組織の中でつくられるデザインには、単なる装飾を超えた役割があります。
事業やチームの思いや考えを可視化し、全員が理解しやすい形で共有することで、組織の意思決定や行動をスムーズに促します。
本記事では、これまでに手がけてきた社内クリエイティブの一部をピックアップし、「どのような背景で、なぜこの表現になったのか」という視点からご紹介します。
デザインというフィルターを通して、私たちの組織の文化や価値観が、少しでも伝われば幸いです。下記のような方々のご参考になれば嬉しいです。
・社内制作でのデザインやWeb制作に興味がある方
・組織の文化やバリューを“デザインの力”で届けたい方
・サクラグで働くデザイナーの仕事を知りたい方
<話を聞いたデザイナー>
・Makino
プロダクトディビジョン所属。
桑沢デザイン研究所にてデッサンから紙媒体、webなどのデザインを学び、2023年4月に新卒入社。約2年間、社内制作業務に従事し、現在は、客先でのクライアントワークを担当。ユーザー視点に立った、伝わるデザインを意識して日々制作に取り組んでいる。2023年10月の12期上期キックオフにて、新人賞を受賞した。
・Kobayashi
プロダクトディビジョン所属。
同志社女子大学メディア創造学科にてエディトリアルデザインを中心に学びながら、デジタルハリウッドにてUI/UXとインタラクションデザインを学び、2024年4月に新卒入社。現在はクライアントワークにてディレクション業務を中心に行なっており、制作側の目線を持った提案を心がけている。
・Hyemin
プロダクトディビジョン所属。
明星大学デザイン学部にて、企画からグラフィック、UI/UXまで幅広いデザインを学び、2024年5月に新卒入社。入社後は、社内制作や受託制作、Webサイトの運用・保守などを担当し、デザインからコーディングまで一貫して携わっている。直近は社内総会のコンセプトデザイナーに選ばれるなどチームや社内の期待に応える活躍を見せている。
目次
デザインで「文化」をつくる。サクラグのWebデザイナーの役割とは
制作実例でたどる、文化のデザイン
サクラグのWebデザイナーが大切にしている3つのこと
組織の文化を育てるクリエイティブの力
デザインで「文化」をつくる。サクラグのWebデザイナーの役割とは
サクラグのWebデザイナーは、ただデザインを作るだけの役割ではありません。
組織の中に流れる空気感や価値観、文化そのものを、デザインという「見えるかたち」にして届ける仕事です。
たとえば、メンバーの想いが伝わる資料、全社イベントのロゴやビジュアルなど。
それらのひとつひとつに、サクラグ「らしさ」と「熱量」を込めることで、
組織の文化がより強く、自然に浸透していくことを目指しています。
制作実例でたどる、文化のデザイン
Case1:全社キックオフのキービジュアル
デザイナー:Hyemin
制作背景:
キックオフイベントの参加者全員に配布するしおりやチケットを制作。自由度の高いデザイン依頼の中、「変化」というキーワードから”蝶々”をモチーフに選びました。
工夫ポイント:
・イベントのわくわく感を演出するため、普段の社内デザインとは違う特別な色味を採用
・チケットにも遊び心を持たせ、手に取った瞬間に期待感を感じられるよう工夫
・リファレンス調査に時間をかけ、世界観を丁寧に設計
Case 2:社内報「BLOOM」
デザイナー:Hyemin
制作背景:
毎号異なるモチーフや色味でテーマ性を表現している「BLOOM」の表紙デザイン。特集内容やその時々のトピックに寄り添いながら、読者にとって印象的なビジュアルとなるよう制作しました。
工夫ポイント:
・テーマごとに自然や季節、抽象的な図形など多様なモチーフを採用
・表紙を見るだけでその号の特集内容が直感的に伝わるよう、ビジュアルとメッセージ性を連動
・デザインのトーンや配色も毎号調整し、変化と統一感のバランスを意識
Case 3:出張社内報(サステイナブルレポート)表紙
デザイナー:Kobayashi
制作背景:
13期スローガン「ZEBRUG*」を視覚的に印象づけるため、「都会のゼブラ」をテーマに華やかさを追求したビジュアルを制作。渋谷の街をイメージさせるスクランブル交差点の横断歩道を中心に据え、新しい年度の始まりにふさわしいインパクトを目指しました。
*ZEBRA+SAKURUGの造語で、ゼブラ企業として成長することを示すもの
工夫ポイント:
・「桜(サクラグ)×ゼブラ(横断歩道)×都会(スクランブル交差点)」という複数のモチーフを、アイソメトリック図法で立体的に組み合わせて表現
・横断歩道とシマウマという2つの“ゼブラ”が視覚的にぶつかりすぎないよう、エレメントごとの配色に細やかな調整を加えた
・桜の花びらを舞わせる演出を取り入れることで、「新しい風が吹いてきた」というスローガンの象徴性を視覚的に強化
Case 4:社内統合報告書
デザイナー:Kobayashi
制作背景:
単一要素のデザインでは目新しさに欠けてしまうと感じたため、13期スローガン「ZEBRUG」と掛け合わせ、「新しいサクラグ」を表現できるようなビジュアルを目指しました。
