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Septeni Group Inside Story 〜 新コーポレート・ロゴができるまで 〜

昨年、セプテーニグループの新しいロゴを発表いたしました。

初期のロゴ以来、初めてのリニューアルとなります。

今回の記事では、このロゴリニューアルに至った背景やプロセス、ロゴに込められた意味について、リニューアルのプロジェクト責任者であるセプテーニグループの株式会社サインコサイン代表・加来のインタビューを通じて、ご紹介いたします。


加来 幸樹(Kaku Koki)
2006年に株式会社セプテーニへ新卒入社し、クリエイティブディレクターとして活躍。2018年4月に株式会社サインコサインを設立し、代表取締役 CEO / CO-CREATORを務める。「自分の言葉で語るとき人はいい声で話す」を信念に掲げ、多種多様なメンバーと共に様々な共創手法を用いたブランドアイデンティティ構築やインナーブランディング領域を中心に支援を行っている。



――早速ですが、今回セプテーニグループのロゴが変更されるに至った背景を教えてください。

セプテーニグループは創業から現在に至るまで、様々な変革を経験してきました。

そして現在も、「日本国内市場だけでなく、グローバル市場への拡大」、「インターネット広告事業だけでなく、メディアコンテンツ事業への拡大」といった様々な変革を目指しています。

こうした中で、これまで様々な変化を経験してきたセプテーニが、今示すべきものとは何か、あらためて企業としての在り方を「デザイン」すべき時機にあるのではないかと考えました。

今回のロゴリニューアルは、その一環として、セプテーニ・ホールディングスならびにセプテーニ(各国)のコーポレートデザインからはじめようということになり、取り組み始めました。


――そのような背景があったのですね。ちなみに、昨年同時に発表した電通グループとセプテーニグループの提携の件は、今回のロゴリニューアルには関係しているのでしょうか?

タイミングがタイミングでしたが…、全くの偶然です(笑)。


――リニューアルを進めるにあたり、セプテーニグループ代表・佐藤から何かオーダーはあったのでしょうか?

「クオリティを担保すること」と「現場の声をきくこと」、この2つでした。


――リニューアルのプロセスは、どのようなところからスタートしたのでしょうか?

最初は、デザインのパートナー探しからスタートしました。さまざまパートナー企業を探す中で、結果的にデザインに対する考え方や制作の進め方に一番共感を得たPARK Inc.さんにお願いすることにしました。

PARK Inc.(http://parkinc.jp/


まずはPARK Inc.代表 / アートディレクターの佐々木智也さんと共に、どういう流れでデザインまで落としていくかを検討しました。

オーダーにも「現場の声をきくこと」とありましたし、まずは社内外のステークホルダーの声を聞いていき、その声をきちんと反映したコンセプト、デザインに落としていこうと考えました。

セプテーニグループの「現在地」とは?

――どんなことを目的に、どんな人にヒアリングしたのでしょうか?

セプテーニグループには「ひとりひとりのアントレプレナーシップで世界を元気に」というミッションがあります。

しかし、ミッションという形でセプテーニグループの未来を言葉としては認識しているものの、それだけだと社員は動けないなと感じていました。

そこで、そのミッションが映す「未来」に対して、セプテーニグループの「現在地」はどこにあるのだろう、未来までの距離をみんながどう捉えているのだろう、ということを可視化したかったのです。

そしてその「現在地」と「未来」は、これまでの「過去」もあってこそ。

なので、「過去」をつくってきた経営層を含むベテラン社員はもちろん、「現在」を知っている現場の若手社員やグローバル拠点で働く社員、そして外からセプテーニグループを見てくれている方々にも幅広くヒアリングをしました。

「過去」からどういった過程があって、「現在地」に至っているのか。
そして何を変え、何を残して、どんな「未来」を目指すべきなのか。

そういったものを明確にし、それをもとにコンセプトを導き出して、デザインへ落としていく流れにしていきました。


――実際ヒアリングを進める中で、どんな声があがりましたか?

