「実はコミュニケーションはけっこう苦手なんです」
そう笑うのは、2022年に新卒入社したエンジニア・平島さん。社内で「技術力もコミュニケーション力も高い若手のロールモデル」と評される彼の、まさかの一言です。
新卒1〜2年目でチームリードを任され、今ではCTO室でAI推進をリード。自主開発した社内向け拡張機能で社長賞も受賞した平島さんに、ラクスルを選んだ理由と、4年間の成長ストーリーを聞きました。
目次
博士を夢見た少年が、エンジニアになるまで
「この人たちと働きたい」と思えた直感
新卒1年目でリードエンジニアに
叩き込まれた「こだわる」姿勢と、失敗からの学び
CTO室でのAI推進、「好き」から生まれる挑戦
編集後記
博士を夢見た少年が、エンジニアになるまで
── 小さい頃からエンジニアを目指していたんですか?
平島:いえ、夢は「博士」になることでした(笑)。何の博士かは決まっていませんでしたが、「物に詳しい人」「人助けできる人」に憧れていました。謎解きやパズル、読書が好きな理系少年で、高校では物理や数学の研究で論文を出したこともあります。進路では数学・生物・情報で迷いましたが、「情報技術ならどの分野にも応用できる」と考えて、都立大の情報系に進みました。
── 大学ではどんなことに取り組んでいたのでしょう?
平島:勉強よりもサークル活動に熱中していました。ゲーム制作サークルに入り、先輩と一緒に起業に挑戦もしたんです。「ゲーム技術で課題解決ができないか」と考えていましたが、自分たちのやりたいことを犠牲にしないと資金調達が難しいという現実に直面し、「それでは意味がない」と潔く解散しました。
学部時代にゲーム業界を目指して就活もしましたが、主流だったソーシャルゲームの「いかに課金してもらうか」というビジネスモデルが自分の性に合わないと感じました。それよりも“課題解決”そのものに興味があると気づき、もう少し考えようと大学院に進んだんです。
大学院では3Dモデルの高速比較という数学的な研究に没頭しました。研究は面白かったけれど、成果が世の中に届くまでが遠い。「もっとユーザーの反応が見える場所で働きたい」と感じ、改めて就職を決めました。
「この人たちと働きたい」と思えた直感
── ラクスルをファーストキャリアに選んだ決め手はなんでしたか?
平島:2度目の就活では、「課題解決に真剣に向き合っている」「プロダクトに興味を持てる」「程よい規模の会社」という3つの軸にこだわっていました。起業経験があるのでスタートアップの大変さも知っていましたし、最初の就活ではゲーム業界を牽引していたメガベンチャーも多く見ました。
そこから、自分にはスタートアップの機動力を残しつつ、開発に集中できる安定性もある中堅規模のベンチャーが合っていると考えたんです。
実際にラクスルで話を聞いた瞬間に「プロダクトとビジョンが本気でつながっている」と感じました。社員のみなさんも同じ方向を見ていて、「この人たちと働きたい!」と強く思ったんです。
理屈で会社を選んでいたはずなのに、最後は働く人の“人柄”に惹かれていた。でも、今思い返しても、あの直感は間違っていなかったと思います。
新卒1年目でリードエンジニアに
── 入社前から内定者インターンをされていたそうですね。
平島:内定者インターンとしてエリアマーケティング(AM)チームに配属され、ポスティングサービスの大規模なシステム移行プロジェクト、通称『リボーン・プロジェクト』に参画しました。エンジニア職として内定したとはいえ、WEB開発は未経験で、RubyもRailsも初めて。ポスティングのドメイン知識も複雑で苦労しましたが、インターンを始めて半年後、入社式で迎えてくれたメンターに「もう一人前です」と言ってもらえたのは嬉しかったですね。
入社後も引き続きAMチームでリボーン・プロジェクトを担当していたのですが、メンターやテックリードの離職が重なり、気づけば入社1年目で実質的なリードエンジニアを担っていました。技術的なことはコードを見ればわかるものの、相談できる相手がどんどんいなくなってしまい、判断に迷うことも多くて苦労しました。
──『リボーン・プロジェクト』では何を学びましたか?
平島:学生時代は技術のことだけをいつまでも考え続けられましたが、仕事には締め切りがある。プロジェクトを最後まで「やり切る」ためには、技術だけでなく、スケジュール、チーム、ユーザー、移行計画、お金……さまざまな観点から考える必要があると実感しました。
コミュニケーションの大切さも学びました。エリアマーケティングはCSやSCMといった社内のステークホルダーと密に連携を取る必要があり、オペレーションの理解も含めて、あらゆることに折り合いをつけながら物事を進める力が鍛えられました。
約1年半かけてリボーン・プロジェクトはリリース。この一連の経験を通して、一つのプロジェクトを“点”ではなく“面”で捉えられるようになり、広い視野で物事を見る意識が芽生えたと思います。結果的に、一気に視座が上がり、僕のエンジニアとしての基礎を作ったと思います。
叩き込まれた「こだわる」姿勢と、失敗からの学び
── プロジェクトリリースの後の新たなミッションは?
