今回はIT業界に初めてチャレンジする方のために、巷でよく聞く「ブラックSES」の謎について迫っていきます!
1.そもそもSESとは・・・?
2.その他の事業形態も知っておこう!
3.ブラックSESの謎
4.ホワイトSESの見極めポイント5つ
5.未経験で就活するときの企業選びのコツ
1.そもそもSESとは・・・?
クライアント:新しいシステムが必要だ!ではABC会社(SIer or ベンダー)にシステム開発を依頼しよう!
ABC会社:是非うちでシステム開発やらせて頂きます!でも社内のメンバーでは人数もスキルも足りない!どなたか協力してくれる方(会社)いらっしゃいますかー?
SES会社:うちに今回のプロジェクトに最適の人材がいます!
ABC会社:スキルもぴったりだし人柄もよさそうだね!是非このプロジェクトの間、この方を貸してください!
といった感じで、プロジェクト単位でエンジニアのスキルを提供するサービスがSES(システムエンジニアリングサービス)です。
つまり、社員であるエンジニアを他社が受注した案件に参画させ、その人材の提供に対して対価を得ることで収益を上げる事業形態です。
法的な関係性や責務など特性があり、全く別物ではありますが、人材不足の場所に人材を提供するという面においては、派遣のイメージに近いです。
2.その他の事業形態も知っておこう!
【受託開発】
受託開発とは、案件自体を受注し、クライアントの要望通りにシステムやアプリケーション開発をすること。
SESのように人材を提供するのではなく、自社で受注し、要望されたシステムを成果物として納品することにより収益を上げる事業形態です。SIerやベンダーはこの形態に該当します。
【自社開発】
自社でサービスや製品として売り出せるシステムやアプリケーションを開発すること。
クライアントが初めからいるわけではなく、自社で製品化した後、サービスの利用者を増やす、システムを導入するクライアントを作るなどして収益を上げる事業形態です。
3.ブラックSESの謎
ブラックSESとはつまり何を指しているかというと、、、
- 給料が安い&上がらない
- スキルの向上とは程遠い雑務案件ばかり
- 案件に参画後は放置
この3点を兼ね備えたSES会社のことだと考えています。
「ブラックSES」と言われるからには恐らくこういったSES会社が世の中に多い、ということなんだと思いますが、なぜこういった会社がたくさんあるのか、、、
大きな原因としては以下の2点と考えています。
- 案件参画後は日頃の成果が見えにくい
- 自社で研修ノウハウを持っていない
先ほど挙げた「受託開発」「自社開発」の事業形態と比較して、SESの場合は社内を離れてクライアント先で勤務することが圧倒的に多いです。その為、日頃どのような成果を出しているかが、実際の評価者である自社の上司に見えにくく、評価に繋がりにくい傾向にあります。
また、自社の上司も別の案件先で勤務していて、部下のフォローまで手が回らないことも多々あります。
さらに、自社で未経験もしくは経験の浅い社員を育成するための研修ノウハウを持っているSES会社は非常に少ないです。SES会社の多くが研修を外注せざるを得なかったり、もしくは研修なしで案件先に行かせるケースもあるようで、そういった会社が未経験でもできる雑務のような仕事を社員にさせることによって、スキルの向上も出来ないままずっと似たような案件ばかりに参画するといった負の循環に陥ってしまうようです。
実際、SESはエンジニアさえいれば事業が成立するため、研修ノウハウを持っている企業は少なく、また事業立ち上げ後にノウハウを蓄積し、制度として確立するにはそれなりに時間もお金もかかるので外注してしまった方が効率が良いという判断になりがちです。
そんな会社には行きたくない!と思った方のために、どうやって見極めればよいのかを次に紹介します。
▼そのほかのブラックな噂についても気になる方はコチラ▼
https://www.wantedly.com/companies/rayd/post_articles/231858
4.ホワイトSESの見極めポイント5つ
全てのSES企業がブラックなわけではありません!未経験の方も経験者の方も必見!
