの商材を共有することで、仕入れの部分でメリットを作りやすいと考えています。フィットネススタジオを含む形で展開することで、仕入れの量が変わり、ボリュームメリットが効きやすい点が強みです。
従来のヘッドスパ業界は、セラピストの稼働率や労働集約性が高いことが課題でした。ここによもぎ蒸しを導入することで、施術者がつきっきりにならない時間を作り、生産性を上げられると考えています。これにより、施術者が体を壊すといった問題も減らせる可能性があります。
お客様目線では、「手軽に始められる点」に大きな違いがあります。前述の通り、コスト構造のを改善することで、ヘッドスパとよもぎ蒸しのセットを5,000円以内で提供しています。他にはない価格で提供することで、手軽に睡眠改善に取り組むきっかけを作りたいんです。続ける理由としては施術のクオリティや効果が必要になりますが、「始める理由」の部分で優位性があると考えています。
ー 確かに、最初のきっかけ作りが重要ですよね。リラクゼーション業界はリピート率が高いと聞きます。
そうですね、リピートのチャンスが大きい業界だと考えています。
事業展開が秘める大きな可能性
ー「クジラのうたた寝」について、今後、どのような展開を検討されていますか。
まずは「クジラのうたた寝」店舗単体で成立することを検証しますが、その先では、
ソエルスタジオの大きめの店舗内に、入口を分けて併設する形を検証したいです。
これにより、ソエルスタジオ単体では出せない立地での展開が可能になったり、苦戦している店舗で追加コンテンツとして活用できたりします。よもぎ蒸しの設備は既にソエルスタジオ内にありますので、リソースを共有しやすい形になると思います。
確かに親和性が高く、やりやすいですね。ターゲット層も似ているのでしょうか。
かなり近いとは思いますが、「パッシブ(受動的)」か「アクティブ(能動的)」かという違いがあります。運動はアクティブな行為ですが、リラクゼーションは「疲れたから行こう」「回復しに行く」といったパッシブな意味合いが強くなります。通う人は被っていても、来店時の動機は異なるでしょう。
ー 日によって使い分けられるのは良さそうですね。ちなみに、このサービスは男性も利用可能でしょうか。
はい、男性もご利用いただけます。よもぎ蒸しとヘッドスパのベッドの両方がある個室は、男性も利用可能とする予定です。
ーありがとうございます。次に、メンバーのキャリア選択肢についてお伺いします。新規事業の立ち上げによって、社内で異動や新しい挑戦の機会は生まれているのでしょうか。
はい。本部メンバーでは、既存の店舗開発メンバーの中に、もともとセラピスト経験が15〜20年あり、ヘッドスパの店長経験もあった者が、立ち上げに兼務で参画しています。事業が増え、成長すれば、当然活躍できるポジションも増えます。希望のある方には、積極的に抜擢も行っていきたいと考えています。
ー素晴らしいチャンスですね。ちなみに、ヘッドスパの施術には資格が必要ですか。
未経験でもOKにしています。全身のリラクゼーションと異なり、ヘッドスパとよもぎ蒸しに限定することで、研修期間を短縮(集中的に研修すれば1ヶ月以内)できます。初期は経験者採用を優先していますが、資格は必須ではありません。
ー ありがとうございます。今後の戦略についてですが、1号店は直営だと思いますが、今後はFC展開を基本とするのでしょうか。直営も増やしていく予定ですか。
現時点でFC中心と決めているわけではありませんが、見据えてはいます。参入障壁が極端に高くない事業だからこそ、業態として成功した場合に展開スピードを重視したいと考えています。今の会社のリソースを考えると、FC展開を組み合わせていくのが良いと考えています。オーナーとして、メンバーが独立していくような形も面白いかもしれませんね。
ーありがとうございます。新規事業の活用方法として、他には何かお考えですか。
オーナー様への出店提案の幅を広げるという意味でも有効だと考えています。ソエルスタジオ単体だと初期費用で3,000万円台後半〜約4,000万円かかり、個人での出店ハードルが高いです。もう少しハードルを下げて出店したい方に提案をしやすくする、という意味でも、このサービスラインナップは良い位置づけになると考えています。
新しいプロダクトが生まれるSOELUの土壌
