◇スマイルズでは、2019年より新卒・第二新卒採用をはじめます。
スマイルズは、1999年に食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」の1号店をオープンし、創業いたしました。
あれから20年—“生活価値の拡充”という理念のもと、ネクタイ専門店やセレクトリサイクルショップ、ファミリーレストラン、海苔弁専門店などあらゆる業態を展開し、既成概念にとらわれず新たな生活の在り方を提案しています。
そんなスマイルズで、ともに“世の中の体温をあげる”仲間を募集いたします。
ここでは、そんなスマイルズで活躍する社員たちをご紹介。個性あふれるメンバーたちの人となりや哲学に触れてみてください。
今回は、2013年4月に新卒でスマイルズに入社し、現在は市場開発部に所属している齋藤をご紹介します。
齋藤 恭史(サイトウ タカフミ) 1989年、北海道札幌市生まれ。 早稲田大学 国際教養学部 国際教養学科修了。 友人に社長のセンスと事業がユニークだと聞き、2013年4月にスマイルズに新卒として入社。 “やりたいこと” を狭めないために、スマイルズを選んだ。 僕は、2013年の新卒採用でスマイルズに入社しました。最初に配属されたのは、「スープストックトーキョー ルクア大阪店」。店舗のスタッフとして、現場仕事を3か月経験しました。次に、スープストックトーキョーの海外新店舗立ち上げメンバーとして、シンガポールで3年間働きました。今は、「市場開発部」という部署で、新たなビジネスモデルやマーケットを作り出すことが僕のミッションです。
大学では、すべての講義を英語で行う「国際教養学部」に所属していました。また、一年間の留学も経験し、「海外に関わる仕事」というのが僕の就職活動におけるひとつの軸でしたね。それも、自分でプランを立てて手を動かす「事業」を通じて、海外と関わってみたかった。ですが、その頃の僕には、はっきりと “こんなこと(事業)をやりたい“ と言えるものは無かったんです。
元々、何事にも 「面白いと思えて、“もっと考えたい” と思えることは何でもやってみたい」 という気持ちが強くて。自分の手で事業を作りたいという気持ちも、そこから来ているのだろうと思います。自らが面白いと思えることを、自らの頭で考えて、自らの手を動かして。全部自分でやってみたかった。
スマイルズは、まさに僕が思う理想そのものでしたね。「 スープストックトーキョー 」があって、ファミリーレストランの「 100本のスプーン 」があって、ネクタイの事業「 giraffe 」があって、セレクトリサイクルショップの「 PASS THE BATON 」があって。こうして挙げるだけでも、飲食、アパレルと縛りが無いですよね。とにかく、なんでもやっている。
様々なジャンルの事業を展開しているスマイルズなら 、いつか僕がやりたいと思える事業を見つけたとしても、「うちの会社で、それはやれないな」と頭ごなしに否定されることは無いだろう、と思ったんです。 しっかりとした根拠や想いをもって “やりたい” と声を挙げれば、しっかり話を聞いてくれるんですよ。それは、スマイルズの良いところだと思っていますし、僕がこの会社に入ったひとつの決め手でもありますね。
たとえ “逃げ” でも、自分にできることを見つけて、やり切る。 Soup Stock Tokyo ルクア大阪店 最初に配属された「スープストックトーキョー ルクア大阪店」では、本格的な飲食業の現場仕事をはじめて経験しました。それまでの経験と言えば、大学の頃にやっていたイタリア料理屋のホールスタッフのみ。もう、何もできないんです(笑)。調理やレジ打ちなど、基本的なオペレーションがとにかく苦手でした。
なので、現場についてはあまり良い話ができないのですが、それでも印象に残っているのは、 「ゴミ出し」 についてかなぁと思います。僕が勤めた「スープストックトーキョー ルクア大阪店」は、面積がそれほど大きくないのですが、お客様の数はとても多く、全店舗のなかでもトップクラスの売り上げを持つ店舗なんです。だからお客さまの人数に対して、お店がどうしても狭く感じられてしまう。
