突然だが、あなたがマジック最強のプレイヤーと言われて思い出すのは一体誰だろうか。
カイ・ブッディ? ジョン・フィンケル? それとも渡辺雄也や八十岡翔太? ……どのプレイヤーも、最強という称号に違わぬ超一流の面々ばかりである。
それでは、「マジック最強の企業」ならばどうだろう。
スポンサードプロのチームではない、純粋なマジックを愛する社員たちによって構成された集団。その頂点に立つ企業とは、いったいどこなのであろうか。
――これは社員全員がマジックを愛するIT企業、株式会社Sekappyの長きにわたる(で、あろう)戦いと証明の記録、その第一幕である。
企業対抗戦、やりませんか
きっかけは、マジックを通じて知り合ったひとりのCygames社員の方の言葉だった。
「Cygamesにもマジック大好きな人たちがたくさんいて、社内にマジック部があるんですよね」
あの『グランブルーファンタジー』や『アイドルマスター シンデレラガールズ 』、そしてデジタルカードゲーム『Shadowverse』などの超有名タイトルの数々を手がけるCygames社に、マジック部がある。そのとき我々の脳裏に、マジックを愛する人々が日本のゲーム業界を牽引する企業に数多く在籍していることへの喜びと共に、ある考えがよぎる。
CygamesとSekappy、マジックではどちらが強いのだろう。
企業としての規模や事業内容は違えども、マジックを愛する気持ちは同じ。それならば、どちらの社員が強いのか。それを知りたくなってしまうのはマジックプレイヤーとして当然の欲求であった。
「それなら、企業対抗戦やってみませんか?」
気がつくと、我々はCygamesマジック部に戦いを申し込んでいた。
予選による代表選出
協議の結果、スタンダード・モダン・レガシーの三つのフォーマットでそれぞれ代表者が戦うチーム構築戦形式となった。厳しい予選を勝ち抜きSekappy側の代表に選出されたのは、丹羽(スタンダード)、押味(モダン)、五嶋(レガシー)の3名だ。
社内でも有数のデッキビルダーやプレイヤーとして知られる面々、かつ各人の気合も十分。これは当日の結果も期待できそうだ。
対抗戦当日。そして結果は――
そして迎えた対戦当日。舞台は先方のご好意で社内のミーティングスペースを用意していただいた。勝負を挑んだのはこちらだというのに、ありがたい限りである。
Cygamesマジック部の代表は奥から花輪氏(スタンダード)、藤倉氏(モダン)、川居氏(レガシー)。双方のプレイヤーがしっかりと握手を交わし、戦いの火蓋が切られる。
まずはスタンダード。Sekappy側の丹羽はジェスカイコントロール、対するCygames側の花輪氏は緑黒ガルタで勝負に挑む。
除去とクリーチャーの応酬が続く。サイドインした《マグマのしぶき》が《屑鉄場のたかり屋》に刺さり、スタンダードではSekappy側が勝利を収めた。
さらにモダン。Cygames側の藤倉氏は白青コントロール、Sekappy側の押味は普段から愛用する魂剥ぎデッキで挑む。
圧倒的スピードで究極生命体と化した《魂剥ぎ》を着地させる押味だったが、《精神を刻む者、ジェイス》の能力によってトップに積まれた《終末》の前に、惜しくも崩れ去ってしまう。
そして運命のレガシー。Sekappy側の五嶋は赤単プリズン、対してレガシー界隈にてコントロールマスターとして知られる川居氏は、自身の代名詞とも言える奇跡をもって相対する。
一進一退の攻防の末、リソースの枯渇した五嶋に川居氏の《精神を刻む者、ジェイス》が炸裂。レガシーもCygames側の白星となった。
最終成績はSekappy側が1勝、Cygames側が2勝でCygamesマジック部の勝利。ゲーム業界の最前線で戦う彼らは、マジックにおいてもまた屈強な戦士(ファイター)であった。熱い試合を繰り広げた代表者たちに向け、その場にいる全員から拍手が巻き起こる。
最後は皆で楽しくマジック
代表者らの戦いが終わった後は、各社のマジックプレイヤーによる交流会が行われた。思い思いのデッキによる構築フォーマットでの対戦、『バトルボンド』や『基本セット2019』を使ったドラフトなどに、終電の時間まで双方から笑いが絶えることはなかった。
この際にもピザやドリンク、ブースターパックをCygamesマジック部の皆様に用意していただいている。どこまでも手厚い歓迎に、感謝してもしきれない。
企業対抗戦・交流戦の相手、求む。
今回Sekappyは惜しくもCygamesマジック部に破れた。しかし、企業対抗戦はこれで終わりではない。マジック最強企業の座を求めて、そしてCygamesとのリベンジに備えて、我々は日夜マジックの腕を磨き続けている。もし我々と戦ってみたい企業があれば、ぜひ info@sekappy.com まで連絡してほしい。もちろん対抗戦ではなく単純にマジックによる交流をしたいという話も大歓迎だ。
それでは、また次の記事でお会いしよう。