そのため「ゼブラ+◯◯」という形で複数の要素を組み合わせ、これまでにない新しさを感じてもらえるよう意識して制作しました。
工夫ポイント:
・今のトレンドを取り入れるため、「アイソメトリック図法」を採用。構造全体を俯瞰で見せつつ、複数の要素を効果的に掛け合わせた
・各ディテールを丁寧に見せるため、3D的な要素も取り入れ、奥行き感のある仕上がりに
・デザインはあくまで目的を伝える手段と捉え、「報告書としての視認性」を最優先に設計。カラーのコントラストや、文字量に対する要素のバランスに配慮し、読みやすく、伝わるデザインに仕上げた
Case 5:HRオクタゴン2.0
デザイナー:Kobayashi
制作背景:
「シンプルかつ目を惹く」というテーマを掲げ、資料のアップデートに合わせて表紙デザインを刷新。
2Dから3Dへと視点や次元を変えることで、「新しくなった」という印象を視覚的に伝えることを意識しました。
工夫ポイント:
・空間を感じさせる立体的な表現を取り入れ、デザインに深みをプラス
・会社名が自然と目に入るよう、シンプルモダンな構成を採用
・ロゴや会社名の配置には黄金比・白銀比を用いており、視覚的なバランスにも細やかに配慮
Case 6:採用パンフレット
デザイナー:Kobayashi
制作背景:
新卒学生に向けて、爽やかさを感じられるトーンをテーマに制作。
サクラグに触れる最初の接点となるため、社名にもある「桜」をしっかりと印象づけられるよう、表紙にシンボリックな桜の木を配置しました。
工夫ポイント:
・桜の木のディテールには特にこだわり、幹を太く、花を多くすることで、会社の象徴としての存在感を表現。木の角度やバランスも調整し、どっしりと構える姿を目指した
・読みやすさを重視し、各ページの文字量や余白を丁寧に設計
・ページをめくる手が自然と進むよう、全体の流れや構成にも配慮
Case 7:note記事サムネイル
デザイナー:Makino
制作背景:
『テクノロジーとクリエイティブの力で〜』というキャッチコピーに合わせて、note記事のサムネイル全体のグラフィックを刷新しました。デザイナー志望や制作に興味のある方にも響くよう、従来の写真中心のイメージから、よりクリエイティブで印象的なビジュアルへと方向性を大きく変えています。
工夫ポイント:
・世界中の多様な人々がミニチュアの世界で共存している様子を描き、サクラグのグローバルかつ多様性を表現
・クリエイティブ志向のターゲット層に刺さるよう、細部まで凝ったイラストと構成にこだわった
Case8:For childrenポスター
デザイナー:Makino
制作背景:
世界中の子どもたちを対象としたビジュアル制作のため、抽象的な表現ができるイラストを採用しました。
工夫ポイント:
・後ろ姿で未来に向かって走る構図を選び、「希望に満ちた未来への前進」というメッセージを込めている
・未来感を演出するカラーリングに加え、空飛ぶ車など現代にはない自由な想像ができる要素を散りばめ、ワクワク感を演出
サクラグのWebデザイナーが大切にしている3つのこと
サクラグのWebデザイナーが日々の仕事で大切にしているのは、次の3つのポイントです。それぞれが組織の文化やメンバーの想いを「かたち」にし、届けるための軸となっています。
1. 「らしさ」を見つけ、丁寧に表現すること
組織ごとに持つ独自の価値観や雰囲気、歴史や人の想い。
それを言葉や数値だけで伝えるのは難しく、だからこそデザインで「見えるかたち」にすることが大切です。私たちは常に、「サクラグらしさって何だろう?」と自問しながら、素材や色、レイアウト、言葉のトーンを選びます。
2. 「伝わること」を最優先に考えること
誰に何を伝えたいのか、どんな状況で見るのかを想像し、理解しやすい構造やわかりやすい表現を心がけています。ユーザー視点に立ち、言葉やビジュアルの力を最大限に活かすことで、行動や共感を生み出すと考えています。
3. 組織とともに成長し続けること
サクラグの組織や文化は日々変化しています。
その変化をとらえ、新しい価値観や課題をデザインに反映させる柔軟さが必要です。また、制作物を作って終わりではなく、フィードバックをもとに改善を続けることも大切にしています。
組織の文化を育てるクリエイティブの力
サクラグは、組織の文化や空気感をデザインで「見えるかたち」にすることで、働く環境の質を高め、メンバー同士のつながりや共感を育んでいます。
「らしさ」を表現するサクラグのクリエイティブの強みは直近ありがたいことに社外からも反響をいただいており、コーポレートブランディングやDEIにまつわる資料などのデザイン依頼もいただいています。
もし興味を持っていただけた際はぜひお問い合わせください。
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デザインはただの見た目づくりではなく、組織の価値や想いを伝え、チームの一体感を支える大切なコミュニケーションツールです。
これからも変化に柔軟に対応しながら、サクラグは文化をより良く育て、進化させるためのクリエイティブに取り組み続けます。