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【代表インタビュー後編】温度管理への飽くなき探求心から、唯一無二のワイン&日本酒セラーが誕生! 制御技術のプロフェッショナル『さくら製作所』が思い描く未来とは!?

こんにちは、さくら製作所採用担当です。前回に引き続き、代表取締役・穂積亮雄(ほづみ あきお)のインタビューをお届けします。後編では、世界初の2温度式セラー開発秘話やさくら製作所が誇る氷温管理技術、そしてこれからのビジョンなどについて語ってもらいました。ぜひ最後までご覧ください!

創業時は“ひとり家電メーカー”状態。発売3カ月でいきなり月商3000万円を達成!

―― 2014年の創業時は、どのような規模の組織だったのでしょうか?

実は、創業メンバーは私ひとりだったんです。2014年5月に会社を立ち上げましたが、そこから2015年3月までは、単独で開発して自ら販売先を開拓する…という、“ひとり家電メーカー”状態。だから寝る間もなくて、その7~8カ月は1日の睡眠時間が2時間ほどでした。ところが、初めての製品をリリースして3カ月後、いきなり月商3000万円を達成しました。これはまったくの予想外でした。

―― たったひとりで、いきなり月商3000万円ですか? 成し遂げられた要因は?

販売店にとって、どういう商品なら売るメリットがあるか。まずそこを考えたのが、勝因だと思っています。家電量販店に行くとわかるのですが、一部のトップメーカー以外、90%はいわゆるマイナーなメーカーの商品が並んでいるんです。つまり、8~9割の家電は、“ブランド力”ではなく“商品力”で売っているんですね。そう考えたとき、量販店さんにとって売りやすいのは、“キラーワード”を持つ商品ではないかと考えたのです。

量販店さんから見て、良い商品の定義は、やはり“売りやすい”ことと“利益が出る”こと、そして“手離れがいい”こと。「手離れ」とは、つまりメーカー側がきちんと相談窓口を設けていて、販売店の手を煩わせないという意味です。家電商品には故障やトラブルがつきものなので、それも大事な要素なんです。逆に、この3つさえ抑えていればメーカーとして機能を果たせると考えました。

世界初の2温度式ワインセラーを開発。日本酒のおいしさを引き出す氷温管理も実現!

―― では、家電量販店さんが売りやすくなる、さくら製作所ならではの“キラーワード”とは何だったのですか?

ズバリ、“2温度式”です。現在はほかのメーカーでも商品化していますが、1台で温度がわけられるワインセラーを世界で初めて開発したのは弊社です。それまでは2つの温度にわかれているワインセラーは存在しなかったんですね。だから赤ワインは常温で白ワインだけ冷やすか、もしくは赤も白と同じ温度で管理するほかなかったんです。

でも、やはり赤は赤、白は白の適温で楽しみたいという声は、営業先でも常々聞いていたので、2温度式のセラーの開発を思い立ちました。会社員時代から構造アイデアは温めていましたが、しょせんそれは絵に描いた餅にすぎず、起業して本格的に取り組みはじめてから、かなり試行錯誤を重ねました。

―― ファーストロットはどのように製作されたのですか?

中国のメーカーさんを当たって、自分で設計したセラーを製作してもらいました。最初にパワーポイントで企画書を作成したところ、中国側とまったくコミュニケーションが取れずに難航。時間もコストもかかってしまうためいったん帰国し、CADソフトを購入し1カ月ほど独学で勉強して自分で設計したものを図面ベースで出す形に変更しました。それが功を奏して、以降はうまく連携することができました。

―― さくら製作所では創業から毎年、出荷台数を伸ばし続けてきましたが、ここまで躍進できた理由をどのようにお考えですか?