ホワイトSES企業を選ぶには以下のポイントをチェックしましょう。
① 「自社研修」の制度を持っているか
② スキルアップのための案件変更が可能か
③ 昇給のための評価はどのように行われるか
④ 担当営業との連携は密に行われているか
⑤ SESという事業形態を選ぶ理由が明確か
①~③は3で述べているため、④と⑤についてなぜ確認すべきかをお伝えします。
④ 担当営業との連携は密に行われるか
SES企業の多くは、エンジニアのスキルと案件とのマッチングを行い、エンジニアのスキルを市場に売り出してくれる営業部が存在します。PJ参画後に、事前に知らされていた時間よりも大幅に残業させられている、作業指示を誰からもらえばいいかわからないなどの問題があった場合、対応をしてくれるのはマッチングをしてくれた担当営業の方であることが多いです。その為、どれだけ密に連携を取っているか、取れる体制があるかは確認しておいた方が良いでしょう。
⑤ SESという事業形態を選ぶ理由が明確か
後述しますが、各事業形態にメリットデメリットが存在します。その為、SESという事業形態そのものが悪なわけではありません。メリットを理解した上で目的を持って「SES」という事業形態を選択している場合は、ブラックになりにくいでしょう。
中々5つすべてを満たす企業は少ないと思われますが、SES企業に入社を検討している場合は入社前にご自身で確認しておいて損はないポイントです。
5.未経験で就職するときの企業選びのコツ
最後に、IT業界に初めてチャレンジする方に企業選びのコツをお伝えします!
各事業形態のメリット・デメリットをみて、自身が魅力を感じた事業をしている企業にトライしてみましょう!
【受託開発】
メリット
・受注から納品までシステム構築の一連の流れを見ることができる
・会社の仲間と仕事ができる
・チームリーダーやプロジェクトリーダーを早いうちに経験できる可能性がある
デメリット
・自社で受注から納品まで対応できることが前提のため、案件の質や種類が企業規模に左右されやすい
・開発手法やプロジェクトの進行は常に社内のノウハウに依存するため、知識やスキルが偏りやすい
・納品の責任があるため、納期に追われて残業時間が増えることが多い
★こんな人におススメ
・クライアントにより近い位置で誰かの役に立っていることを実感したい
・「作りたいもの」より「作ってほしいもの」をどうやって実現するかを考えたい
【自社開発】
メリット
・会社の仲間と仕事ができる
・自社作業がメインになっていたため(最近はテレワークも増えている)、オフィスの内装や立地にこだわっている会社が多い
・自身が作ったサービスや製品が世の中で使われる面白さを実感できる
デメリット
・一つのサービスや製品しか持っていない場合、知識や技術が偏りやすい
・完全未経験者が採用されにくい
★こんな人におススメ
・まずはオシャレな会社で働きたい
・気になるサービスや製品が決まっている
・仲間と試行錯誤しながら仕事をしたい
【SES】
メリット
・様々な業界やシステムに携わることができ、転職せずに自身の興味が持てる分野を探すことができる
・様々な案件に携わることで汎用性のあるスキルをつけることができる
・未経験者歓迎の企業が多い
デメリット
・初めてプロジェクトに参画するときも自社の先輩や上司がいない場合がある
・日頃の業務に対する成果が評価されにくい
★こんな人におススメ
・IT業界未経験で、業界の中でどういうことをやっていきたいかがまだ明確になっていない
・将来はフリーランスになりたい
・長く同じ業務をするより、一定の期間で環境を変えたい
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今回ご紹介した事業形態や特徴などはごく一部であり、全ての事業形態を取り扱っている会社もあれば、ご紹介した以外の事業を行っているIT企業もたくさんあります。
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※本記事はあくまで筆者の個人的見解で作成されており、記載の事項は必ずしも事実に基づくものではありません。