今回は、リクルートのデザインディレクター組織のグループマネージャーを務める磯貝と、グループメンバーとして2019年10月に入社した若松に密着です!
若松を中心に、デザインディレクター業務の概要と、なぜリクルートに入社したのかについて聞いてみたいと思います。
リクルートのデザインディレクターとは
――早速ですが、グループの役割について教えてください!
磯貝:一言で言うと、「プロダクトにおけるデザインマネジメント」を担っています。
リクルートにはたくさんのプロダクトがありますが、そのプロダクトの幅広い工程に関わり、デザインの観点から価値を生み出すために様々な業務を行っています。
具体的には、デザインをリードする立場として、プロダクトのUIデザインやディレクション、デザインルールや戦略策定、デザインチームの統括など、プロダクトのデザインに関する業務全般に携わります。
ビジュアルデザインだけでなく、プランナーと協働しながら、定量・定性の両観点から、改善施策の提案やプロトタイプ作成を行ったり、デザイン戦略のみならず、ブランドやコミュニケーション戦略にも関与し、デザイナーの職能としてプロダクトの成長に寄与していきます。
デザイナーの職能は、会社によって役割が異なると思うのですが、リクルートのデザインディレクターは、デザインを軸に様々な領域へ染み出して価値を出していくことを求めています。
また、私たちのグループは、「デザインマネジメントグループ」という名称なのですが、これは単にデザインを手がける組織ではなく、デザインを活用して価値を生み出す組織だということを意図したネーミングになっています。
かつてリクルートには、1964年の東京オリンピックのシンボルマークなどを手掛けていた、亀倉雄策さんが取締役として在籍され、「デザインとビジネスの融合」を目指していました。そういう観点で、リクルートは「デザイン経営」の先駆者だと思っているので、その意志を継いで、一緒にデザインマネジメントを推進していける人と働きたいと考えています。
デザインがビジネスにコミットする環境を求めて
――若松さんの、前職の仕事内容を教えてください。
若松:前職は、クライアントのデジタルマーケティングを支援する会社の制作部門(以下、前職)にて、主にWebのデザインを担当していました。自動車メーカーのWebサイト運用から始まり、飲料メーカーのブランドサイトやプロモーションサイトに携わっていました。
――そこから、なぜ転職しようと思ったのでしょうか?
若松:理由は大きく2つあります。
1つは、自分の志向として「デザイナー」よりも「デザインを活用すること」に向いていると思っていたことです。もともと美術大学や専門学校で「ビジュアルデザイン、デジタルデザインを学んできました」という経歴ではなく、デザイン思考をベースにサービスデザインやUI/UXを学んでいました。そのような背景もあって、次第に自ら手を動かすというよりは、デザインを軸にして、より上流工程の戦略や仕組みを考えたいと思う気持ちが、徐々に高まってきていました。
もう1つは、もっと挑戦し成長できる環境に身を置きたいと思ったことです。前職の会社では、クラインアントが内製できない業務について、お金をいただいて支援しているので、当然高いクオリティが求められます。絶対に失敗ができないゆえに、必然的に“できる人”に仕事が集まるため、若手の挑戦や成長の機会を創出することが、会社の立場上、なかなか難しい状況にありました。
また、ちょうど30歳になるタイミングだったので、区切りがいいと思ったことも大きいきっかけでした。
――そこからは、どんな軸で会社選びをしていたんですか?
若松:先ほどお話しした理由から、受託側の会社ではなく「事業会社」であることを優先させました。前者の場合は受注ベースで仕事が進むので、案件にもよりますが、1つのプロダクトで長い間コミットできることは多くありません。また、お客様のためを考えて作ったものの、社内で意見が通らないこともしばしばありました。そのため、PDCAを回しながら当事者意識を持って長期でサービス改善を行える、事業会社で働いてみたいと思うようになったのです。
さらに、事業会社の中でも、会社の規模がそれなりに大きく、チームで働く文化を大切にし、デザインに対して社内の理解があるところに行きたいと思っていました。
会社の規模にこだわったのは、ベンチャー企業の場合、ガイドラインの策定をゼロから決めるなど、未整備な環境下だからこそひとりで担える裁量が大きいことによる醍醐味があると思うのですが、それがビジネスインパクトに直結するとは限りません。これは志向の問題でどちらが良い悪いという話ではありませんが、私はデザイナーとして自ら手を動かしてプロダクトをデザインするだけでなく、デザインで価値を生み出す仕組み作りやマネジメントに関わる仕事に興味がありました。
そう考えた時に、より良いものを作ろうとすると、ひとりで思考するには限界があると感じるとともに、デザインにおいて複数の価値観を取り込みながら作り上げていくことはとても大事だと考え、仲間と議論しながら仕事ができたらいいと。それで、組織に自分しかデザイナーがいないような環境ではなく、デザイナーとしての知識を共有できる環境に行きたいと思っていました。
――「会社規模が大きい事業会社」って他にもたくさんあると思うのですが、そこからなぜリクルートを選ばれたのですか?
