朝7時、東京・青山…
まだ空はうっすら白んでるし、車や通行人もまばら。
5時起きで自宅を出て、僕はいったい何をやっているんだろうか。
ここで一度、事の起こりを振り返っておこうと思う。
数日前のこと。
上司であるイゼ速管理人・タソガレ氏がさらっと訊いてきた一言が発端であった。
タソガレ「スガワラさん、今度やる『朝からSekappyでマジック・題して朝セカ』って知ってます?」
スガワラ「朝セカっすよね、知ってます知ってます。
朝からMTGプレイヤーたちが集まり、ちょっとした時間を使ってマジックをプレイする。
朝活を始めるきっかけにするもよし!
夜勤明けにひと遊びするもよし!
GP京都の調整に来るもよし!
久々にマジックを触りに来るもよし!
弊社スタッフと朝からマジックをプレイして一日の始まりを盛り上げていきませんか?!
ってやつですよね?」
正直、よく分かってなかったので急いで告知ページを開いてテキスト読み上げおじとなる。
タソガレ「そすそす、アレのレポートをやってもらいたいなーと」
スガワラ「え、タソガレさん書かないんすか?」
タソガレ「俺はちょっとほらー、夜型だから」
スガワラ「それって要するに起きらr」
タソガレ「おいしいパン出るらしいっすよ」
スガワラ「やります」
そんなこんなで、まんまと食べ物に釣られて早朝のオフィスに放り出されたスガワラこと僕。思わず意味もなくオフィスから見える朝の風景を撮ってしまった。
既に眠くてグロッキーである。通勤電車を間違えたほどだ。
というか、この企画そもそも成立するのだろうか。マジックプレイヤーって、みんなタソガレさんみたいに朝弱いんじゃないの?
と、ひねくれたことを考えていた矢先、お一人目・お二人目の参加者の方が到着した。
他の参加者の方や、始業前の弊社スタッフも集まり、オフィス内はあっという間に賑やかに。
開会の挨拶も済まないうちから、自然発生的に対戦卓が立っていく。
朝早い時間にもかかわらず、誰一人として寝ぼけた表情などしていなかった。僕たちのよく知った、マジックを楽しむ姿ばかりだ。
GP京都を控えることもあって、スタンダードは特に活発。
「青単はだいぶメタられてるから…」
「赤単に有利が付くから、スゥルタイは増えそう?」
と、対戦しつつ、観戦者も交えてメタゲームの変遷やサイドプランについての話し合いが行われる。
もちろん、競技志向の卓ばかりではない。ユニークな低予算デッキを持ち込まれている参加者の方も見られた。
そう、この『朝セカ』。大会や調整会ではないからこそ、カジュアルデッキを試すにも良い機会なのだ。
僕も愛用の《厳戒態勢》デッキを持ってきたのだが、まさかのネタ被り。期せずして同系デッキのプレイヤーとお話しすることができた。レシピの定まっていないジャンルのデッキだからこそ、意見交換の機会は貴重だ。
「門シナジーを活用することで、レア土地を使わないことが正当化されるのでは?」
「コンボパーツを引けるように、ライブラリを掘り進める枚数を重視したい」
…などなど、構築についてああでもないこうでもないと話していると、時間はあっという間に過ぎていった。もはや眠気のことなどすっかり忘れている。
さらに、今回はブースターブリッツ用のパックも用意されている。
ブースターブリッツについてものすごく簡単に説明しておくと、
「1パックの中身を使って3枚のミニデッキを4つ作る」
「初期ライフ5点、初期手札3枚(ライブラリアウトなし)、無限マナで対戦」
という遊び方。パックを剥く楽しさと、デッキを組む戦略性、スピーディーな決着が魅力だ。
ブースターブリッツ初経験というプレイヤーもおり、元より”必殺技”的なコンボを楽しみやすいルールであることも手伝って、これまた大いに盛り上がった。打ち消されないインスタント本体火力は理不尽。
と、ここでお待ちかね、朝食のプレゼント。
表参道・木村屋様の、おいしいパンだ。このために早起きしたのだ。
「お好きなパンをどうぞ!」
ということで配布されたが、いつの間にかピックを終えて下家に流すというパンドラフトの様相を呈しはじめた。マジックフェストのサイドイベントに導入されてくれないだろうか。実現したらSekappyが元祖だ。
余談だが、ここのパンは本当においしいので、Sekappyに遊びにいらした際にはぜひ食べて行ってほしい。
その後も朝食に対戦にと楽しんでいると、時計はあっという間に回り、始業時間を迎えた。
名残を惜しみつつ、参加者の皆様を見送り、通常業務に入る。
と、心なしかいつもよりも頭の中がクリアで、気分もすっきりしていることに気が付いた。
朝から好きなデッキを回して、意見を交換する。
その活動を通して、普段よりもシャキッと、気持ちよく始業を迎えることができた。
Sekappyでは、今後も『朝セカ』を開催していく予定だ。
気軽にデッキを回せて、
気楽に構築の相談ができて、
気持ち良く朝を迎えられる。
ガッツリ調整したい方はもちろん、「本格的な大会はちょっと…」という方・MTGアリーナから始めて紙のマジックには不慣れという方も、是非とも次回以降の『朝セカ』にご参加いただければ幸いである。