出産、育児、介護などさまざまなライフイベントによって、ときに仕事から距離をおかなければならないことがあります。ブランク期間が長ければ長いほど仕事への自信を失いがちですが、キャリアの再出発は、新しい視点や深い洞察を与えてくれる好機でもあります。今回は、長いブランクを経た後に、調査Ops（オペレーション）チームでキャリアを再スタートさせた藤井さんをご紹介します。家庭と仕事とのバランスを取りながら、熱意を持って働く藤井さんの、これまでとこれからのお話を伺いました。

藤井 理会｜Rie Fujii／Research Operation
精密機器メーカーにて10年間秘書を務め、独立のため退職。個人事業主として、フラワーコーディネートの講師やデザイン業務をおこなう。結婚後はメーカーに勤め事務職を経験し、出産後しばらく育児に専念。事務職に復帰後、2022年より現職。

ーシンプルフォームに入社する前の経歴を教えてください

新卒で精密機器のメーカーに就職し、10年間秘書をしていました。その頃はどの企業も新人研修制度がきっちりあって、そこで社会人に必要な心構えや技術を叩き込む、そんな時代でした。

さらに、当時は今よりももっと日本全体がキラキラしていた感じで……（笑）。フラワーデザインやフラワーコーディネートという仕事が人気だったので、ちょっと挑戦してみようかなと、働きながら数年かけてお花の資格を取得しました。そうしたら、あれよあれよとフラワーデザインの仕事をもらえるようになり、いよいよメーカーを退職、個人事業主として独立しました。独立後はブライダルの装花のデザインや、フラワーコーディネートの講師として活動していました。

ただ、フラワーデザインの現場はハードワークなので、家庭との両立が難しく、結婚後はいったんお休みして、しばらく派遣で事務の仕事をしていました。その仕事も出産と同時に辞めて、子どもが中学に上がるまでは、完全に仕事から離れていました。

ー少し長めのブランクがあったんですね

そうですね、13年間は子育て業に専念していました。子どもからだいぶ手が離れ、改めて社会とのつながりが欲しくなり、家の近くの会社で事務職を再開しました。退職からは時間が経っていたのですが、改めて「あぁ仕事って楽しいな」と思いましたね。

でも、5年ほど勤めたころ、遠くに住む親が倒れてしまい、介護のために実家に行き来しなければならなくなりました。子どもの受験やコロナも重なり、職場に勤務する仕事ではなく、リモートで働ける会社を探すようになったんです。

そのとき、シンプルフォームの求人を見つけました。ウェブサイトを見たときに「ある言葉」にぐっと胸を掴まれまして。

ーある言葉とは、みなさんがよく口にする価値観の……

はい、「面倒を愛する」という言葉ですね。

私は子ども達によく「現場で汗を流せる人になってほしい」と伝えています。本当に汗を流せというわけではなくて、「どんなことにも当事者意識を持って真摯に取り組んでほしい」という意味なのですが、シンプルフォームの価値観に通ずるものがあると感じました。効率化が叫ばれる今の時代で、テクノロジーの会社であえてこの価値観を掲げていることに驚き、共感しました。

入社後は、データの整備業務を担っています。毎週お客さまがプロダクトから取得されたレポートに目を通し、最新の情報に更新する業務です。同じタスクを4,5人のチームで取り組んでいて、丁寧にかつスピード感を保ちながら進めています。正確性を期するために必要な「面倒」を愛して作業しています。

1日の流れとしては、朝に家族を送り出し、家事をして、9:30からお昼まで勤務。昼食を家族ととり、犬の散歩をしてから、夕方にまた勤務して、終了です。

仕事の時間も取りながら、家族とお昼ごはんを食べたり、犬のお世話をしたり、大切な時間を確保できるのが嬉しいですね。シフト制なので習い事をしたり、お休みを取って実家に親を見に行くこともできるので、希望していたとおり、介護・家事・プライベートとのバランスが上手に取れて、家族も喜んでいます。

▼ 愛犬の存在を感じながら仕事できることが幸せ

仕事上で気をつけていることはありますか？

後工程を意識することと、自分だけの判断に頼らないという2点です。

自分の後の工程には、必ず他の人が関わっています。そのことを意識しながら、自分の作業を簡潔にメモにまとめたり、コメントで情報を残したり、次に担当する方が作業を進めやすいように気をつけています。こうした小さな行いが、リモート業務においても、コミュニケーションがはかれ、全体の生産性を高めることにつながるのではないかと思っています。

また、判断に迷うことがあれば、自分で結論付けずに、なるべくすぐにSlackで質問するようにしています。もちろん自分で情報を探すこともしますが、間違ったデータをお客様にお渡ししないように、不安なことがあればまずはリーダーに確認をとり、次に同じようなタスクが来たら自信をもって対応できるように心がけています。

仕事を始めた当初は、自分の作業がプロダクトのどこと関わっているのかいまいちイメージができなかったのですが、今では並んでいるタスクを眺めるだけで、なんとなく最終形が目に浮かびます。

この仕事をしていて好きな瞬間はどこでしょう？

私たちの仕事は、とにかく正確かつ効率的にデータを整備することです。与えられたタスクに迅速に対応できた時は嬉しいですね！また、他のメンバーの状況を見て、柔軟にチームで業務を遂行できることも喜びです。それぞれに事情がありますし、メンバー同士で助けあえることは、本当にありがたいと感じています。

実を言うと、ブランクが長かったので、もう働く場所が見つからないんじゃないかと、半ば諦めていました。でも、今は家にいながらチームで仕事ができている。自分もまだまだ働けると思えると、毎日がとても楽しいんです！

私は子育ても落ち着き、現在は親の介護をしながら働いていますが、チームには出産直後の方もいらっしゃいます。働く方はどなたも仕事とともに、それぞれのライフイベントに向き合っています。大切なことを大切にしながら働けるのは、理想的だと思います。

今後は、パソコンのスキルをもっとあげて、チームリーダーやチームメンバーの仕事により貢献できるよう力を付けていきたいです！

ありがとうございました！