本当にいろいろ出てきました。

ただ、経営層にも現場にも共通して感じたのは、「なんだかんだ皆、会社のことが好きなんだな」ということでした。

「ひとがいい」「嫌な人がひとりもいない」
「真面目、真摯」「強い絆」
「一体感」「仲が良い」

特に、このあたりのキーワードは本当にたくさん出てきました。そして、みんなこういった部分を「セプテーニグループの強み」と感じているようでした。

ただ、もう一方で「簡単に変えられない環境に対するもどかしさやストレス」を感じさせる声も多くあがりました。


ヒアリングを通して感じた課題としては、「自分の手が届く、自分が影響力を持つ範囲の中では、精一杯問題解決しようと動くけれど、その範囲外で起きている何かへの不満や課題に対しては、積極的には行動しないし、行動しても意味がないと思ってしまうこともあるのではないか」ということでした。

そのような中、ヒアリングと並行して、ミッションにある「アントレプレナーシップ」という言葉をもう少し捉えやすくしてみようと思っていたときに、ある社内の人事担当者からアントレプレナーシップの解釈について、このようなことを教えてもらったのです。

アントレプレナーシップ研究の権威であるハーバード大学のハワード教授は、
「コントロール可能な資源を超越して、機会を追求すること」であると説いています。

そこで思いました。
「そうか、ひとりひとりが手の届く範囲を超えて、機会をつくって取り組めば、さっきのもどかしさも生まれないのかもしれない」と。そしてそれがまさに社是「ひねらんかい」に通ずるものだと。

「ああ、今足りていないとみんなが感じるものが、まさにミッションや社是に繋がっているのかもしれない」と、そんな風に感じたのです。

次は、コンセプトメイキング。

――なるほど。ミッションが映す「未来」と、「現在地」の位置関係が見えたのですね。それら見えてきたものを、ここからどうコンセプトに落としていったのでしょうか?

まずはヒアリングから可視化できたセプテーニグループを形作る要素を、佐々木さんと共に改めてまとめていき、それらの要素が持つセプテーニグループに対しての「今までの役割や本来目指すべき姿」を図式化しました。

セプテーニグループはこれまで、相反する「変化」と「仕組み化」を行き来し続け、仕組みを壊してみたり、変化させアップデートしてみたりして、そのサイクルをうまくまわしてきました。そしてそんな風にできたのは現場にいる社員の「若さ」ゆえ。

これこそがセプテーニグループのアイデンティティじゃないかと思ったのです。

ただ、企業として成長し拡大し続ける中で、そのサイクルをまわすことが難しくなることもあるでしょう。その相反するアイデンティティを行き来するサイクルを活かし続け、パラドックスな状態を健全に保つために、いかにバランスをとっていくか。

そのためには、素直で受容性が高く、人がいいというディフェンシブな面に加え、個々が変化を受け入れ、自立・挑戦するというオフェンシブな面も必要です。

そのオフェンシブな部分に重要になるのが、まさに「アントレプレナーシップ」。

そして、その「アントレプレナーシップ」こそ、きちんと個々に落とし込んだ「民主化された状態」であるべきだと考えました。

――「民主化された状態」のアントレプレナーシップとは?

誰か一人の圧倒的なリーダーシップが発揮されるようなアントレプレナーシップではなく、個々人が身近にアントレプレナーシップを意識でき、自分自身に落とし込めている状態、そして一人ひとりの多様性を認め合う状態、と言語化しました。

はじめは「アントレプレナーシップ=Entrepreneurship」という言葉を使ったコンセプトをたくさん用意し、そこまでを形にして、代表・佐藤にプレゼンしました。

そうしたら、佐藤から「もう一つ忘れたくないものがある」と言われたのです。

――忘れたくないもの?

それは「面白がること」。

オフェンシブな面(つよく)とディフェンシブな面(やさしく)をうまく絡ませ、相反するもののバランスをとっていく。
それをおもしろがりながら、ネアカにやっていくことが大事。
時にはロジックを超えて、面白がる瞬間があってもいいと思っている、と。

そういった議論を経て、生まれたのが以下のコンセプトです。


「つよく、やさしく、おもしろく。」

どんなときも起業家精神を持ち、変化の大きい方を選んで結果を出す「つよさ」
成功体験や成長機会を仕組み化し、多様性を認めながら皆で共有する「やさしさ」
決して簡単ではないものを、楽しみながら独自のやり方で実践する「おもしろさ」