しかも、ゴミ出しの時にお客様も通るルートを通らなければいけなかったんです。つまり、お客様の横を、ゴミ袋を持って通ることになります。飲食店として、それは絶対に良くないですよね。お客様からの印象もきっと良くないですし、自分がお客様の立場であったら、きっと嫌だと思ったんです。
その解決策として、一枚の大きな黒い布を買いました。ゴミ出しの際には、それをゴミ袋に掛けて行くんです。たったそれだけの、シンプルな話。でも、そうすれば、お客さまからは一切見えないじゃないですか。本当、ちっぽけ過ぎて思い出すだけで少し笑っちゃうぐらいなんですが、これは一つの “自分なりにやった仕事” かなぁと思っています。
本音を言えば、あれは “オペレーションから逃げるために” という気持ちが強かった。ですが、あの時、ゴミ袋に掛ける布を思いついたのは僕だけです。とにかく、 “自分にしかできないことをやる” ということを大切にしていました。ゴミ袋に被せる布が、今もルクア大阪店で使われているのかは分からないのですが、現在も使われていたら嬉しいですね。小さいなりにも価値を残せた、ということなので。
突然の「ミーティング」と、未来につながる大きなチャンス そんなことを続けているうち、ある日、シフト表の僕の欄に「M」の文字が書かれたんです。それが表す意味は、ミーティング。とにかく現場の業務が苦手だった僕は、 “オペレーションができなさ過ぎて、ついに叱られるのか……” と思い、ちょっとヘコんでいました。遠くの方を見れば、事業部長と副部長がいて。“もう終わりだ…… 叱られたくない……” とひたすら絶望。
いざミーティングに参加すると、部長の口から出たのは “シンガポールで、スープストックトーキョーの新店舗立ち上げに携わらないか?” という言葉。叱られると思い不安だった気持ちから一転、もちろん二つ返事で“やります”と答えました。「海外に関わる仕事」をやってみたかった僕にとって、願っても無いチャンスでした。
「やってみる」ことと「検証」を繰り返し行うことで、より良い仕事が生まれた。 シンガポール店のスタッフとの一枚 シンガポールでは、とにかくがむしゃらに仕事をしました。海外展開には前例がないので、とにかくわからないことだらけ。何が正解で何が不正解なのか、まったく見当もつかない状態です。店舗開設から財務・会計、採用活動や店舗の運営。1から10まで、すべて手探りでやっていきました。
お店として「食事」を提供するうえで、まず僕たちは、「文化」を知ることから始めたんですね。あちこちに出かけたり、現地スタッフのみんなとどんどん話してみたり。とにかく、スタッフと仲良くなり、現地の情報や文化を知ったうえで、「食」の分野を学び進んでいこうと思っていました。
たとえ母国語が違う者同士であっても、互いに文化を理解し、 「フラットな関係性」 を作り上げられれば、業務は円滑に進んでいきます。そして、スタッフのみんなが「もっと教えてほしい」・「もっと色々なことやってみたい」と思ってくれれば、どんどん「やりたいこと」が出てきますよね。 それは、それぞれみんなにとっての「仮説」であり、「考察」でもあり、同じく「意思」でもありますね。それらを積極的に「検証」していくことで、より良い仕事が生まれていくのだと思っています。実際に、スタッフのみんなが考案してくれたメニューがお店に並んだこともありました。
たとえばそれが、ゆくゆく失敗に終わろうが、極端に言うと、結果は正直どちらでも構わないんです。「狙い」や「考察」さえあれば、それで良いと思っています。とにかく互いが対等な立場で意見を言い合って、それをできるだけ早く、小さく、実際に試してみる。最初から大きなことはできないので、なるべく「小さく」がベターですね。
良い結果であれば継続、悪い結果であれば中止。どんな結果も「一歩前進」と捉えて、「狙い」や「考察」と「結果」の間にある差を認識する。そして、次のアクションにつなげていくことが重要です。 「トライ&エラーを繰り返して良いものを生み出す」 ということを体感的に学べたのは、シンガポールでの仕事で得られた大切な財産ですね。どんな仕事も、どこまで行っても 「やってみなきゃわからない」 ですから。