ーここからはもう少しビジョナリーな質問をさせてください。この睡眠領域や健康領域を拡大していくことで、世の中にどのような影響を与え、どう変えていくと想定されていますか。
私自身、睡眠が改善して実感しているのは、睡眠の質が悪いと生活のQOL(Quality of Life)が一気に下がるということです。仕事でもプライベートでもイライラしてしまい、負のスパイラルに入ることがあります。睡眠は暮らしの起点だと強く感じており、ここを大きく改善できる業態を作れれば、「つづく健康を、あたりまえに。」というビジョンに大きく繋がり、これまでアプローチできなかった層にも届けられると考えています。
日本は運動人口が4〜5%と、先進国の中では非常に低い水準にあります。ソエルスタジオは運動の裾野を広げていますが、運動という「アクティブ」な行動に抵抗がある層、つまり「パッシブ」な層の方々にも、より健康に近づいていけるサービスを作りたいという思いがありました。その点で、ビジョンに繋がる良いプロダクトになり得ると考えています。
ー確かに、併設などで同じ会社が多様なサービスを提供することで、「普段運動できていたけど、これもやってみよう」という方や、逆に「ヘッドスパに来たら、こんな安く運動もできるんだ」と気づく方など、様々なきっかけが生まれますよね。
はい、シナジー(相乗効果)が作れると考えています。例えば、サブスクプランを作り、オンラインSOELUのサブスク会員は無料で使えるようにするなど、相互に利用を促すことも検討しています。
ーそうなると、お客様へのコミュニケーションも「この人はここに課題があるから、SOELUのこのサービスを提案しよう」といった形で幅が広がります。スタッフの方々にとっても、お客様の役に立っているという実感が大きくなり、良いスキルアップにも繋がると思います。新規事業が立ち上がることは、非常に意義があることだと感じました。
まさにその通りだと思います。
ーSOELUの新規事業について社内でも広く知ってもらうため、スタッフの方々に社割などで安く体験してもらうのはいかがでしょうか。
それはぜひやりたいですね。現在、管理部門と社割について相談しているところです。
ー 皆さん興味があるでしょうし、まず自分で体験することで、お客様にも勧めやすくなりますよね。エステなどとは異なり、睡眠改善のためにお金を払うという行為はまだ馴染みが薄いので、安価に試せれば裾野を広げるきっかけにもなると思います。
そうですね、価値提供の裾野を広げたいです。
ーありがとうございます。では最後に、この新規事業を通じて、SOELUという会社をどんな会社にしていきたいか、お聞かせください。
当社のミッションは「新しい暮らしを一新するプロダクトを次々と作る」ことです。これまでSOELUというワンブランドでやってきましたが、今後は2030年までに3つのブランドを社会に根付かせたいという目標を役員間で話しています。
「クジラのうたた寝」は、その第一歩であり、SOELU以外の事業として形にすることで、社内でも新しいチャレンジがどんどん増えていくことを期待しています。もっと「こういうことをやりたい」という声が上がり、情熱を持ったオーナーが生まれ、良い機会を渡せるような会社にしたいです。トップダウンとボトムアップの両面で新しい事業が生まれていく会社になっていけると、非常に理想的だと考えています。
ー最高ですね!新規事業へ積極的に投資する企業文化の根本には、何があるとお考えですか?
既存事業のメンバー、特にソエルスタジオやオンラインSOELUのメンバーが、きちんとお客様と向き合っているからこそ、新しいチャレンジができていると感じます。
ーこれまでにお客様と信頼関係を築いてきたことが、次のステップへと繋がっているのですね。
おっしゃる通りです。
今まで会社名もサービス名もSOELUでしたが、今回「クジラのうたた寝」という全く新しい名前のアービスが誕生したことで、本当に新しい挑戦という感じがしますね。ゆくゆくは会社名も変える可能性はありますか。
はい、あり得ます。ゆくゆくブランドが3つ、4つと増えていったら、ホールディングス化していくことも考えられます。そうなれば、SOELU株式会社はSOELUブランドを運営する会社になっていくかもしれませんね。
ーこれからの展開が楽しみです!本日は詳しいお話をお聞かせくださりありがとうございました!
ありがとうございました!