平島:所属していたプラットフォーム推進室(現CTO室)が印刷基盤開発プロジェクトを統括していて、そこにアサインされたんです。扱う言語もフレームワークも全然違う環境だったんですが、事業部CTOの岸野さんから「AMチームで身につけた技術のキャッチアップ力を、再現性のある能力として次のチームでも発揮してほしい」と期待をかけてもらったので、言語を問わず技術力を発揮できることの証明を、個人的なミッションにして取り組みました。
このプロジェクトはGoで開発をしており、言語だけでなく進め方もリボーン・プロジェクトとは真逆の世界だったんです。「長く使う基盤を、綺麗に丁寧に作る」という思想で、それまでのスピードと調整重視から、守るべき品質を徹底的に守ることが求められました。最初はその思考の切り替えがうまくできなくて、パフォーマンスを発揮できるようになるまで1年ほどかかってしまいました。でも、師匠の岡田さんをはじめ、ここで「本当に大事なことにこだわる」姿勢を教わりました。
── その後、再びAMチームにプロジェクトリードとして戻られたんですよね?
平島:はい。リボーン・プロジェクトより小規模なプロジェクトでしたが、立ち上げからリリースまで責任を持つ立場を任されました。ただ、実はプロジェクトをフリーズさせてしまいました。直前で学んだ“こだわり”が裏目に出てしまったんです。
初めて任されたプロジェクトということもあり丁寧に進めていたのですが、自分の見積もりが甘かった。8割ほど実装を進めたところで大きな問題が見つかったこともあり、スケジュールが間に合わないことがわかりました。経験不足から「あとこれだけあればできます」と言い切ることもできず、予定したリリースを断念することになりました。チームには本当に迷惑をかけてしまったという申し訳なさはあるんですが、この経験で「こだわるべきところ」と「折り合いをつけるところ」のバランスを学べました。状況に応じて判断する力が、まだ自分には足りなかった。悔しかったけど、今振り返れば、その時点での自分の限界を知れたことが次への糧になったと思っています。
CTO室でのAI推進、「好き」から生まれる挑戦
── 現在は具体的にどんなことを?
平島:CTO室で全社横断的なプロジェクトに関わりながら、印刷事業のテックチームでAI推進をリードしています。最初はAIツールの導入や環境整備から始めて、今はAIが書いたコードを検証できる仕組みを作っているところです。
── 春に社長賞を受賞した「ツドエル」も話題でしたね。
平島:オフィス移転の時に作った会議室マップ拡張機能ですね。移転自体は楽しみだったんですが、「広いオフィスで迷子になりそう」と思って、休日に4時間で拡張機能を作ったんです。実はエリアマーケティング時代から業務外でずっと「開発者のためのツール」も作り続けていて、世界にオープンソースとして公開しているものもあります。社内の人もユーザーだと考えると、やっぱり身近な人の"負"を解消して、喜んでもらうのが好きなんですよね。
── 平島さんを「新卒若手エンジニアのロールモデル」と評する声をあちこちで耳にします。
平島:そうなんですか。嬉しいです。でも、実はコミュニケーションはけっこう苦手なんですよ。元々もっと苦手だったし、今でも苦手意識はある。ただ、ラクスルはありのまま、無邪気でいていいと安心できる環境なので、気負わずにいられるんだと思います。素直でいればうまくいくかなって。
休日は謎解き、ゲーム、アニメ、技術の勉強…。本当に好きなゲームは、自分でコピーを作ってみたりもします。「このタイミングで音が鳴るから快適なんだな」とか分析して。とにかく考えることが好きなんです。未来がどうなったらいいか考えて、足りないところを補う —— それが課題解決ですよね。結局ゲームと一緒で、僕はゲーム感覚で課題解決してるから、普段の開発もワクワクやってるだけなんです。
── 最後に、就活中の学生さんにメッセージをお願いします。
平島:今のラクスルは本当に「激アツフェーズ」です。挑戦できる課題が多くて、それに本気で向き合える環境がある。ぜひ社員と話してみてください。みんないい人ばかりで、僕と同じように「この人たちと働きたい」と感じてもらえるんじゃないでしょうか。
「(社会人になるにあたって)何を勉強すればいいですか?」と聞かれることも多いんですが、それより「好きなことを突き詰める」ほうが大事だと思っています。僕も好きなことを続けていたら、気づいたらここにいました。苦手なことがあっても、素直に向き合えばきっと乗り越えられる。ラクスルは、そんな「好き」を大切にできる場所ですよ。
編集後記
インタビューを通して印象に残ったのは、平島さんの“素直さ”と“好奇心”。
苦手なことを認めながらも楽しむ姿勢、失敗から逃げずに次へつなげる前向きさが、彼の成長を支えていました。
「好きなことを突き詰めて、気づいたらここにいた」
そんな言葉が、平島さんのキャリアを何より雄弁に語っています。ラクスルという環境が、好きなことに真っ直ぐな人をさらに伸ばす場所であることを、改めて感じました。
🔥 “激アツフェーズ”なラクスルでは、一緒に挑戦する仲間を募集しています。少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひカジュアル面談でお話ししましょう。