最終的に、シンガポールの新店立ち上げプロジェクトは、三つの店舗をオープンさせたのち事業撤退となりました。閉店の際には、もちろんとても辛くはありましたが、現地スタッフの解雇も経験しました。
「一対一の関係性」から、本当のことが見えてくる。 Soup Stock Tokyo シンガポール店 (当時) 一方で、シンガポールでは、現場の仕事を通じて 「選ばれる理由をつくることの重要性」 も学びました。それは、目の前のお客様から選んでもらうこと。その際には、「目の前のお客様が私たちを選んでいる理由」や「味のクオリティを追い求めること」はもちろんですが、 「そもそもブランドは、そこで生活する人々にとってどんなものであるべきなのか」 や、 「なぜお客様が今の私たちを選んでくださっているのか」 などを考えることこそが重要だ、ということに気が付きました。つまりこれは、私たちブランドとお客様がつくる 「一対一の関係性」を考えること なんですね。
お店に来てくださったお客様(どんな人柄の方なのか、どんな生活を送っている方なのかなど)について真摯に考え、対話し、行動していけば、きっとその方から 「選んでもらう」 ということが実現するはず。それを何度も何度も繰り返していくことで、本当の意味での「ブランド」が出来ていくのだと思います。
そこで生活している人たちがブランドをまったく知らない状態で始まった海外事業と、そのクローズ経験。それらを経て、スマイルズの事業について 「客観的な目線」 で捉えるようになりましたね。 “自分がもしも、お客様の立場だったら……” と考えることで、かえって自分たちの事業にとっての 「ありたい姿」 が見えてくると思っています。
「ありたい姿」を掲げられれば、実際に手を打ち結果を検証することができる。そうして、自分とお客様の「一対一」を、何度も何度も繰り返す。そうして形を変えつつ「ブランド」を創り上げてくことで、徐々にお客様から「選んでもらう」ということにつながっていくのだと思っています。これは、まさにシンガポールでの経験から学んだことですね。
スマイルズの仕事においては、 “どうしてもやりたくて気づいたら勝手にやっている” という主体性や、誰かが考えていることに対して “自分だったらどうするか?” の視点を持つことが大前提だと思っています、自分が信じられるところからまず始めてみるという意味で、僕が現状行っていることは「スマイルズの仕事」に共通するのではないか、と思っています。
「当事者意識を持つ」よりも、「当事者になる」ことが大切。 ビジネスには「当事者意識を持つ」という言葉がありますが、僕は 「当事者になる」 ことが、一番の近道だと思っています。スマイルズでよく使われる 「自分ごとにする」 という言葉もそうです。とにかく自分が一番関わって、一番考えて、自分がやる。それも自分が一番本気で。当事者意識を持つだけでは、何も変わりません。意識だけではなく、 「自分が当事者になる」 ということこそが、良い仕事を生んでいくのだと思っています。それは、シンガポールのスタッフが積極的に自らの意見を言ってくれたことや、「スープストックトーキョー ルクア大阪店」で考案したゴミ袋カバーなど、これまでの経験から学んだことでもありますね。
今の仕事は、入社時から思っていた、まさに「事業を創る」仕事です。楽しくてしょうがない、と思って働いています。これから取り組むことにも、じぶんがやると決めたことには「当事者」であり続けます。
入社からいままでで、ちょっと変化したのは「チームでやりたい」という気持ちかもしれない。これは、クリエイティブ本部本部長でありスマイルズ取締役・野崎亙氏の言葉ですが、プロジェクトに関わったみんなが 「これは自分がやった仕事なんだ」 と胸を張って主張できるような仕事を、チームでやり遂げられたら最高だと思っています。
Text: Nozomu Miura
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