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【2023年の振り返り】デジタルアーカイブ構築と利活用により地域・企業課題の解決を目指す

株式会社誠勝は、2023年10月12日で設立から11年を迎え、本年も無事に年末を迎えることができました。

11年も経営を続けることができたのは、ひとえにお得意先様、仕入先様、従業員の皆様など多くの方々のお支えがあったからこそと実感するばかりです。厚く御礼申し上げます。

この場を借りて、今年1年の振り返りと共に、今後についてお話させていただきます。

【2023年は「デジタルアーカイブ元年」】

この1年を振り返ると、本当に転機の1年だったと思います。

昨年度は設立から10年を迎えた節目の年。当社は創業以来、貴重資料のデジタル化を通してお客様に価値を提供してきました。しかしこの時、当社は大きな問題に直面していました。その問題とは、

”デジタルアーカイブを、地域・企業の課題解決に活かすロールモデルが存在しないこと”です。

そしてこの問題は、司書・学芸員といった専門職の方の「雇用の受け皿」が増えないという現実につながってしまいます。デジタルアーカイブ業界全体で考えていくべき問題であり、また今後当社がデジタルアーカイブ事業を続けていくためにも、避けて通れない問題です。

そうした中、転機となる社会的な動きが起こりました。2023年4月1日からの約70年ぶりとなる「改正博物館法の施行」、そして2023年6月1日からの「改正著作権法の施行」です。

改正博物館法で規定された新たな事業活動ーーすなわち博物館資料のデジタル・アーカイブ化と地域の活力向上への寄与が盛り込まれたことや、利用者の調査研究目的で、図書館資料を用いて著作物の一部分(政令で定める場合には全部)をメールなどで送信することができるようになるなど、よりデジタル史資料の活用が身近なものになっています。

実際に当社でも、2023年は以下のような取り組みを実施する機会に恵まれました。

①改正法施行直後の2023年6月12日に、司書・学芸員等を多く輩出する奈良大学にて、デジタルアーカイブの現状と問題点の概説と、地域経済分析システム「RESAS」を活用した課題探究型の特別講義を実施。

②2023年9月4日〜8日には「奈良県インターンシップ推進事業」において合計6名の学生さんを受け入れ。司書・学芸員を志す学生の方も複数いらっしゃる中で、デジタルアーカイブをキャリア教育へ利活用。

いずれも「従来の」司書・学芸員がおこなう仕事のイメージとは違い、デジタル史資料を活用したプログラムでしたが、学生の皆様の取り組みは真剣そのもの。図書館や博物館が変われば、そこで働く司書・学芸員の仕事も変わり、キャリアの幅も変わることを実感しています。

またこうした動きは、地域企業の後継者教育に歴史を活用する動きにもつながっており、2023年10月には新宿間税会にて、社史の作成と利活用のあり方を考える研修ワークショップも開催しました。

2022年末に決定された「デジタル田園都市国家構想総合戦略」においても、デジタルアーカイブの促進やRESASの地域企業への利活用幅拡大等に言及されており、今後は民間企業であっても、「地域経済の視点」を持ったデジタルアーカイブの利活用を考えていく必要が出てくるでしょう。

株式会社誠勝は、この2023年という社会的な転機に、デジタルアーカイブを利活用した地域人材の育成事業を開始しました。そして今後もますます司書・学芸員、そして経営後継者など、文化を継承する人を育てる取り組みを推進していきたいと思います。

【デジタルアーカイブのリーディングカンパニーとして、サービスを拡充】

昨年度はデジタルアーカイブ構築と利活用に関わる3つのサービスを立ち上げました。


まちづくりの誠勝」は、

司書・学芸員等の専門性を活かしたキャリア形成を目指す人材や、地域企業の経営後継者などの人材に対する「地域人材育成サービス」です。

デジタルアーカイブの誠勝」は、

デジタルアーカイブの構築について、企画段階~公開まで一気通貫で支援をするサービスです。構築作業を受託するだけでなく、コンサルティングなども通じて、団体・企業内部のデジタルアーカイブ構築にコミットします。

文化財ICTの誠勝」は、

貴重書・絵画・図面など複製難易度の高いあらゆる媒体のデジタル化に対応した、高性能スキャナー販売サービスです。史資料を外に持ち出せない場合や、大学等高等教育機関のご担当者様が、学生教育の一環として、あらゆる史料デジタル化の実習を行う場合なども想定しています。

これらは全て、デジタルアーカイブに関するあらゆるお客様のニーズに対応したものです。

デジタルアーカイブに関するどんなお困りごとも解決し、文化を継承する人の育成の場を作りたい−−そんな想いで、多様なサービスを拡充しました。

【デジタルアーカイブの「利活用」→「構築」の循環により新たな価値を生み出していく】

--「"文化を継承するアメーバ"を創る。」を体現し続けていく

「”文化を継承するアメーバ”を創る。」これが私たちのミッションであり、目指すゴールです。

“文化を継承するアメーバ”とは、誰かに依存することなく、自分たちで自律して文化を継承できる人を増やし・仕組みを作り・社会を創ることです。

言うまでもなく、当社だけで世の中に眠っている膨大な史資料のデジタルアーカイブ化を行うのは至難の業です。またデジタルアーカイブ化が進んだとしても、「利活用」がなされなければ、その運用自体が停止してしまうリスクも孕んでいます。

デジタルアーカイブが社会の課題解決に役立つロールモデルを作り、それによって多くの人が自発的にデジタルアーカイブを構築するようになり、"文化を継承すること"が多くの人にとって身近になっていく−−そんな世の中を創るために、あらゆる人材を結集する必要があります。

これまで紡いできた地域や企業団体のデジタルアーカイブ化を、今後一層進めるためにも弊社はこれから益々社内・地域双方の人材育成に注力していきます。その中で、当社の仲間として一緒に働いていただける方がいらっしゃれば、これほど嬉しいことはありません。

--これからの10年、20年後に向けて

今後の先行きが不透明な時代だからこそ、変化に柔軟に対応するのみならず、自ら変革を起こして突き進んでいく力が求められます。そして約70年ぶりの改正博物館法を契機に求められているデジタルアーカイブ業界の変化は、今後も間違いなく続いていくはずです。

当社はこれをチャンスととらえ、「デジタルアーカイブを地域・企業の課題解決に活かすロールモデル」を創り出し、10年後・20年後もお客様や従業員に愛される企業として、着実に活動を続けてまいりたいと思います。




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