競合メーカーが2温度式セラーに手を出してくることは最初から予想していたので、「ワインセラー市場だけで勝負しない」と決めていたことが大きかったのかもしれません。ワインに限定すると市場の取り合いになってしまうため、自ら新規市場を開拓しようと考えていたんです。

そこで弊社はもっと低い温度、つまり0℃以下でも凍らない温度域(=氷温域)を楽しめる日本酒セラー開発に乗り出しました。ワインはどちらかというと酸化をうながして熟成させて味の変化を楽しみますが、日本酒は低温であればあるほど酵素の活動が抑えられるので熟成が進みにくく、味の変化がとどまるとされています。でも、0℃以下の氷温で液体を管理するのは本当に難しい技術なんです。しかも日本酒はボトルの縦置きが原則で、液体の総量は変わらなくても瓶底が空気の流れを遮断してしまい、下まで満遍なく空気をまわすことができない。そこで、日本酒の保管のための制御技術を独自に開発しました。

さくら製作所では制御開発や機構設計なども自社で行っており、競合他社が参入しにくい製品開発をしているんです。温度制御技術の関連特許も3つ保有しています。

従来の冷蔵庫では味わえない、新しい楽しみ方を提供していきたい

―― ワインセラー、日本酒セラー開発で培ってきた技術を今後、どのように発展させていきたいと考えていますか?

弊社には日本酒を低温で管理できる技術力があり、それらはさまざまな事業に活かすことができると自負しています。リモートワークが増えている昨今、在宅で仕事する人の手元に第2の冷蔵庫としてセラーが1台あったら、とても便利ですよね。また、氷温だと、たとえば炭酸水を氷結させたり、アイスクリームを適温で味わうことができたり、普段何気なく飲んでいるものでも味が変わって楽しみが増えるはずです。今後もそういった、“冷蔵庫の新しい価値”をどんどん提供していきたいと考えています。

あとは、ワイン好き、日本酒好きにはマニアックな方が多いので、アプリで管理履歴がわかるようにしたいと考えています。特にワインの場合は、次のオーナーに転売する際、これまで何年間どのぐらいの温度で管理してきたか、保管の歴史が見えればそこに安心という価値が生まれます。

海外ではワインや日本酒の模倣品が増えています。蔵元や流通業界のみなさんがトレーサビリティーに心を砕いている中、セラーメーカーとしては“中身の品質保証”を支えていきたいと思っています。

―― 穂積さんがいま思い描いている、さくら製作所の展望をお聞かせください

これまでは家電量販店さんに目を向けて商品開発をしてきましたが、直販にもさらに力を入れていきたいですね。蔵元やワイナリーとタッグを組んで情報発信することも考えていきたいと思っています。

また、弊社は少数精鋭の企業ですが、ひとりあたりの労働生産性は上場企業平均の3倍ほどあり、このビジネスモデル自体に価値があるのではないかと考えています。たとえば、大手エアコンメーカーさんは繁忙期、200~300人もの短期人材をコールセンター要員として雇用すると聞きましたが、それだと莫大なコストがかかりますよね。弊社のカスタマーサービスはお客様がメールで連絡できるスキームを備え、自動で症状を判定するツールも開発しています。自動判定のため一瞬で次のプロセスへとつながり、3日後には新しい商品が届くというスピーディーな対応が実現しました。その結果、電話でのお問い合わせは1割に満たず、少人数のチームで運用できています。

さらに、全国どこでも出張修理ができるネットワークも構築しています。そういったところに魅力を感じてくれるメーカーさんがいたら、効率的な組織構築のお手伝いができるのではないかと考えています。

―― 最後に、さくら製作所への入社を希望する方に向けたメッセージをお願いします!

弊社の伸びしろは、まだまだあると考えています。一緒に考えながら会社の成長とともに歩んでくれる人材にジョインしていただけたら心強いですね。

2回にわたってお届けした代表・穂積のインタビューはいかがでしたでしょうか? さくら製作所では今後の事業拡大に向けてメンバーを募集中です。弊社の製品開発やビジョンに興味を持ってくださった方はぜひお気軽にご応募ください!

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