若松:一番は、デザインがビジネスにコミットしている点ですね。逆に、業界最先端な取り組みをしているものの、ビジネスインパクトが少ないところにはあまり興味を惹かれませんでした。これもどちらが良い悪いではなく、私はビジネス側ときちんと会話できるデザイナーになりたいと考えていたので、リクルートがベストだと判断しました。
最後の決め手は、面接で上長となる磯貝さんとお話しして、お人柄の良さと“尊敬できそうオーラ”を感じたからです(笑)
磯貝:それは忖度(笑) でも実際、リクルートはベンチャー企業と大企業のいいとこ取りな感じがあるよね。誰もが知っている成熟したプロダクトから新規プロダクトまで、多種多様なサービスに関われる。売上規模も、小さなものから中には数百億規模のものまであるので、少しの改善でも大きな効果が出るのは面白いよね。
自分の意思決定によりいろいろな物事が動き出す面白さ
――現在はどういった仕事を担当しているのでしょうか?
若松:今は、『ホットペッパービューティー』のデザインディレクターをしています。具体的には、Web、アプリ領域における課題について、デザイン観点からあらゆるアプローチを用いて解決する役割を担っています。
ビジュアルデザインやUI/UXデザインを用いたプロダクトの磨き込みはもちろん、デザインガイドラインの作成やデザインプロセスの整備などのデザインマネジメントや、時にはCDO(チーフデザインオフィサー)が担うような上流工程のブランド・コミュニケーション戦略領域に至るまで関われることもあるので、非常に楽しく働かせてもらっています。
――10月に入社してから3ヶ月が経ちますが、実際に働いてみていかがですか?
若松:自分の意思決定によって物事が動き出すことは面白いですね。今までは、自分が動かしているというよりは、お客様の要望に応えるという感じだったので。
それから、いろいろな人と交流できる「よもやま(1on1)」文化もすごくいいですね!前職では、工数管理ベースで仕事をしていることもあって、時間とコストの考え方が良くも悪くもシビアだったため、社内で気軽に相談したり、交流したりすることは簡単ではありませんでした。また、デザイナーがプロジェクトに数人しかおらず、横のつながりが意外と少なかったこともありますね。
磯貝:わかる(笑) デザイナーだけで喋っていても視野が狭くなるし。よもやま以外にも、ナレッジ共有も盛んだよね。デザイン系のナレッジ共有は3年ぐらい前から積極的に行っているけど、たくさんプロダクトがあるからこそ、失敗も成功もたくさん学べる。
若松:印象的だったのは、アプリのデザインを新しくしようとした時に、ユーザー調査の設計から携われたことですね。デザイナーがそこまでやることってあまり多くないじゃないですか。リクルートだと、自分で戦略を立てて、デザインを展開して、ユーザー調査もゼロから設計して…と、自らの意思と手で一気通貫で担えるのがとても楽しいですね。
磯貝:そうだね。結果につなげるためのエビデンスづくりからできる環境があるよね。大学とかでユーザー調査の重要性って学ぶけど、いざ会社に入ると、あんまりユーザー調査していなかったりする場合もあるし。
――今後のキャリアプランは、何か考えていますか?
若松:まだ転職してきたばかりなので、まずはここでやりきりたいですね。3~5年で会社も社会も変わると思うのでまだ先は見えていません。
磯貝:私は、先ほど話したように、デザインとビジネスの融合を目指して、リクルートをデザインの力でより良くすることに集中したいと思っています。
――フリーランス(独立)などは考えたことはないですか?
若松:私はありません。フリーランスは受託が多く、「個」で稼ぐためにはコネクションが必要だし、「個」で評価されないといけないと思うんです。そして、フリーランスになると、よりわかりやすい表現で判断されるケースも多い。私は表現をしたいわけではなく、デザインをベースにした価値創出に興味があるので、リクルートという巨大なプロダクトを持つ会社の中でチャレンジすることにやりがいを感じています。
磯貝:ちなみに、私も若松くんも、リクルートにはリファラル採用がきっかけで入社しているんですよ。会社によって仕事内容が全然違うし、この業界ってそんなに広くない。だからエージェントを使うより、知人の紹介で詳しく話を聞いてしっかり理解したうえで転職したいと思っていました。もし当時の私のように、リクルートのデザイン業務に興味がある方がいれば、転職意欲は不問なので、まずはカジュアルにお話しできたらと思います。
――ありがとうございました!
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プロダクトデザイン室では、オウンドメディアを立ち上げました!
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