私たちは、これら3つの力で、新しい市場に、新しい世界に挑戦する。


そして、ロゴデザインの決定へ。

――3つ目の「おもしろく」が、ひとつポイントになっているんですね。コンセプトまで決まり、次はいよいよコンセプトをビジュアル化する作業、「ロゴデザイン」です。

様々な意味を同時に内包するコンセプトだけに、ビジュアル化にはとても苦労しましたが、コンセプトはすごく満足いくものができていたので、それをきちんと表現できるロゴデザインに着地させたいと思っていました。

PARKさんからも数多くのデザインアイデアを出していただく中で、あらためてコンセプトとなる「つよく、やさしく、おもしろく。」

この3つをそれぞれ異なる個性としてカタチで表現し、それらを集合させることでセプテーニならではのひとりひとりの力や多様性、そして一体感を伝えるのが良いのではないかという方向性でデザインを検討していきました。

その結果、大枠のデザインアプローチに関しては、一つ一つの個性の力とそれらの集合が生み出す大きな価値を表現でき、活動範囲や事業の無限の可能性・拡張性を伝えられるよう「モノグラムパターン」に決めました。

そしてシンボルマークは、「セプテーニ(Septeni)=7つずつ」にちなんで、7つの円から構成される図式をもとに「つよく、やさしく、おもしろく。」の3つの表現を作成することにしました。

3つのシンボルとモノグラムパターンという方針の中でも、PARKさんからも以下のようにたくさんのアイデア出していただき、検討していきました。

そのなかで「つよく、やさしく、おもしろく。」をちゃんと表現できていて、しっくりくるものとして、以下のマークを採用し、ロゴが完成しました。 


それぞれのシンボルマークの並びに関しても、つよさとやさしさ、それらをつなぐおもしろさというのをSepteni(7つずつ)にちなんで、7つで1ユニットになるように設計しています。

さらに、コーポレートイメージをグローバル全体で統一させるため、オリジナルフォントも作成しました。


世界を元気にするには、やっぱり僕たちがいちばん元気じゃないと。

――このロゴリニューアルにはこんなに多くのプロセスが隠されているのですね。ちなみに加来さんが感じた一番の壁はどこでしょう?

やはり自分自身をも含めて、みんなにとっての「セプテーニ(グループ)とはどういう存在であるべきなのか?」ということを問い直していく作業は、思った以上に大変でした。

みんなが感じているセプテーニグループの良いところ、改善すべきところ。
そして今まで起きた様々な変化と、これからも起こるであろう変化。
現在はインターネット広告事業がメインだけれど、もしかしたらそうじゃなくなることもあるかもしれない。
それらを踏まえた上で、セプテーニグループというブランドは変わるべきなのか、変わらないでいるべきなのか。

本当に様々な選択肢を含めて考えを巡らせたのですが、結果的にたどり着いたのは我々の「原点」とでも言うべき景色だったように思います。あらためて、セプテーニグループがグループである意味や、ひとりひとりがグループの一員であるという意識を、みんなが感じられるように表現したいと思いました。


――特にこだわった部分はありますか?

一番は、自分が自信をもって使いたいと思えるかどうか、という点です(笑)。

これも踏まえ、みなさんが感じているセプテーニのアイデンティティはしっかりと落とし込むことは、常に意識していました。


――最後に、このロゴリニューアルに込めた想いを教えてください。

一人ひとりが、思考のレイヤーを1つでも2つでも高め、でも考えすぎず、ネアカに面白く働こう。セプテーニグループらしく、ピュアに元気に!と(笑)。そうしたら仕事ってもっと楽しくなると思うのです。

わたしたちセプテーニグループのミッションは、「ひとりひとりのアントレプレナーシップで世界を元気に」。

世界を元気にするには、やっぱり僕たちがいちばん元気じゃないと!と思っています。


(素敵な名言が生まれて、思わず照れ笑いする加来さん)


――加来さん、ありがとうございました!!


つよく、やさしく、おもしろく。

今回のロゴリニューアルも今まで経てきた一つの変化として、今後のセプテーニグループの挑戦と、より大きな成長を象徴していくものとなるでしょう。

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